テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

2010!新春特別企画 《バスカビル家の虎》 おまけ編

2010-01-03 23:05:30 | 2010!新春特別企画!
「あけましてェおめでとうゥございまスゥ~!! テディちゃでス!」
「賀正~っ! ユキノジョーだよん!」
「がるるぅっ!」(←訳:おめでとうっ!虎です!)

 は~い、《バスカビル家の虎》出演者の御三方、
 お疲れさまでした~♪
 あらためまして、皆さま、あけましておめでとうございます。
 新春SALEを渡り歩いているネーさです。

「おかいものはァいいからッ、ネーさッ!」
「出演料ちょうぅだい~!」
「がるるっ!」(←訳:おなかすいたァ~!)

 えーと、わ、わかりましたわ。
 出演料として、毎年恒例、『虎や』さんの羊羹《夜の梅》をどうぞ。
 
「うむッ!んままッ!」
「美味であるぞな~♪」
「がる!」(←訳:甘い~♪)
「もぐもぐッ、はむむッ!
 ところでェ、ネーさ、
 とらくんはァ、どうなッちゃッたのォ?」
「バスカビル家を襲った盗賊たちは捕まったけどさ、
 もぐぐ、トラくんも連れていかれたのか?
 それとも、サー・ヘンリーに飼われることになったりして?」

 いいえ、虎くんは誰のものにもならないし、
 どこかに連れていかれちゃったりもしないと思うわ。
 今年の干支である虎くんは、
 いわば年の象徴であり、
 年神さまのお使いさまとも言える存在ですからね。
 
「むむゥ!
 だれもォ、かみさまにィ、てだしィできないィのでスゥ!」
「うん! トラくん、実はすごいヤツだったんだな!」
「がうぅ~♪」(←訳:まあね♪)

 今後一年間、皆さまの上に、あまねく幸せをお届けする虎くんを、
 どうぞよろしく!

「よろしくねッ、とらくんッ!」
「そうだ! トラくん、準レギュラーになっちゃいなよ!」
「がるっ?」(←訳:えっ?いいの?)
「うんッ! なッちゃえェ、なッちゃえェ!」
「そうと決まればぁ、祝杯だ!
 はちみつ酒を持ってこーい!」
「がるぅ♪」(←訳:旨そっ♪)

 ……えーと、あのぅ、そのぅ、
 とにもかくにも、皆さま、本年もよろしくお願いいたします~!

「よろしくゥおねがいいたしまスゥ!
 みなみなさまッ、すてきなァいちねんにィなりまスようにッ♪」
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2010!新春特別企画 《バスカビル家の虎》 その④

2010-01-02 23:14:31 | 2010!新春特別企画!
「……おやしきのォようすがァ、おかしィッ!……」

 ダートムーアを覆う霧の向こうに、見え隠れするのは、バスカビル屋敷。
 名探偵テディちゃムズは、はっし!と指し示します。

 門の鍵は外されていますし、
 屋敷の玄関前に横付けされているのは、見慣れぬ黒く塗られた荷馬車。
 そして、無防備にも、半開きになっている玄関からは
 明りが漏れておりますよ。
 耳を澄ませば、人声も聞こえます。

 ヘンリー・バスカビル卿のものらしき叫び。
 悲鳴や、怒鳴り声。
 ガラスがガチャンと割れる音、家具が倒れる音。
 荒々しい靴音も――

「やぱりィ、そうかッ!
 とらはァ、ゆうどうさくせん!だッたんだなッ!」
「誘導作戦?
 どういうことだい、テディちゃムズ!?」

 名クマ探偵テディちゃムズ、
 盟友ユキノジョン・H・ワトソン博士に説明いたします。
 
 これは、新たな形の、《魔犬の呪い》であるとも言えるのだ。
 『バスカビル家の犬』事件で、
 我々は悪漢が操る魔犬を退治したけれど、
 同時にそれは、バスカビル家の守りを薄める結果にもなってしまった。
 《魔犬》のいないバスカビル家なんて、
 恐ろしさのカケラもありません。
 相手としては、ちょろいもの。
 かねてよりバスカビル家の財産を狙っていた盗賊や詐欺犯たちは、
 沼地に虎を放ち、
 怯えた村人らがバスカビル家に来ないよう計らい、
 さらに、新年のお祝いで警官の巡回が途切れるこの夜を選び、
 犯行に及んだのだよ――

「そ、そうかっ!
 じゃあ、この虎くんは、盗賊たちの手先ってこと……?」
「いやいや、ユキノジョン・H・ワトソンくんッ、
 ここをォ、みたまえッ!」

 あばら骨が浮いた虎のお腹に、テディちゃムズは溜め息いたします。

「こんなにィ、やせちゃッてェ……
 ごはんをォ、もらッてなかッたんだよゥ!」
「むむぅ! 
 ご飯も与えられず、むりやり悪事に加担させていたのか?
 動物虐待だ!
 悪逆非道だ!
 許せんぞ~!!」

「ぐるるッ、がうぅ!」
 テディクマたちの推理を肯定するかのように、
 虎もうんうんと頷いておりますね。

「よしッ!
 ではッ、ゆくぞッ! ユキノジョン・H・ワトソンくんッ!」
「おうっ! 殴りこみだ!
 じゃなくて、えーと、盗賊退治だ!」
「ぐるるッ!」

 えいえい、おう!
 怒りに燃えて、血潮をたぎらせ、
 クマと虎はバスカビル屋敷に突入いたします。
 そこには、テディちゃムズの予想の通りに、
 風体の怪しい男たちが、ヘンリー卿を縛って床に転がし、
 バスカビル家伝来の銀器を山と積み上げ、
 ゲインズボロの肖像画や、
 ヘンリー卿の母上の宝石類を
 持ち出そうとしている真っ最中でございます!
 赦すまじ!
 看過すまじ!

「とりゃァッ!
 くらえァェ、ともえなげェ!」

 テディちゃムズのバリツが炸裂いたします。

「せやぁ! 飛び蹴りぃ! 掌底突きぃ!」

 ユキノジョン・H・ワトソン博士は、総合格闘技ですか。

「がうううっ! がるーっ!」

 はい、虎は虎らしく、がぶっ!と。

「た、助かりました、テディちゃムズさん!!」

 10人ほどもおりましたでしょうか、
 屋敷にたむろす盗賊たちを
 記録的な速さでブン投げ、逆さに落とし、
 動かなくなったところをお縄にした探偵クマたちに、
 ヘンリー卿は感謝の言葉を捧げます。

「さすがは世界一の、名探偵~!!」

 えへん、えへんと咳払い。
 謙虚で礼儀正しいテディちゃムズは、
 ヘンリー卿と、読者の皆さまにお辞儀をいたします。
 貴方あっての、皆さまあっての、
 名探偵テディちゃムズ。
 
 どうかこの、新しい年も、
 テディちゃムズと、
 ついでにユキノジョン・H・ワトソン博士も(おいおい!と抗議のツッコミ)、
 そしてまた虎くんも(がるるっ!)、
 どうぞよろしく御贔屓に。

「みなさまにィ、さちあれェ~!!」

  (とりあえずの?……完!)
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2010!新春特別企画 《バスカビル家の虎》 その③ 

2010-01-01 23:16:59 | 2010!新春特別企画!
  虎!
  とら、トラ、虎です!

「きゃあァッ、とらッ!」
「ぎょえぇーっ、虎ぁ!!」

 ええ、そうなのです。
 ちょうどその時、雲間からお月さまの光がこうこうと、
 グリンペン沼を照らし出しました。
 霧の中でうっそり、のっそり、
 こちらへ首を伸ばしているのは……虎です!

 おお、なんということ!
 正直申しまして、テディちゃムズ、
 呪いの虎などとヘンリー卿は言いましたけれど、
 ホントかなァ?と訝しんでいたのでした。
 かの悪漢ステ-プルトンは、
 マスチフ系のミックス犬に燐をぺったぺた塗りたくり、
 《バスカビル家の魔犬》を演出せしめました。
 同じように今回の騒動も、
 白っぽい犬に虎の縞模様をイタズラ描きしたんじゃないのかなァ、
 それを虎と見間違えた可能性もあるゥ、
 と推理していたのです。
 それが、まさか、正真正銘、ホンモノの、虎が!
 いきなり出てくるとはルール違反というものでしょう?

「どどどっ、どうするっ? テディちゃムズ~っ!!」
「こんなばあいはねッ、ユキノジョン・H・ワトソンくんッ!

 にげようゥ~~ッ!!!」

 君子危うきに近寄らず――いえ、三十六計逃げるにしかず。
 逃げろや逃げろ、虎の牙の、爪の、届かぬところまで!
 
 ですが、ああ、ですが。

 テディクマ一族は、あまり足が長くない、という哀しい事実を
 認めねばなりますまい。
 よいしょっ、うんこらしょっ、と駆け出す2匹の背後へ、
 ひたひた、っと猫族特有の足音が――

「きゃわわッ!!」
「むひゃひゃぁ!!」

 がぶり!!とやられて、
 あっけなく引っくり返るテディちゃムズとユキノジョン・H・ワトソン博士。

「きゃーッ! たべられちゃうゥッ!!」
「喰われるぅぅ~っ!!」

 がぶり! もぐもぐ!
 またがぶり! ごっくん!
 グリンペン沼にこだまするのは、騒々しい虎の咀嚼音――

「ひいィッ、もうだめェ――あれッ?」
「わーん、いた――ん? 痛くない?」

 む? おかしゅうございますね?
 咀嚼音は続いておりますのに、どこも噛まれておりませんし、
 痛くもありませんよ?
 恐る恐るテディクマたち、振り返って見ますれば。

「あッ?とらがァ、たべてるゥあれはッ!」
「僕のだ!
 下宿のハドソン夫人が僕に作ってくれたお弁当だよ!
 ハドソンさん自慢の、特製ミートパイ!」
「あれはァ、ぼくがァたいせつにィとッておいたァ、
 くりすますのォごちそうのォ、のこりッ!
 ぶらんでーたッぷりィのォ、ふるーつけーきィだッ!」

 テディクマたちの目前で。
 破れたコートのポケットからこぼれ落ちたパイやらケーキやらを平らげ、
 虎は満足そうに毛づくろいを始めました。
 心なしか、いえ、歴然と、ブランデーの香りを漂わせながら……。

「なんだか、えーと……僕らを食べる気、ないみたいだね?」
「むむゥ、たしかにィ、はどそんさんのォ、おりょうりはァ、おいしィからねェ」
「うわ、擦りよってきたッ!」

 尻尾を振り振り、近くへ寄ってきた虎ときたら、
 呪いの虎というよりは、フレンドリーすぎる虎でした。

「……テディちゃムズ、僕たち、懐かれちゃってるようだけど?」
「まァいいじゃないかッ、ユキノジョン・H・ワトソンくんッ!」

 テディちゃムズは喉をごろごろ鳴らす虎の頭を撫で、言いましたよ。

「けんかにィならなくてェ、よかッたよゥ!
 さあ、おやしきへェ、ゆこうじゃないかッ!
 いッしょにィ、ごちそうをいただこうゥッ!」
 
 そうです、喧嘩よりは、仲良しこよし。
 争いよりも、ともに楽しい食卓を。
 バスカビル家の虎と、2匹のテディクマは、
 連れだってヘンリー卿のお屋敷へ向かいます。
 月夜の道をてくてく行けば、
 バスカビル屋敷は、ほんのすぐそこに――おや?

「……むッ?
 あれはッ!?!」
「テ、テディちゃムズ、あれはっ!!」

     (次回へ、続く!)
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2010!新春特別企画 《バスカビル家の虎》 その②

2009-12-31 23:01:39 | 2010!新春特別企画!
 《バスカビルの虎》――
 それはいったい何のことなのでしょう?
 名探偵テディちゃムズと医学博士ユキノジョン・H・ワトソンは、
 ただちに列車に乗り込みました。
 目指すはダートムーア、バスカビル屋敷です!

「トラ、虎……いったいどういう意味なんだろうね、テディちゃムズ?」
「でーたァ、でーたァ……でーたがァたりないィよッ、
 ユキノジョン・H・ワトソンくんッ!」

 話し合う2人を、大晦日の列車はダートムーアへ運んでゆきます。
 ロンドンとは正反対の、荒涼たる風景が車窓に広がりました……
 かつて『バスカビル家の犬』事件で訪れたグリンペンの村へ、
 もうすぐ到着いたします。
 駅には迎えの馬車がロンドンからの客人を待っていてくれましたよ。

「ああ、テディちゃムズさん!
 ユキノジョン・H・ワトソン博士!
 た、たいへんなんですっ!」

 バスカビル屋敷の玄関ホールで、
 ヘンリー・バスカビル卿は叫びました。

「と、虎が!
 虎が現れたのです! 呪いの虎が!!」

「のろいのォ、とらッ?」
「怖ろしい魔犬の次は、呪いの虎かい?」

 そうなのです、とヘンリー卿は青ざめます。
 わが祖先の悪事のツケが、またしても現代の私たちを脅かすのだ、と。
 夜な夜な沼地に響き渡る大型獣の咆哮、
 巨大な猫科生物の影を目にした村人は複数おりますし、
 バスカビル屋敷周辺の泥地には……獣の足跡も!

「のろいのォとらッてェ……こころあたりィがァ、あるのでスかッ?」
「はあ、そのう、お恥ずかしい。
 我が御先祖さまの罪ときたら、
 魔犬だけでは到底済みませんのですよ。
 テディちゃムズさんに魔犬を退治していただいて、
 ようやくこの屋敷も平穏になったと思ったら、
 今度は虎です!
 せっかく新たに雇い入れた優秀な料理人のマーサおばさんも、
 虎がいるような土地ではやってゆけない、
 お暇をいただきたいと言い出して……ああ、どうしよう~!」

 おお、それはいけません。
 優秀な料理人さんは、ダイヤモンドよりも大事にしなくては!
 テディちゃムズとユキノジョン・H・ワトソン博士は
 ヘンリー卿に協力を申し出、
 善は急げ!と調査に繰り出しました。

 しかし――

「むぐぐっ、寒いねぇ、テディちゃムズゥ~」
「さむいなァ、さむさむゥだよッ、ユキノジョン・H・ワトソンくんッ!」

 夜です。
 真冬の夜中です。
 凍てつく風が、コートの裾を煽ります。
 うう、寒い! ぶるる!
 真っ暗な沼地のほとりで、
 名探偵と医学博士はちょっぴり、いえ、こっぴどく後悔いたしました。
 あ~、あたたかい暖炉の火が恋しい。
 調査は明日から始めます、と言えば良かったかも……。

「わわわっ!
 あ、あれは何だいっ、テディちゃムズ?」
「あれはね、ユキノジョン・H・ワトソンくん、
 きょうかいのォ、かねのおとッ、だよッ!」

 暗く、重たい霧の上を、底ごもったようなゴォーンという音が流れます。
 年の変わりを告げる、グリンペン村の教会の鐘でしょうか。

「ああ、真夜中かぁ。
 日付が変わったんだねえ、テディちゃムズ」
「うむッ!
 あけましておめェ――むゥ??」

 ゴォーン、ゴーン。
 ゴォーンン、ゴォーン……。
 ゴォ……ゴォ、ゴゴ、ゴグゥ、グルルルゥー……。

 ぐるるるぅ~~~?!?

「ぐるる~ッてェ……まさかッ!!」
「テディちゃムズ! 後ろだ!」

 振り返ると、そこには――

 
 紛うことなき、虎!
 

「ひィィィッ!」
「本物のォ、虎だぁっ!」

 
    (次回へ、続く!)
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2010!新春特別企画 《バスカビル家の虎》 その①

2009-12-30 23:02:31 | 2010!新春特別企画!
 御無沙汰しておりました、一年ぶりのパラレル・クマワールドへ、ようこそ!
 テディクマ世界きっての大都市ロンドンにも、
 刻々と新年が近づいているようですね。
 おや? しかし……
 クマ界初の諮問探偵にして比類なき頭脳の持ち主、
 テディちゃムズの下宿では、
 新年を迎える祝祭気分とは異なる空気が……?

「あああ~ァ、つまんないね、テディちゃムズ!」

 シロクマベアの医学博士ユキノジョン・H・ワトソン氏は言うのでした。

「どうしたんだいッ、ユキノジョン・H・ワトソンくんッ?
 なにかァ、ふまんなのッ?」

「だってね、テディちゃムズ!
 クリスマスは、あんなに御馳走尽くしだったのに、
 新年てヤツぁ、つまらないよ!
 特別なメニューがない!
 プレゼントも、ない!
 ピカデリー広場で皆と一緒にカウントダウンするのは面白いけど、
 他には何がある?」

「そうだねェ~……」

 安楽椅子に腰掛けて、
 ハッカ菓子入り玩具のパイプをくわえたテディちゃムズも、
 おもむろに頷きます。

 想い起こせば。
 こんがり焼けた大きなチキン。
 柔らかなローストビーフ。
 つけあわせのヨークシャープディング。
 ブランデーたっぷりのフルーツケーキや、
 数ヶ月かけて作ったクリスマスプディングを、ぱくっ!もぐっ!
 ツリーの下には、リボンで飾られたプレゼントの包み……
 そうですね、
 クリスマスは美味しいもの美しいもの山盛りの季節でございましたよ。
 それに比べますと、
 年越しパーティの食卓は華がない、と申しましょうか。
 満腹になった聖夜の、あの皿この皿を思うにつけ、
 過ぎてしまったばかりのクリスマスが
 ひどく懐かしく感じられるクマたちなのでした。

 と、そこへ。

 りりりん、と鳴るのは、
 玄関のベルの音。
 ベーカー街221Bに、今ごろ誰が?

「テディちゃムズ!
 手紙だ!
 速達だよ!」

 良い暇つぶしとばかり、
 階下へ駆けていったユキノジョン・H・ワトソンが、
 一通の封書を手に戻ってまいりました。

「君宛てだよ!
 差出人は――あっ!」

「うむッ!
 さしだしにんはァ……さー・へんりーッ!!」

 差出人の署名は、ヘンリー・バスカビル卿!
 しかも、筆跡は何事かに動揺したかのように震えています。
 真剣な面持ちで、テディちゃムズは封を切りました。
 便箋が一枚、はらはらと舞い落ちます。
 拾い上げたその紙に書かれていたのは……

 《 バスカビルの虎、あらわる! HELP!! 》

 テディちゃムズと、ユキノジョン・H・ワトソン、
 顔を見合わせてハモりました。

「と、虎?!」
「と、とらッ!」

 
       (次回へ、続く!) 
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