窓の外に、浮かぶ街燈の灯。
しんしんと、冷えてゆく空気。
新年ももうすぐ、のロンドンに――
「緊急出動とは、どういうこったぁ!」
受話器に向かってボヤくのは、マイクマフト氏。
名探偵テディちゃムズの兄にして、
国家随一の博識を誇り、
密かに“政府そのもの”と評される切れ者さんが、
なぜか取り乱しておりますよ。
「なにぃ?
プレゼントが届いておらんだと?!!
そんなバカな!」
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「ありえーん!」
ごもっともです、マイクマフトおにいちゃん。
「わしの仕事に手抜きはないぞ!
全てのプレゼントは完璧に配達完了したのじゃ!」
『ええ、その通りです』と、通話相手は答えました。

そも、《白髭連盟》とは。
白い髭がこよなく似合う髭自慢さんたちによる
(注:白い眉がお似合いの女性も可)、
ボランティア組織なのです。
そして、《宇宙サンタクロース連盟》のサンタさんたちも、
99.999%が《白髭連盟》に加入しているため、
いつしか両者はクリスマス時には協定を結び、
夜を徹して国境なきプレゼント配達に邁進している、
のですけれども。
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「なに? 風邪にインフルエンザ?
トナカイたちも過労でビタミン点滴中?
……そうか、北極域の白髭連盟員に病欠多発で
配達に遅延が生じた、と?」
プレゼント配達局の事務員さんの説明を聞き、
マイクマフト氏は頷きます。
「先方に遅延は連絡済み、とな?
では、プレゼントが届くのは今日か明日かと
待っているチビっ子がいる、というのじゃな?
今この瞬間も?」
こうしてはおられん!
と、マイクマフト氏は立ち上がりました。
「ゆくぞロディくん!
聖夜は過ぎてしもうたが、まだ十二夜のうちだ!
たとえ世界のはてだろうと、
スッ飛ばしたれぃ!」
新年目前の緊急出動、
マイクマフトおにいちゃんの、手腕や如何に?
~その3!に続く~
しんしんと、冷えてゆく空気。
新年ももうすぐ、のロンドンに――
「緊急出動とは、どういうこったぁ!」
受話器に向かってボヤくのは、マイクマフト氏。
名探偵テディちゃムズの兄にして、
国家随一の博識を誇り、
密かに“政府そのもの”と評される切れ者さんが、
なぜか取り乱しておりますよ。
「なにぃ?
プレゼントが届いておらんだと?!!
そんなバカな!」
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「ありえーん!」
ごもっともです、マイクマフトおにいちゃん。
「わしの仕事に手抜きはないぞ!
全てのプレゼントは完璧に配達完了したのじゃ!」
『ええ、その通りです』と、通話相手は答えました。
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そも、《白髭連盟》とは。
白い髭がこよなく似合う髭自慢さんたちによる
(注:白い眉がお似合いの女性も可)、
ボランティア組織なのです。
そして、《宇宙サンタクロース連盟》のサンタさんたちも、
99.999%が《白髭連盟》に加入しているため、
いつしか両者はクリスマス時には協定を結び、
夜を徹して国境なきプレゼント配達に邁進している、
のですけれども。
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「なに? 風邪にインフルエンザ?
トナカイたちも過労でビタミン点滴中?
……そうか、北極域の白髭連盟員に病欠多発で
配達に遅延が生じた、と?」
プレゼント配達局の事務員さんの説明を聞き、
マイクマフト氏は頷きます。
「先方に遅延は連絡済み、とな?
では、プレゼントが届くのは今日か明日かと
待っているチビっ子がいる、というのじゃな?
今この瞬間も?」
こうしてはおられん!
と、マイクマフト氏は立ち上がりました。
「ゆくぞロディくん!
聖夜は過ぎてしもうたが、まだ十二夜のうちだ!
たとえ世界のはてだろうと、
スッ飛ばしたれぃ!」
新年目前の緊急出動、
マイクマフトおにいちゃんの、手腕や如何に?
~その3!に続く~