テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― FUJIの新しい姿 ―

2018-02-28 22:00:46 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 よいィ~うたァなのでスゥ!」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!ヘビロテだよ!)

 こんにちは、ネーさです。
 大好きな米津玄師さんの『Lemon』を繰り返し聴きながら、
 2月最後の日となる今日は、
 読書をサボり、
 ↓こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪
 
  



          ―― 富士山写真大賞展 ――



 山梨県南都留郡冨士河口湖町の河口湖美術館にて、
 会期は2018年1月1日~3月25日まで(火曜休館)、
 第19回を迎えた富士山写真大賞の
 入賞作品を展示する特別展です。

「ふァ~、ふじさんッ?」
「ぐるるがるるる!」(←訳:難しい被写体だ!)

 富士山――
 そう、描いたり撮ったりするには
 けっこうハードルが高いのが、
 日本が世界に誇るこの御山ですよね。

 シンプルなそのシルエットを、誰もが知っている。
 その色、その見どころ、美しさは、
 北斎さんがとっくに描き尽くしてしまった……。

「ところがァ、どすこいィ!」
「がっるるぐるぅ!」(←訳:どっこいでしょ!)

 ええ、ところがどっこい、意外なことに。

 富士山には
 まだまだ知られていない新たな“顔”があるのだと
 この展覧会は明らかにしてくれます。

  

「ふしぎなァ、くもッ?」
「ぐるる!」(←訳:風の線!)

 富士山を撮る、とは、
 山岳写真を撮ることであり、
 天体写真を撮ることでもある――

 そう思い知らされる作品50点が
 展示されておりますが、
 すでに第20回目の富士山写真大賞も
 絶賛応募受付中!

「しめきりィはァ~」
「がるるるるぐるるがる!」(←訳:2018年10月1日!)

 河口湖は遠くて
 とても行けそうにないわぁ……という御方は、
 美術館HPを検索してみてくださいね。
 過去の富士山写真大賞作品が公開されているので、
 ひとときの眼福を、ぜひ♪
 


   では、ここでモグモグおやつタイムも!
   
   海外旅行のおみやげとしてメジャーな
   《TimTam》ですが……
   
   「うんッ?あざやかァぐりーんッ??」
   「ぐるがる?」(←訳:新作かな?)
   カルディコーヒーファームさんで取り扱っている
   『ティムタム チョコミント』は
   オーストラリアで人気のジェラートショップ
   『GELATO MESSINA』さんとのコラボ作です。
   今季限定の御品だそうですから、
   お菓子好きさんはいまのうちに探してみましょう~♪
   
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チェコの、春夏秋冬。

2018-02-27 22:15:01 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 もうすぐゥ、ぱらりんぴッくゥ~??」
「がるる!ぐっるるがるるる!」(←訳:虎です!じっくり見たいよ!)

 こんにちは、ネーさです。
 パラリンピックっていつから始まるの?
 どんな種目があるの?
 競技の日程は?と、またワクワクしながらも、
 聖火台に火が点るまでの間には、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらのエッセイ作品を、どうぞ~♪
 
  



          ―― チェコの十二ヵ月 ――



 著者は出久根育(でくね・いく)さん、2017年12月に発行されました。
 『――おとぎの国に暮らす――』と副題が付されています。

「ふァ? これはァ、えッせいィ~でスかッ??」
「ぐるがぅるるる?」(←訳:絵本じゃなくて?)

 そうなのよね、
 御本の表紙画の、
 なんとすばらしく美しいこと!
 欧州の昔話をテーマにした絵本かしら?民話かな?
 と、思ってしまいそうになりますが、
 内容は。

 『あめふらし』『マーシャと白い鳥』他の絵本作品で人気の
 著者・出久根さん。

 出久根さんがお住まいにしているのは、
 日本から遠く離れたチェコのプラハ――

 ですので、この御本は本当に
 “おとぎの国”チェコでの出久根さんの暮らしを綴った
 エッセイ作品なんですね。

「えッとォ~、ちぇことォいえばァ~…?」
「がるっ!」(←訳:変身っ!)

 活字マニアさんにとっては、
 フランツ・カフカさんの、
 ミラン・クンデラさんの、
 カレル・チャペックさんの国であるチェコ共和国。

 そのチェコへ移住した出久根さん、
 日本の編集者さんと
 メールで仕事のやり取りをしながら、
 近況報告を兼ねて
 身近な出来事を報せているうち、
 毎月きちんと書いてみたら?と
 勧められたのだそうです。

 そうして始まった理論社さんHPでの連載
 『プラハお散歩便り』をもとに、
 このエッセイ作品が完成しました。

「ちぇこのォ、はるゥ~♪」
「ぐるるるがる!」(←訳:復活祭が来た!)

 欧州大陸の、内陸部にあるチェコの、春。
 ライラックが咲き、
 おや? 太陽の位置が高くなったと気付けば、もう真夏?
 けれど、8月も半ばを過ぎれば、
 秋風混じりの残暑。
 10月になったら突然の雪!
 厳しい冬はもうすぐそこ……と、
 日本とは異なる四季がめぐる国。

 出久根さんはチェコの風物詩やイベントなどを
 丁寧に、愛情をこめて活写してゆきますが、
 “おとぎの国”というだけあって、
 これはフィクションなのだろうかと
 思わせられる場面も少なくありません。

 そのひとつが、
 『銀河鉄道のネトリツェ』
 (本文28ページ)。

「ぎんがァてつどうゥ?!?」
「がぅるる??」(←訳:チェコに??)

 チェコの森に、
 或る夜、銀河鉄道が降りてくる。

 午後8時、
 小さな無人駅に人々が集えば、
 駅にやって来たのは――

 それはいったいどういうことなのか、
 お教えしたいのはヤマヤマなれど、
 ここはどうか、
 皆さま御自身の眼で
 出久根さんの文章と画を味わい、
 脳裏に想い描いてみてください。

「ぞくぞくゥ~しまスゥ!」
「ぐるるるがるるるる!」(←訳:ホントに夢みたいな!)

 絵本好きな方々に、
 チェコの映画や小説が大好きな方々にも
 心からおすすめしたいエッセイ(画文集?)作品、
 ぜひ、一読を♪
 
 

 
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あの名作が、クラシカルに?

2018-02-26 22:19:21 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おおッ! あらたなァ、たたかいィ?」
「がるる!ぐるがるるるる!」(←訳:虎です!甲乙つけがたし!)

 こんにちは、ネーさです。
 オリンピックが終わった……と思う間もなく、
 新たな闘いの幕が切って落とされました!
 明治さんが公式に主催する
 《きのこの山・たけのこの里 国民総選挙》――
 貴方はきのこ派ですかたけのこ派ですかどっちも派ですか?
 注目の戦いの詳細については明治さんHPをご覧くださいね。
 さあ、ではここからはアタマを切り替え、
 本日の読書タイムを、どうぞ~♪

  



     ―― シャーロック・ホームズの古典事件帖 ――



 著者はアーサー・コナン・ドイルさん、編者は北原尚彦さん、
 2018年1月に発行されました。
 『The Classical Collections of Sherlock Holmes』と
 英語題名が付されています。

 はい、お久しぶりのフィクション作品の御紹介となりますのは、
 あらら♪ホームズさんのパロディかしら♪
 パスティーシュかしら♪
 ……ん? 違うわね?
 これって、もしかして……本物?

「ふァ?? ほんもののォほーむずさんッ?」
「ぐるがるる!」(←訳:新刊なのに?)

 書店さんに並んだばかりの新刊であるのに、
 その中身は紛れもなく、
 19世紀に発表されたコナン・ドイル鄕によるホームズさん譚……

 それはどういうカラクリかと申しますと。

 この御本に収録されているのは、

 明治から大正期にかけて
 日本語に翻訳もしくは翻案された作品13篇!

「めッ、めいじィ~?」
「がるぐる??」(←訳:大正時代??)

 感性鋭い活字マニアさんには、
 ええ、もうお分かりですわね。

 明治・大正の小説となると、
 文体が違うし、
 漢字が旧字体であったり、
 カタカナの表現方法も現代とは異なっている、と。

「ううッ? なまえもォ~??」
「ぐるるがるるぐっるるぅ?」(←訳:日本の名前になってるぅ?)

   ロンドンは、倫敦。

   ホームズさんは……保科さん?
   いや、ホルムスさん?
 
   警部のグレグスンさんは呉礼具遜さん?

 そう、つまりこの13作品はいずれも
 《明治・大正期に訳出されたホームズさん譚》
 ほぼそのまま、なのです。

 明治や大正の頃の日本人が接した、
 初めてのホームズさん物語は
 こんな文章だった――のねえ。

「むゥ~んッ?
 まじめェ、なんでスけどォ~…」
「がるるるぐるる!」(←訳:なんだか笑える!)

 一つの懐中時計を観察して、
 もとの持ち主と、
 持ち主の性格習慣までをも推理する、という
 ホームズさんファンにはお馴染みの
 有名なシーンがありますが。

 それが、大正時代に訳された
 『肖像の秘密』
 なる作品では……

 な、なんかヘンです。
 笑っちゃいけないんでしょうけど、
 笑えてしまって。

「だいめいもォ、へんッ??」
「ぐるがるぅ?」(←訳:意訳だよぅ?)

 『ボヘミア国王の艶禍』、
 『書簡のゆくえ』……は、まだいいわ。

 『禿頭組合』……って、あの作品のこと?

 『新陰陽博士』に
 『暗殺党の船長』?
 『毒蛇』……は、うん、あれね! あれしかないでしょ! 

「うむッ! これッ、よみはじめるとォ~」
「がるる~!」(←訳:面白い~!)

 ちょっと翻案されたくらいでは揺るがないほど、
 骨格堅牢な原作。

 しかも、編者・北原さんが選んだ
 《古典》訳版は
 どれも名文にして名調子です。

 明治・大正の日本で
 ホームズさんはどういった迎えられ方をしたんだろうか、と
 思い巡らし、空想しながら、
 ぜひ、一読を♪
 
 
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~ 書物の守り手 ~

2018-02-25 22:19:05 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 つぎはァ、ぺきんッでスかァ~♪」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!4年後だね~!)

 こんにちは、ネーさです。
 閉会式が終わったばかりですが、
 選手さんやウェアのメーカーさんは
 もう4年後を想定しているのでしょうね。
 オリンピアンさんたちのさらなる活躍を祈りながら、
 さあ、読書タイムです♪
 本日は、こちらのご本を、どうぞ~!
 
  



        ―― 日本のブックカバー ――



 監修は書皮友好協会の皆さん、2016年9月に発行されました。
 『書皮(しょひ)』……?
 聞き慣れない言葉だわね?と思った私ネーさ、
 えーと、すいません、
 活字マニア失格です。

「ううッ、テディちゃもォ、わきゃりませんでス!」
「ぐるるがるるる~!」(←訳:ボクも知らない~!)

 『書皮』――

 それは、ブックカバーのこと。

 書店のカバーが大好き!という
 ステキな趣味をお持ちの方々の集まり
 《書皮友好協会》が提唱した言葉なのです。

 もともと『書皮』とは
 『紙の表紙、ブックカバー』を意味する中国語。

 しかし、実際には、
 “本を購入したお客さんにカバーをかけるサービス”
 を行っているのは、
 日本独自の文化らしいので、
 『書皮』も新語(造語?)の一種と言えましょうか。

「ぶッくかばァ!」
「がるるるる~!」(←訳:なるほどね~!)

 “名は体を表す”な、
 『書皮』=ブックカバー。

 毎週もしくは毎日、
 本屋さんに通い、
 離れた町の有名な本屋さんへ
 わざわざ遠征することもある活字マニアさんは、
 いつの間にかブックカバーコレクターに
 なっているかもしれません。

 この御本は、
 第1部『デザイン』と
 第2部『イベント・地域性・その他』
 から構成されていますが、
 どのページにも溢れているのは
 “書物愛”!

 ブックカバーにこめられている
 書物を送り出す側=書店さんによる創意工夫と、
 書物を受け取る側=読み手の
 本を大事にするぞ!な決意は
 オリンピック級の熱さです。

「こんなにィ~あるんでスねッ!」
「ぐるるがるるるるぐるる!」(←訳:まるでデザインの見本帖!)

 シンプルなロゴだけのもの。

 写真入り、
 イラスト入り。

 色合いを抑制したものもあれば、
 フルカラーのものもあり。

 全国チェーン店のもの、
 個人でお店のもの。

 ……はぁ~、
 これほど多種多様なブックカバーが
 日本に存在していたとは。

「べんきょうにィ~なりましたでス!」
「がる!」(←訳:感謝!)

 今は無くなってしまった書店さんのカバーも掲載されていて、
 ちょっとしんみりしたり、
 あら可愛いカバーがある!
 この書店さん行ってみたいわ!などと心躍ったりもする
 活字マニア諸氏必読の《書皮》図鑑、
 皆さま、ぜひ、一読を♪


 
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夢のツール、拝見!

2018-02-24 22:08:18 | ミュゼ
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 おりんぴッくにィ~まけてェませんッ!」
「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!天晴れなドラマ!)

 こんにちは、ネーさです。
 冬季オリンピックの陰に隠れる形になっている
 今シーズンのTVドラマ……って油断しちゃダメですよ皆さま!
 TBSさん系『アンナチュラル』が素晴らしいので、
 見逃しちゃった御方は無料配信などで御覧になってくださいね♪
 さあ、ではここからは週末恒例のリラックスタイム、
 読書をサボって↓こちらの展覧会情報を、どうぞ~!
 
  



     ―― 《キテレツ百科》×《ドラえもん》 ――



 神奈川県川崎市の川崎市藤子・F・不二雄ミュージアムにて、
 会期は2018年1月25日~2019年1月15日(予定)
 (毎週火曜と年末年始は休館)、
 『江戸時代の発明と未来のひみつ道具』
 と副題が付されています。

「おおォ! どらちゃァ~んッ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:キテレツくん!)

 目を奪うあざやかなブルーの色合いのチラシ(フライヤー)に、
 私ネーさ、感嘆いたしました。
 PCのモニターではなく
 肉眼で視ますとね、もうちょっと柔らかな、
 ブルーのグラデーションなんですよ。

  

 で、キテレツくんとドラちゃんが
 ここで何をやってくれるかと申しますと。

「もッちろォんッ!」
「がるるぐる~!」(←訳:ひみつ道具~!)

 そうね、
 『ドラえもん』内でドラちゃんが駆使する“ひみつ道具”と
 『キテレツ大百科』内に登場する手作りの発明品たちは、
 読み手の想像力をぐんぐん加速させます。

 いつかホントに発明されそうなもの。
 明日にでも実現するかもしれないもの。

 人類の夢、
 あるいは、ひとりの少年の夢をかなえてくれる、
 摩訶不思議な道具たち……。
 
  

 この原画展では、
 『キテレツ大百科』の発明品を中心に、
 それに類似する『ドラえもん』のひみつ道具を並べて
 藤子・F・不二雄さんが思い描いた“夢のツール”が
 紹介されます。

 また、『てぶくろてっちゃん』、
 『ポコニャン』などの原画も展示されますよ。

「……どこでもどあァ、ほしいィ~でス!」
「ぐるるがるるるるぅる!」(←訳:ボクは翻訳コンニャク!)

 展示期間は、
 前期:1月25日~7月2日
 後期:7月7日~2019年1月15日の2期に分かれています。
 展示内容の変更詳細については、
 美術館HPをご参照くださいな。
 
 なお、入館は完全予約制となっているので
 (入館チケットはローソンで購入できるそうですよ)
 御注意くださいね。
 
 
 


    さて、ここでモグモグなおやつタイムも♪
   
    『グリコ』さんの新製品は、
    《ビスコ 焼きショコラ》!
    「あまさァ、ひかえめッ!」
    「がるるぐるる?」(←訳:大人のビスコ?)
    ほろ苦いダークなショコラ風味の新ビスコ、
    ドラちゃんにもおすすめの美味しさです。

    花粉が飛び始め、
    寒気と暖気が入り乱れ、
    知らぬうちに疲労が溜まる季節の変わり目になりました。
    皆さま、御自愛しつつ、どうか穏やかな休日を♪

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天使の横顔…!

2018-02-23 22:21:35 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 きょうもォ、わだいィどくせんッでス!」
「がるる!ぐるっるるがるるるるぅ!」(←訳:虎です!終わったら寂しくなるぅ!)

 こんにちは、ネーさです。
 女子フィギュアスケート新女王の誕生に驚きましたね。
 こうなると、入賞者さんたちが大集合するエキジビションが
 よりいっそう楽しみです♪
 どんな演出になるのかしら?とワクワクしながら、
 さあ、本日の読書タイムは、
 こちらの御本を、どうぞ~! 

  



       ―― クリムト 官能の世界へ ――



 著者は平松洋(ひらまつ・ひろし)さん、2018年1月に発行されました。
 前回に続いて今回もアート本……なのですが、
 ご覧のとおり、サイズがぐぐっと小さくなっちゃいました。

「ちいィ~さいけどォ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:中身は最高級!)

 前回記事で御紹介しました『ART GALLERY 肖像画』には
 絵画史上に燦然と輝く名品肖像画が掲載されておりました。

 そして、その中には
 この御方の作品もちゃあんと収録されていたのです。

 グスタフ・クリムトさん作
 『アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ』

「うううゥ! まぶしィ~!!」
「がるるるる!」(←訳:黄金色の画!)

 クリムトさんの《黄金様式》を体現する
 正方形の肖像画――

 絵画としての素晴らしさとは別に、
 この作品自身が数奇な運命を辿ったこともあり、
 近年よく取り上げられる名画ですけれども。

 こういった《黄金様式》には収まらない、
 いえ、収まりきれない多様な作品も
 クリムトさんは描いていることを
 著者・平松さんは顕かにしてゆきます。

「たようゥなァ、さくひんッ?」
「っるぐるるる?」(←訳:ってどんなの?)

 ええとね、
 日本にはクリムトさんのファンさんが多くて、
 画集は何種類も発行されていて、
 クリムトさん大好きな私ネーさも
 新たな画集や評論書が本屋さんに並ぶたび
 入念にチェックしておりましたのに。

 初めて目にする作品が載ってるわ、
 この御本にはー!!

「ほほゥッ?」
「がるぐる??」(←訳:どれどれ??)

 《黄金様式》時代に先立って、
 クリムトさんが肖像画家としての
 名声を確立していった時代の作品が
 第5章『女性の肖像』で解説されています。

 その中の数点は、
 恥ずかしながら私ネーさ、全く知りませんでした。

 特に、本文163ページ、
 クリムトさんの弟、
 エルンストさんの忘れ形見であるヘレーネさんの肖像は!

「かッかわいいィ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:天使レベルだ!)

 姪御さんのヘレーネさんの横顔像、
 信じられない可愛らしさだわ……!

 この作品が有名じゃないのは
 個人蔵作品だからかしら?

「にほんにィ、こないィかなァ~!」
「がるるぐるる~!」(←訳:本物を見たい~!)

 クリムトさんが制作した作品は、
 油彩作品が二百数十点、
 (そのうち60点弱が風景画)。

 また、素描作品は5000点あったはずが
 現存するのは3000点……

 え?2000点は?
 どこに行ってしまったの?かというと。

 意外な犯人がクリムトさんのアトリエに??

「うにゃにゃッ?」
「ぐぅるぅっ?」(←訳:ニャニャっ?)

 今年2018年は、
 クリムトさんの没後から100年……

 小型の新書ではありますが、
 掲載図版の数は多く、
 印刷も美しく、
 コラムも含めたクリムトさんについての文章も
 ファンの方々に激おすすめな一冊です。
 
 書店さんのアート本コーナー、
 もしくは新書のコーナーで
 ぜひ、探してみてくださいね♪

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《肖像画》に探すものは。

2018-02-22 22:14:28 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでッス!
 はふゥ! はやいィ~ッ!」
「がるる!ぐるがるる!」(←訳:虎です!突風みたい!)

 こんにちは、ネーさです。
 スピードスケート女子団体パシュート、なんたる速さ!
 あれが金メダルの速度なのね!と手に汗握りましたよ。
 選手さん&スタッフさんに今日も拍手を送りながら、
 さあ、熱戦の合間には読書タ~イム♪
 本日は、こちらの大型アートブックを、どうぞ~!

  



        ―― ART GALLERY 肖像画 ――



 監修は青柳正規さん、木島俊介さん、中野京子さん、
 2017年9月に発行されました。
 《テーマで見る世界の名画》とシリーズ名が冠された
 全10巻の《ART GALLERY》シリーズの第2巻『肖像画』には、
 『姿とこころ』と副題が付されています。

「ふァ~! おおきィしィ~!」
「ぐるる!」(←訳:重いし!)

 ほぼ正方形の外観が人目を惹く《ART GALLERY》シリーズ、
 縦も横も約31㎝、と
 持ち歩くのは容易ではありませんが……

 大判、ってことは
 御本の本文に印刷されてる図版も大判、ってことです♪

「ふァいッ! みやすゥいィ~でス!」
「がるぐっるる!」(←訳:表情くっきり!)

 大きな画面と、
 印刷も精巧な、
 西洋絵画史に名だたる肖像画――

 第1章『肖像画の歩み』は、
 このような文章で幕を開けます。

 ―― 肖像画は、絵画の歴史とともに始まった ――

 そして、次のページには
 ポンペイの遺跡に描かれた
 『パン屋の夫婦』の図版が。

「にせんねんまえェのォ、しょうぞうがァ?」
「ぐるるがるっ!」(←訳:きれいだねっ!)

 ポンペイの壁画を皮切りに、
 この御本のカラーページで紹介されている肖像画は
 65作品。

 巻末にはモノクロの参考図版と
 解説文が収録されいますが、
 やはり、じっくり観ていただきたいのは
 カラーの大きな肖像画。
 
 とりわけ、“仕掛け”に唸らされたのは
 本文26ページと27ページ、
 ふたつの肖像画の対比の妙です。

「おおッ! これはァ~!」
「がっるる!」(←訳:やったね!)

 26ページに印刷されているのは
 ディエゴ・ベラスケスさん作『教皇インノケンティウス10世』。

 巨匠ベラスケスさんがその腕を存分にふるって描いたのは、
 豪華な衣装に身を包み、
 キリスト教会の頂点に君臨する
 力強い人物の座像……であるのに対し。

 27ページの中央から
 こちらに滅戦を向けているのは、
 エル・グレコさん作『修道士パラビジーノ』。

 ベラスケスさんの作品に比べて、
 質素な椅子、
 黒を基調とした僧衣、
 “清貧”という言葉を連想させる
 細く肉の薄い顔立ち……と、
 何から何まで正反対?

「すごいィ~ひかくゥでス!」
「ぐるる!」(←訳:挑戦的!)

 この見開き2ページに接すれば、
 読み手の私たちは考えざるを得ません。

 肖像画の本質とは何だろう?
 ただ顔を描けばいいというものではない、
 ポーズや衣装も大事だけれど
 それだけではない――

 肝心なのは、
 《その人》がそこにいること。

「からッぽではァ、だめなのでス!」
「がるるるぐる!」(←訳:イノチよ宿れ!)

 ゴヤさんの大作、
 ピカソさんの『泣く女』、
 ルノアールさんの少女像、
 そしてもちろん、
 レオナルドさんの『モナ・リザ(ラ・ジョコンダ)』など、
 さまざまな肖像画がこの御本には収録されていますが、
 私ネーサの好きな《顔》は、
 本文22ページ、
 ティツィアーノ・ヴェチェッリオさん作
 『手袋を持つ男の肖像』です。

 名も分からない、
 地位も国籍も判然としない、
 しかし、その相貌の背後に
 確かにドラマを感じさせるティツィアーノさんの傑作を、
 皆さまも、この御本で、ぜひ♪

 
 
 
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~ そもそもの《マイブーム》 ~

2018-02-21 21:46:16 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふゥ! おうえんもォ、つかれェまスゥ!」
「がるる!ぐるがるるる!」(←訳:虎です!緊張するしね!)

 こんにちは、ネーさです。
 冬季オリンピックも残り数日となって、
 ちょっと応援疲れが溜まった今日は、
 さあ、読書をさぼり、
 の~んびりと↓こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪

  



  ―― MJ's FES みうらじゅんフェス! マイブームの全貌展 ――



 神奈川県川崎市の川崎市市民ミュージアムの
 企画展示室1、アートギャラリー1・2・3にて、
 会期は2018年1月27日~3月25日(毎月曜と3/22は休館)、
 みうらじゅんさんの生誕60周年を記念する特別展示です!

「あはァ! けんぶつゥのォ、おにいさんッ!」
「ぐるがぅるるぐるるー!」(←訳:ゆるキャラのひとだー!)

  

 活字マニアさんにとっては『見仏記』の著者さん、
 キャラグッズ好きさんにとっては
 《ゆるキャラ》の発明者にして推進者さん、
 そしてサブカル好きな方々には
 《マイブーム》の生みの親さんとして
 広く知られるアーティスト――
 みうらじゅんさん。

 そのみうらさんが
 2018年2月1日に還暦を迎えたのを機に、
 スペシャルな展覧会が開催されています。

「ふむむッ! みうらさんはァ~…」
「がるるるるぐるるぅ♪」(←訳:水瓶座さんですかぁ♪)

  

 みうらさんの“膨大かつ深遠な創作活動”と、
 《マイブーム》の起源と全貌を明らかにするこの企画展では、
 イベントも多数予定されています。

 いとうせいこうさんとのトークショーや、
 ベビーカーツアー、
 学芸員さんによるギャラリーツアー、
 川崎市市民ミュージアムの《ゆるキャラ》コンテスト、
 みうらさんの作品を原作とする映画の上演会など、
 川崎市市民ミュージアムが
 みうらさん一色に?!?

「おもしろォたのしそうゥ!」
「ぐるるがーる!」(←訳:新たなブーム!)

 多彩なイベントのスケジュール&詳細は、
 美術館HPでご確認のうえ、
 お出掛けくださいね。
 
 あの有名な?《仏像スクラップ帖》も
 展示されるとのことですので、
 『見仏記』ファンの方々には
 特におすすめですよ~!
 



   さて、カーリングで話題になったおやつタイムを、私たちも!
   
    『ブルボン』さんの
    《もちもちショコラ 桜もち風味》で
    ひと足早く春の気分に?
    「さくらいろのォ、おもちにィ~♪」
    「がっるる!」(←訳:ほっこり!)


    
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― 旅路の少年 ―

2018-02-20 22:14:38 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 なァるほどォ! かーりんぐもォ、おもしろいィのでス!」
「がるる!ぐーるるがるーる!」(←訳:虎です!ルールがユニーク!)

 こんにちは、ネーさです。
 氷上のチェスと言われるカーリング――
 私ネーさが気になって仕方がないのは、
 カーリング競技者の方々の
 美男美女度の高さ!
 どの国の競技者さんも、脚はスラっと長いし、
 お顔は整っていて、動きもきびきび!
 一方、本日の読書タイムで御紹介いたしますのは、
 脚スラな美男美女とは正反対な世界?を描く
 こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



        ―― ぼくの名前はズッキーニ ――



 著者はジル・パリスさん、原著は2001年に、
 画像の日本語新訳版は2018年2月に発行されました。
 仏語原題は『Autobiographie d'une Courgette』、
 アカデミー賞候補にノミネートされたことで
 いま話題になっているアニメ作品『ぼくの名前はズッキーニ』の
 原作小説です。

「ずッきーにィ??」
「ぐるがるる?」(←訳:あの野菜の?)

 ズッキーニ、と聞けば、
 まず殆どの場合で思い浮かびますよね、
 お野菜のズッキーニを。

 でも。

 ズッキーニのフランス名は《courgette(クルジェット)》といい、
 これはウリやカボチャを意味する《courge(クルジェ)》から
 派生した言葉である、と
 御本巻末の『あとがき』で訳者の安田昌弘さんは
 解説してくださっています。

 また、《courge(クルジェ)》には比喩的に
 《石頭》や《のろま》などの
 意味があるのだ、とも。

「えェ~? のろまァ??」
「がるるる~!」(←訳:ひどいよ~!)

 主人公にして語り手の《ぼく》の名は、
 イカールくん。

 決してズッキーニではありません。
 
 ええ、ズッキーニではない、のですが、
 ママが彼をそう呼ぶからには
 イカールくんはいつもこんな風に名乗るのです。

  ―― ぼくの名前は『ズッキーニ』さ。――

 警察の人にも、
 養護施設の少年たちにも。

「けッ、けいさつゥ??」
「ぐるっる??」(←訳:施設って??)

 イカールくん、
 お父さんについての記憶があまりありません。
 ママによれば、
 世界一周に出発したのよ、だそうで、
 つまりイカールくんは母とふたり、
 つましく暮らしていたのですが。

 或る日、不慮の事故が起き、
 イカールくんは“孤児”になってしまいました。

「そんなァ~!」
「がるるぅ!」(←訳:嘘でしょ!)

 親切な警察官レイモンさんは、
 フォンテンブロー近くの養護施設《レ・フォンテーヌ》へ
 イカールくんを連れてゆきます。

 《レ・フォンテーヌ》で生活しているのは、
 イカールくんと同じように、
 事情を抱え、
 孤独を抱える同年代の子どもたち。

 泣き虫のアメッドくん、
 バラ色のメガネをかけているベアトリスちゃん、
 面倒見の良いカミーユちゃん、
 情報通のシモンくんたち。

 そんな環境で
 イカールくんは、いえ、
 小さな9歳の少年は、どんな未来を見出すのか。

 そもそも……彼に未来はあるのか?

「あにめはァ、かわいいィけどォ~」
「ぐーるるがるるぐる!」(←訳:テーマは重たいです!)

 可愛らしいヴィジュアルのアニメ作品を観る前に、
 できればどうか、
 こちらの原作小説を一読してみてください。

 ズッキーニことイカールくんの、
 波立つこころの動きを、
 その旅路を、
 ぜひ、ともに。
 

 
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手紙は、語る。

2018-02-19 22:05:27 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わふゥ? えきにィ~ぎょうれつゥ??」
「がるる!ぐるがるぐるる??」(←訳:虎です!何の行列だろう??)

 こんにちは、ネーさです。
 現在、JR中央線の各駅で『名探偵コナン』くんの
 スタンプラリーが開催中みたいですよ。
 スタンプを集めているチッビっ子ちゃんたちは
 駅構内や改札で転倒しないようお気を付けてね。
 さあ、ではここからは読書タイムです♪
 本日は、こちらの新書を、どうぞ~!
 
  



        ―― 藤田嗣治 手紙の森へ ――



 著者は林洋子(はやし・ようこ)さん、2018年1月に発行されました。
 『Promenade dans les lettres de Foujita』と
 仏語題名が付されています。

 画家・藤田嗣治(ふじた・つぐはる)さん。
 フランス国籍を取得した後は、レオナール・フジタさん。

 今年2018年は、
 1886年、東京・牛込に生まれ、
 1986年、チューリヒで没したフジタさんの、
 没後50年となる記念の年です。

「ごじゅうゥねんッ?」
「ぐぅるがるるっ?」(←訳:じゃあたぶんっ?)

 ええ、記念すべき年ですもの、
 大規模な展覧会が予定されています。

 東京都美術館で、7月31日~10月8日。
 京都国立近代美術館では、10月19日~12月16日。

 この御本は、
 展覧会を前にしての関連本のひとつ、なのでしょうが、
 いろいろなオトナの事情は横に置いといて。

 ひとりの画家さんの生涯を
 “手紙”から辿る
 評伝作品。

 そんな風に捉えていただきたい一冊です。

「しりょうゥがァ、たァ~くさんッ!」
「がるるぐるるがる!」(←訳:図版も写真も充実!)

 ノンフィクションには
 書簡集というジャンルがあります。
 それが、画家さんの書簡(手紙)となると、
 やはり便箋に文字だけ、とはならないんですね。

 この御本に収録されているフジタさんの手紙の多くが、
 イラストや素描、
 本気のスケッチとさえ言える《絵》を乗せて、
 宛先人のもとへ旅立ったものでした。

「からふるゥ、でス!」
「ぐるがるぐるるー!」(←訳:油彩とは違うねー!)

 キャンバスに描くときとは異なる、
 軽やかなタッチの“絵”手紙は、
 本文前半・中盤・後半で
 微妙にニュアンスが変わってゆきます。

 第二次世界大戦前と、
 大戦の渦中にあった戦争中、
 そして戦後の、日本から距離を取った時代の“絵”。

 著者・林さんは、
 どの時代のフジタさんが最も幸福だったのか、
 とは問いません。

 ただ静かに、穏やかに、
 フジタさんの手紙一通一通を年代順に積み重ね、
 追いかけてゆくのです。

 終章の、
 《藤田の遺言に思える》一文まで。

「ずッしりィ、くるのでス……!」
「がるるるるぐる!」(←訳:矢のような一通!)

 手紙から、
 “絵”から、
 或いは、
 揺れるペン先、筆跡に
 何を読み取るか――

 アート好きさんに、
 フジタさんのファン諸氏に
 激おすすめのノンフィクション、
 どうか、ぜひ、一読を!
 
 
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