テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

急げや急げ、遠くまで。

2014-10-31 21:47:30 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 はッぴきィ~はろうィ~んッ♪」
「がるる!ぐっるーがるるぅる!」(←訳:虎です!ハッピーハロウィン!)

 こんにちは、ネーさです。
 ハッピーハロウィン!
 オバケちゃんたちがお菓子をねだってウロつく今宵の読書タイムは、
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~!

  



             ―― 超高速!参勤交代 ――



 著者は土端章宏(どばし・あきひろ)さん、2013年9月に発行されました。
 2014年6月に公開された映画『超高速!参勤交代』のノベライズ作品です。

 より正確を期すならば、
 2011年、新人脚本家さん発掘をするための《城戸賞》を、
 著者・土橋さんは受賞しました。
 そのときの受賞作品が『超高速!参勤交代』。

「じゅしょうゥさくひんがァ、えいがかッ!」
「ぐっるる!」(←訳:やったね!)

 そして、脚本『超高速!参勤交代』が
 同名の小説になると……

 いや、あっぱれ!
 ハロウィンの夜にぴったりのユニークな時代エンタメですよ♪
 正統派体育会系時代劇だわ!

「たいいくかいけいィ~??」
「がるぐるぐる??」(←訳:筋肉モリモリ??)

 基本は体力。
 でも、知性を欠いてはなりません。
 だって、脚力と知力を精一杯に使わないと、
 お国が潰されてしまう――

 内藤政醇(ないとう・まさあつ)さんは、
 陸奥国湯長谷(ゆながや)藩一万五千石のお殿さま。

 前田家あたりに比べれば、
 吹けば飛んじゃうような小藩、って感じかしら。
 財政はいっつもレッドゾーンで、
 藩主の政醇さんも倹約倹約の毎日。

 そんな、小藩中の小藩に。

 あろうことか、
 《本日より五日以内に江戸へ参勤せよ》
 との厳命が下されました。

「いつかかんッ?」
「ぐるぐる!」(←訳:忙し過ぎ!)

 忙し過ぎるも何も、
 そも、有り得ない命令です。

 参勤交代は去年やったのに!
 次は来年のはずだぞ!
 なぜだー!

「むむゥッ! きなくさいィ!」
「がるるぐるる!」(←訳:陰謀の匂いだ!)

 明らかに、何かが匂う無体な命令。
 しかし、そこが小藩の悲しさです。

 突っぱねたら、藩はどうなる?
 
「そッ、それはァ~…」
「ぐるぅ??」(←訳:消滅ぅ??)

   すぐに支度せよ。
   五日のうちに江戸に行き、
   権力亡者どもの肝をつぶしてくれる――

 政醇さん、言い切りました。
 かくて、家来さんたち大災難、
 藩主も政醇さんももちろん大々災難、の
 特急参勤交代がスタート!

「がんばれェ!」
「がるるるぅ!」(←訳:負けるなぁ!)

 小藩の、つまり現代の東北地域へのエールでもあるこの御本、
 仮装パレードで使い果たしたエネルギーを
 心地良く補充してくれますよ。
 読後感の清々しさも保証付き!
 ぜひ一読してくださいね~♪
 



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驚きの、《聖典》とりかへばや物語?

2014-10-30 21:30:48 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ……これはァ、えすえふゥ、でスかッ?」
「がるる!ぐるがるるぅぐる?」(←訳:虎です!いやコメディかも?)

 こんにちは、ネーさです。
 本日の読書タイムで御紹介いたしますのは、
 パロディ? パスティーシュ? 
 それともSFかコメディか、はたまたホラー?と
 読み手をひたすら惑わせる奇作です。
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



           ―― シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱 ――



 著者は高殿円(たかどの・まどか)さん、2014年7月に発行されました。
 『SHIRLEY HOLMES & A DEPRESSION IN SCARLET』と英語題名が付されています。
 シャーロック・ホームズさんが大好きな、
 シャーロキアンを自認する方々は、上記の題名だけでお分かりですよね、
 この御本は――

「ほーむずゥさんのッ!」
「ぐる~!?!」(←訳:贋作~!?!)

 って言いたいんですけど、
 私ネーさの理性が《否!》と叫びます。
 これを、ホームズさんモノの贋作としちゃっていいのか?
 いや、なんか違ーう!!

「どこがッどこがッ??」
「がるるがるる?」(←訳:なんでなんで?)

 何故か?
 なぜ贋作とするには躊躇ってしまうのか?
 それは……

 主な登場人物がすべて女性なんですー!!

「……ふァ?」
「……ぐるっ?」

 世にふたりといない、あの名探偵さんは女性。
 探偵さんの助手にして伝記作家のドクターも女性。
 ロンドン警視庁の警部さんも女性。
 英国政府の重職に就いているのは、
 探偵さんの兄ではなく姉。
 事件の被害者も、みな女性。

 どこどこまでも、女性ばっかりー!

「ひえええェッ!」
「がるるっ?」(←訳:本当にっ?)

 しかも、舞台は2012年のロンドン。

 ええ、記憶に新しゅうございますね、
 あの年のロンドンオリンピックの盛り上がりぶりは。

 けれど、地元英国勢のメダルラッシュに沸く人々とは反対に、
 悲哀を押し隠し、
 作り笑いを顔に貼り付けて
 就職の面接に臨む若い女性が一人おりました。

 彼女は、ジョー・H・ワトソンさん。
 アフガニスタンでの軍務から帰還して間もない、
 もと軍医さんです。

「わッ、わとそんさんがァ~、おんなのひとォ!」
「ぐるるぅ!」(←訳:そんなぁ!)

 聖バーソロミュー病院で行われた面接の結果は……
 聞かないでください。

「あァ~…だめだッたのでスねェ~…」
「がるるぐるるる~…」(←訳:それは可哀そう~…)

 手持ちのお金も底をつきかけ、
 落ち込むワトソンさん。

 そこへ、ひとりの女性が現れました。
 フラットシェアの相手を募集中だというそのひとの名は、
 シャーリー・ホームズさん。
 
 白雪姫のような美貌の、
 ヴァイオリンを愛する“顧問探偵”さんです!

「………」
「………」

 えーと、ミステリですから、
 ストーリー紹介はここらまでにしときましょうね。
 驚愕のメインキャラ全員女性!なホームズパロディ作品を、
 《聖典》をこよなくリスペクトするシャーロキアン諸氏は
 はたして、どうジャッジするのでしょう?
 アリか、ナシか?
 怒るのか、呆れるのか?

 私ネーさは、もう笑っちゃいました。
 ていうか、笑って楽しむしかありません、この御本!
 特に、ハドソン夫人の造型がすごいわ!
 これじゃ『攻殻機動隊』よ~♪♪♪

「はどそんさんッまでッ??」
「ぐるるる~!」(←訳:怖ろしや~!)

 勇敢なシャーロキアンの皆さま、
 いざ、チャレ~ンジ!
 


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スペシャルな3日間、ライトアップ!

2014-10-29 21:34:04 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふりーすのォ、でばんだッ!」
「がるる!ぐるがるるる!」(←訳:虎です!厚着しないと!)

 こんにちは、ネーさです。
 初冠雪やら初雪やらのニュースがあちこちから届き、
 東京・多摩地域も早朝は寒~いっ!
 本日は、読書をサボって展覧会……ではなく、
 寒さ増すこの季節ならではのイベント情報を、どうぞ~!

  



           ―― 紅葉とたてもののライトアップ ――



 東京・小金井市の江戸東京たてもの園にて、
 11月の22日、23日、24日の3日間にのみ開催される
 夜間特別開園イベントです。

「とくべつゥ、なのでス!」
「ぐるがるぐる!」(←訳:この期間だけ!)

 通常、江戸東京たてもの園の10月~3月の開園時間は9:30~16:30ですが、
 上記の3日間は特別に20:00まで開園します。
 
 秋ならではの紅葉と、
 たてもの園名物の貴重な建築が
 照明デザイナー・面出薫氏の監修によってライトアップ!

  

「ふぁんたじッくゥ!」
「がるぐる!」(←訳:夢幻だね!)

 『民家で囲炉裏体験』『昔のあかり体験』
 『仕立て屋でガス灯点灯』などの《あかりの歴史体験》、
 《キッチンカフェ&キャンドルナイト》といった企画も予定されています。
 
 また、23日と24日の夕刻には
 JR武蔵小金井駅(北口バス停)~たてもの園を結ぶ
 無料送迎バスも運行されま~す♪
 (満員の際には乗車できない場合もあります)
 運航時刻表はたてもの園HPなどで御確認ください。

「よいィおてんきにィ、なりまスようにッ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:晴れるといいな!)

 荒天時は、ライトアップは中止となります。
 皆さま、3日間の特別開園が良いお天気に恵まれますよう、
 祈ってあげてね!




    さて、オマケ画像も今回はヒネリを加えて……
   
    来年の手帳を買ってしまいましたよ~♪
    『ほぼ日手帳2015』!! 
   
    手帳本体に、『ローズプードル』のカバー、
    カバー・オン・カバーのセットで揃えてみました。
    「ほかにもォ、しゅるいィ、いろいろッ♪」
    「がるるぐっるぅる!」(←訳:選ぶの迷っちゃう!)
    今週末あたりは手帳売り場&カレンダー売り場が大賑わい、かな?
    皆さま、良いお買い物を!



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おひめさま、の世界。

2014-10-28 21:42:58 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 へんそうじゃァ、ないぞッ!」
「がるる!ぐるがるぐるるる!」(←訳:虎です!仮装でもないです!)

 こんにちは、ネーさです。
 ハロウィンパーティのための仮装真っ盛り♪なシーズンですが、
 本日の読書タイムで御紹介いたしますのは、
 仮装でも変装でもない、“本物”の世界!
 アナちゃん&エルザ女王のコスプレ準備をしておられる方々、
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



             ―― 図説 英国貴族の令嬢 ――



 著者は村上リコ(むらかみ・りこ)さん、2014年9月に発行されました。
 『Daughters of the British Aristocracy』と英語題名が付されています。

「おひめさまだァ~♪」
「ぐるる~!」(←訳:本物だ~!)

 現在、《貴族》が現在も存在している国、って、
 あまり沢山はありませんね。
 いえ、現代を遡ること100余年、
 政治的な革命や産業革命が原因で、
 20世紀の初めには、
 多くの国で《貴族》が形骸化していました。

 ただし、英国だけは、ちょっと別。

「いまもォ、じょおうさまがァ、おられまスゥ!」
「がるるるぐるるる!」(←訳:公爵さん伯爵さんも!)

 産業革命のお膝元でありながら、
 富裕になった一般人を取り込んで、
 より強固な新階級を作り上げた、ともいえる英国貴族社会。

 そんな新《貴族》さんたちの最も華を極めた時代――
 ヴィクトリア朝とエドワード朝の英国貴族の令嬢たちの生活を、
 取り上げたのがこの御本です。

 19世紀後半から20世紀初頭の英国と、
 21世紀の日本は、なんだかね、もう……

「べッせかいィ、なのでス!」
「ぐるがるる?」(←訳:てか異世界?)

 ディケンズさんが描いたロンドン下町の光景とは正反対の、
 豪奢な生活。
 その差は、『小公子』どころじゃないわね。
 
 御本の本分ページには、
 当時の貴族の肖像画が多数掲載されていて
 肖像画好きの私ネーさは大喜び&嘆息……

 絹のドレス。
 髪や喉元を飾る宝石。
 大勢の使用人が働く大邸宅と、広大な庭園。
 ありえないほどリッチ!

「えいがァ、みたいィ~!」
「がるるるるぐるるる!」(←訳:映画にしか見えない!)

 貴族のお家に生まれたら、
 それはそれでタイヘンなようですけど、
 蝶よ花よと乳母さんに育てられ、
 家庭教師さんにお勉強をみてもらって、
 或る日、突然の《ご令嬢》宣言。

 背中におろしていた髪はアップにされ、
 スカートの裾は足が見えぬ丈に長く変わる。

 アリスが白の女王に変身してしまうような、
 メタモルフォーゼの後は、
 いよいよ社交界デビュー!

「おうさまとォ、おうひさまにィ、えッけんッ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:晩餐会や舞踏会!)

 肖像画、風俗画、写真資料、イラスト等でたどる昔むかしの別世界は、
 英国文学好きな活字マニアさんの胸に
 切なく響くことでしょう。

 何も考えず遊んでいれば幸福だった子ども時代。
 ドレスに身を包み、社交界の花となる。
 そして、社交界デビューしたちょうどその後に、
 欧州は、世界は、
 激変の新世紀に突入する……。

「せんそうとかッ?」
「がるるる!」(←訳:怖いよう!)

 美しい令嬢たちの絵画の背景に見え隠れする、
 歴史の荒波。

 珍しい資料たっぷり、
 歴史好きさんにおすすめのビジュアルな一冊は、
 映画好きさん&少女マンガ好きさんも必携!
 ぜひ、一読くださいな♪
 



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めぐるめぐる、たてもの園。

2014-10-27 21:44:57 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しょッくゥ、でしたでス……!」
「がるる!ぐるるるるる……!」(←訳:虎です!信じられない……!)

 こんにちは、ネーさです。
 今朝がたの報道で美術家・作家の赤瀬川原平さんの訃報に接しました。
 つつしんで御冥福をお祈りしつつ、
 路上観察学会ファンとして、
 本日の読書タイムは、こちらの作品で赤瀬川さんの業績を偲びたいと思います。

  



           ―― 新 江戸東京たてもの園物語 ――



 企画・編集は江戸東京たてもの園(東京都江戸東京博物館分館)と
 スタジオジブリの皆さん、2014年7月に発行されました。
 先日は、現在江戸東京たてもの園にて開催中の企画展
 『ジブリの立体建造物展』図録を御紹介いたしましたが、
 こちらは、いわば“常設展”部分の解説書、とでも申しましょうか。

「たてものえんにはァ~、たてものォ、いィ~ッぱいィ!」
「ぐるるるがるるぐる!」(←訳:古いのも新しいのも!)

 江戸東京たてもの園には、
 江戸東京の歴史を伝える文化的価値の高い建物が
 移築・復元・保存・展示されています。

 大火や水害を免れた江戸の建物、
 震災にも屈しなかった大正の建物、
 戦災をくぐり抜けた昭和の建物など、
 全27棟(2014年現在)。

「いりいろォ、ありまスゥ!」
「がるるぐるる!」(←訳:御殿も商店も!)

 茶室の庵、
 伊達家の門、
 華族のお屋敷、
 あるいはまた、あの!有名なお風呂屋さんや、
 旅館さん、文具店さん、乾物屋さん、
 はたまた穀物蔵、寛永寺灯籠、
 郵便箱(郵便ポスト)、都電車両、ボンネットバス……と、
 さまざまな展示物が園内に配されています。

 それらについて、
 本文中で専門家の立場から詳しく解説してくださるのは、
 赤瀬川さんの盟友にして
 建築家・建築史家の藤森照信さん。

「おおッ! あのォおかたもッ!」
「ぐるるー!」(←訳:登場だー!)

 ええ、なんたって編集・企画にスタジオジブリさんが係わっているんですもの、
 宮崎駿さん、
 高畑勲さんも登場し、
 藤森さんと昔の建物話に花を咲かせています。

「たのしそうなァ、たいだんッ、でスよッ♪」
「がるぐるるっ!」(←訳:話がはずむっ!)

 また、たてもの園に移築された建物に、
 かつて実際に住んでおられた方々の思い出話、
 復元作業に関する学芸員さんのお話なども
 建築マニアさんには
 宝箱のように感じられるのじゃないかしら。

 私ネーさ的には、
 新宿区信濃町から移築されたデ・ラランテ邸のお話に
 感激させられましたよ!

 活字マニアの皆さまは御存知でしょう、
 三島由紀夫さんの小説の舞台になった洋館が
 JR中央線の車窓から見える四谷近くの高台にあったことを。

 いずれボロボロに朽ちてしまうのじゃなかろうか……
 と心配していたあの白い洋館は今、
 江戸東京たてもの園で復活!

「やッたねッ!」
「ぐるる!」(←訳:お見事!)

 《路上観察》精神にあふれたこの御本で、
 東京来訪の予定がない方々も
 江戸~昭和気分を満喫してくださいね。
 おすすめの一冊です!



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しあわせの音色とは。

2014-10-26 21:39:29 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 へェ~んしィんッ! とォうゥッ!」(←ライダーの変身ポーズ中)
「がるる!ぐるるがる~っ!」(←訳:虎です!ボクも変身~っ!)

 こんにちは、ネーさです。
 あのね、だからね、変身や変装じゃなくて仮装でしょ。
 今日26日は仮装したお子ちゃまたちをあちこちで見かけましたが、
 皆さまも仮装&パーティを楽しみましたか?
 お家に帰ってきたら、
 さあ、秋の夜長の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



              ―― おわらない音楽 ――



 著者は小澤征爾(おざわ・せいじ)さん、2014年7月に発行されました。
 『私の履歴書』と副題が付されています。

「まえすとろォ、とうじょうゥ~!」
「ぐるぐるぐる~!」(←訳:パチパチパチ~!)

 いまや知らぬ者とてない、偉大なるマエストロ・小澤征爾さん。
 この御本は、小澤さんが1935年(昭和十年)満州(現・中国瀋陽市)に生まれ、
 2014年現在に到るまでの半生記であり、《履歴書》です――

 って言いたいんですけど、
 《履歴書》?
 映画の脚本、の間違いじゃありませんこと?

「もんのッすッごォ~いッ!」
「がるがるるる!」(←訳:波乱万丈の嵐!)

 少年時代、青年時代、留学を経て、
 いよいよ指揮者としての本道へ。

 そのすべてが、平坦な道ではありません。
 
 満州での生活と、
 そこから東京・立川へのお引っ越し。

「たちかわァ?」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:八王子のお隣りだ!)

 ええ、多摩っ子だったんですね、小澤さん。
 音楽に目覚めた征爾少年はピアニストを夢見て、
 日夜厳しい練習……に加え、
 ラグビーにまで夢中になっちゃったのですから、堪りません。
 他校との試合で両手の人さし指を骨折、
 顔にも怪我を負って、
 救急搬送される羽目に……。

「おおけがッ??」
「がるるるる!」(←訳:どうしよう!)

 しかし、ピアニスト生命を危うくしたその怪我が、
 異なる形の音楽家――指揮者への道を拓くきっかけとなります。

 音楽の勉強を続け、
 友人さん知人さんに応援されて欧州遊学。
 正式な留学のアテはないけど、
 旅費格安?の貨物船に乗せてもらって、
 マルセイユからはスクーターにまたがり、
 一路、パリへ――

「ゆめのォ、みやこッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:音楽の本場!)

 以降の小澤さんの活躍は、
 活字マニアの皆さまも御存知、でしょうか。

 いつも順風満帆、とは行かなくても、
 多くの、当代一流の巨匠さん才人さんたちが
 小澤さんに手を差し伸べました。

 “先生”ことヘルベルト・フォン・カラヤンさん、
 レナード・バーンスタインさん、
 イサム・ノグチさん、
 井上靖さん、大江健三郎さん、
 武満徹さん、團伊玖磨さん、黛敏郎さん、
 三島由紀夫さん……
 そして、お父上、お母上、兄弟さんたち。

 顔ぶれのあまりの凄さに、
 本文のページをめくる手が震えるほどです。

「ちょうゥ~いちりゅうゥ!」
「がるぐるぅ!」(←訳:贅沢だねぇ!)

 山あり、谷あり、ドン底あり、
 そのはてに、光あり。

 御本の冒頭で小澤さんは記しています。

    ――音楽家になってよかった――

 そう、この御本を、つまりは小澤さんの《履歴書》を貫いているのは、
 音楽家として生きることの幸福です。
 形には出来ないけれど、
 四囲を光で満たす、音の幸福。

「ぼらぼォ!」
「ぐるがーる!」(←訳:アンコール!)

 小澤さんが奏でる音楽の幸せを、
 活字マニアさんも、ぜひ、この御本から聴き取ってくださいね。
 もちろん、音楽好きさんは必読ですよ♪
 ぜひ!





 
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アカデミーの名画が、ずら~り!

2014-10-25 21:33:37 | ミュゼ
 こんにちは、ネーさです。
 祝!ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム2014開催!
 2014ツール・ド・フランス王者ニーバリさん、
 2013王者フルームさんたち自転車競技界のスターが競い合う豪華なレースでしたよ~♪

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 くりてりうむれーすゥゆうしょうはァ、きッてるおにいさんッ!」
「がるる!ぐるるるるがっるるぐる!」(←訳:虎です!おめでとうキッテルさん!)

 欧州の主なロードレースはほぼ終了し、
 あとはもうシーズンオフのお休み突入!という選手さんも多いそうです。
 頑張ったライダーさんたちにねぎらいの拍手を送り、
 さあ、週末恒例の読書おサボり&アートタイムを、どうぞ~!

  



            ―― ロイヤル・アカデミー 展 ――



 東京・八王子市の東京富士美術館にて、
 会期は2014年9月17日~11月24日(月曜休館、ただし10/13、11/3、11/24は開館して10/14、11/4が休館)、
 『華麗なる英国美術の殿堂 タナーからラファエル前派まで』
 と副題が付されています。

「みゃほうッ! きゃわゆいィ~しょうぞうがッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:映えるねえ!)

  

 作品は、なるほどアカデミック!なものから――

  

 19世紀末の香り漂うラファエロ前派的なものまで、
 日本初公開作品を含む約70点が展示されます。

 私ネーさのお気に入りは
 ヘンリー・レイバーンさんの《少年とうさぎ》。
 感傷的で柔らかな印象の、美しい作品ですよ。
 英国絵画好きな御方におすすめ♪の展覧会、なのですが、
 うぅ~ん、場所がねえ~……

「とおいィのだッ!」
「がるるぐるる!」(←訳:分かりにくい!)

 中央道の八王子インターからはそこそこ近い、んですけど、
 JR八王子駅からはバスで20分くらいかかる、かしら?
 美術館のHPやカーナビなどを参考に、
 うんしょ、こらしょ、と辿り着いてくださいねー!

「けんとうゥをォ、いのりまスゥ!」
「ぐるる!」(←訳:幸運を!)




    では、とうとうハロウィン直前の週末が来ちゃった!ってことで。
   
   
   『カルビー』さんの
   《じゃがビー うす塩味》ハロウィンバージョンが今回のオマケ画像ですよ♪
   「あはァ! へんそうゥ、しようゥ~!」
   「ぐるがぅるるるぐる!」(←訳:変装じゃなくて仮装!)
   美味しいハロウィンお菓子で、
   皆さま、楽しい休日を。


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ちょこっと、覗き見。

2014-10-24 21:49:02 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 やまもりィ、でスかッ?」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!てんこ盛りだ!)

 こんにちは、ネーさです。
 週末のハロウィーンパーティに向けての準備でしょうか、
 大量のハロウィーン用お菓子を買いこんでゆく女性が
 レジ待ちをする私ネーさの前に並んでいましたよ。
 トリック・オア・トリーツ?と心の内で呟きながら、
 さて、本日も読書タイムで~す♪♪

  



           ―― 偉人たちの意外な泣き言 ――



 編著は造事務所(ぞうじむしょ)の皆さん、2014年2月に発行されました。
 前回記事で御紹介しました北村薫さん著『八月の六日間』が
 あまりに印象深すぎる御本でしたので、
 何か軽~いものを……と、手に取ってみましたら。

 あららららっ?
 こちらも、なかなか中身はヘヴィですねえ?

「みんなァ、ぼやいてまァスゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:不平不満!)

 後の世では“偉人”と、
 功績を讃えられる天才さんたち・発明家さんたちも、
 完全無欠の存在ではありません。

 上手くゆかないことがあれば、
 グチってみたり、
 ブーたれてみたり。

 そんなグチの数々、
 あいや失礼、高邁な泣き言の症例、いえ、好例が
 この御本には収められています。

「えらァ~いィおじさんもォ、にんげんだッたのでスゥ!」
「がるるぐるるるる!」(←訳:みんな悩んでるね!)

 宋の初代皇帝さん、
 彫刻家のミケランジェロさん、
 真田幸村さんや、
 一休さん、
 近いところではスティーブ・ジョブズさんまで。

 101人の偉人さんたちが、
 嘆き節を詠いあげます。

    もっとボクを認めてくれ!=仕事でのぼやき。

    このドン詰まりをどうにかしてー!=不遇な人生のなげき。

    あのひとヘンよー!=対人関係の不満。

    痛いよ~…つらいよ~…=体調不良による弱音。
 
    燃えるこのココロをコントロールできないわ!=恋愛・結婚の悩み。

 以上のような、五つのパートに大別されて。

「わらッていいのかァ~?」
「ぐるるがるるるる~?」(←訳:ともに泣くべきか~?)

 そうなのよね、
 ミケランジェロさんの
 『ボクの本分は彫刻で天井画なんて描きたくない』発言、
 アインシュタインさんの『結婚は人生の墓場』観、
 ここらあたりは苦笑いで済ませられますが、
 ルイ・アームストロングさんの
 『人種差別断固反対!』を訴える叫びには
 慄然とさせられます。

 そう、ほんの数十年前まで、
 人種差別は有効だった……
 世界中の多くの国が、法律の上で差別を認めていたのですから。
 ルイさんの悲嘆は当然のこと、ですよね。

 あ、でも、
 カントさんの場合は同情していいのかどうか……。

「むずかしィところォ、でスゥ!」
「がるがる?」(←訳:ぎりぎり?)

 哲学者のイマヌエル・カントさんの、少年時代の口癖は。

   ……苦しい、つらい、息が出来ない、だるい、死にたい……

 ええ、虚弱体質であったのは事実なんですけど、
 或るとき、一念発起で体質&心理改善!
 やがては要職に就き、
 業績は称賛の嵐!
 長生きして大往生!

「ふァ~…」
「ぐる~…」

 グチばっかり言いながら、
 収支決算してみれば、
 おや? これは、意外に悪くないかも?と。

 重たくもあり軽やかでもある、
 偉大な方々の本音と人生模様。
 歴史好きな活字マニアさんにおすすめの名言集です。
 天才さんたちの心の内側を
 覗き見してみてくださいね。

  
 
 
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山頂へ、一歩、一歩。

2014-10-23 21:48:07 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス! 
 おにがァ、わらッちゃうゥのはァ、なァにッ?」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!それは来年の話!)

 こんにちは、ネーさです。
 鬼に大笑いされていもいいわ!
 先日、ツール・ド・フランス2015のコースプレゼンテーションが開催されました。
 第102回大会となる来年のツールは、
 オランダのユトレヒトが出発地!
 山岳ステージの難度は今年以上!
 今からもうハラハラ&わくわく♪しながら、
 さあ、本日の読書タイムを、どうぞ~!

  



              ―― 八月の六日間 ――



 著者は北村薫さん、2014年5月に発行されました。
 今年度の読書界で大いに話題を読んでいる“山登り小説”ですね。

「だんがいィぜっぺきィ?」
「ぐるるがる?」(←訳:未踏の高峰?)

 いえ、ヒマラヤとかアイガーの北壁が出てくるわけじゃないんですよ。

 主人公の『わたし』さんは、
 東京の出版社に務めている女性編集者さん。

 出版社のお仕事は頭脳労働ですから、
 足腰に自信がある、ってことはなく、
 学生時代も運動部所属ではなかった『わたし』ですが。

 或るきっかけで、山登りに染まってしまいました。

 いまも、ほら、新宿発・信州方面へ向かう特急列車の座席で
 明日の計画を練っているところです。

「しんしゅうゥ?」
「がるるるる!」(←訳:アルプスだ!)

 目指すは、山好きの憧れ――
 槍ヶ岳。

 大きなザックには、最小限の着替え、雨具や帽子、日用品が
 ぎゅうぎゅうに詰まっています。
 ここぞ!という時のための、お菓子もね。

「はらがァ、へッてはァ~」
「ぐるがるる!」(←訳:山は登れぬ!)

 『わたし』は単独行で険しい稜線を辿ります。

 ひとりで、山を登る。
 
 時折り、一人であることにメゲそうになりながら。
 逆に、一人であることに、ホッともしながら。
 山道で偶然に出会った人々と
 短く、心のこもった言葉を交わしながら。

「これがァ、とざんッ、なのでスかァ~」
「がるるる~!」(←訳:旅だねえ~!)

 収録されているのは短編5作品分の、
 『わたし』の登山記録。

 長めに仕事のお休みが取れた9月、2月、10月、5月、
 そして8月の、山登りの記録――いえ、
 内省の記憶、というべきでしょうか。

 傍らに、親しく語り合う人のいない、
 単独での山登りは、
 自問自答と追想の時間です。

 道は、これでよかったのか。
 荷物は、足りているか、足りなかったか。
 多過ぎたか、少なかったか。
 ペースは早過ぎないか。
 いまにも滑落するんじゃなかろうか。
 山小屋に、無事、到着できるのか……。

「ふあんのォ、れんぞくゥ!」
「ぐる!」(←訳:怖い!)

 不安の中に、しかし、確かに美があり、喜びもある。
 苦しみがあればこそ、達成感もある。

 うつくしく、平明、明快、
 読む者を惹きつける文章は、
 著者・北村さんの真骨頂!ですが、
 爽やかなのどごしには、
 複雑な味わいが隠れています。

 直木賞ではなく、芥川賞。

 つまり、エンタメよりも純文学系。
 ひたすら深く深く、こころを掘り下げてゆく、いえ、
 こころの高みへと登ってゆく小説作品です。

「いッぽいッぽォ、うえにィ!」
「がるるるるる、ぐる!」(←訳:遠回りしても、登る!)

 ミステリではないけれど、
 北村さんのミステリが好きな活字マニアさんには、
 必ずや好もしく思える一冊ですよ。
 2014年度のベストBOOKに推したい快作、
 読み逃さないでくださいね~♪
 



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レトロ美女に、うっとり~♪

2014-10-22 21:31:38 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ♪るるゥ~♪じんせいィのォ~じょうえんちゅゥ~♪」
「がるる!ぐるる~♪」(←訳:虎です!迷走中~♪)

 こんにちは、ネーさです。
 今日のヘビロテBGMは『ナオト・インティライミ』さんの《LIFE》でした。
 こちらも、楽しい公式PVがYou Tubeで拝見できますよ。
 ではナオトおにいさんと一緒に踊りながら、
 本日も読書、じゃなくてアート情報を、どうぞ~!

  



         ―― サカツ・コレクション 日本のポスター芸術 ――



 岐阜県恵那市の中山道広重美術館にて、
 会期は2014年10月2日~11月30日(月曜休館、ただし祝日の場合は開館して翌火曜が休館、
 9月29日~10月1日と11月4日~6日は展示替えのため休館)、
 『浮世絵、引札から始まった広告アート』と副題が付されています。

 いやぁ、どうよ!この美女っぷり!
 と言いたくなますね、↑上の画像には。
 
 ええ、私ネーさ、逃げも隠れもいたしません、
 美男美女だぁ~い好き!な札付きの面食いでござんす。

「こッちにもォ、びじィ~んさんッ!」
「ぐるるるぅ!」(←訳:きれいだぁ!)

  

 中山道広重美術館は、中央自動車道の恵那インターから車で5分、
 JR中央線恵那駅から徒歩2分、と
 東京エリアからはけっこう遠いのですけれど、
 それを承知で敢えて、の御紹介です。

 だってぇ、こぉんな美女さん見ちゃったら、
 放っとけないでしょ?
 グッとくるでしょ?

「こッちにもォ、またまたァ~」
「がる!」(←訳:美女!)

  

 この展覧会では
 名古屋に本社を置く酒類販売会社サカツコーポレーションさん所蔵の
 『サカツ・コレクション』中の名品約80点が展示されます。
 明治・大正・昭和にかけて制作されたポスター作品の美しさに
 ノックアウトされちゃった御方は、
 美術館のミュージアムショップを覗いてみてくださいね。
 オリジナルポストカード、マグネット、
 関連書籍などが販売されているそうですよ。

 行きたいけど、遠くて行けそうもないわ……という御方は
 『明治・大正・昭和 お酒の広告グラフィティ サカツ・コレクションの世界』
 (国書刊行会発行 税込¥6.264)を本屋さんや図書館で探してみてくださいな。

「あーとのォあきはァ~」
「ぐるがるるる!」(←訳:美女尽くしで!)





   ……で、今回のオマケ画像は……
   
   
   
   「おおッ! ようかいィ~!!」
   「がっるがる~!」(←訳:レッツ体操~!)
   『サントリー』さんの《グリーンダカラ》には
   妖怪さんたちのシールがオマケについていて、
   うむむむ、一枚、また一枚、と増えてゆく……。
   どうしてなのかしら?
   「それはァ~」
   「がるるぐる!」(←訳:妖怪のせい!)



   
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