「こんにちわッ、テディちゃでス!
じゅんびィうんどうゥ、はじまッてまスかッ?」
「がるる?ぐるるがるるるる!」(←訳:虎です!皆さん大張り切り!)
こんにちは、ネーさです。
明日4月1日の《エイプリルフール》に向け、
Webでは早くも嘘ネタが飛び交ってますね。
はたして2022年はどんな大法螺が世を沸かせるのか、
楽しみにしながら、
さあ、3月のラストとなる読書タイムは、
こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 海を越えたジャパン・ティー ――
著者はロバート・ヘリヤーさん、
2022年3月に発行されました。
英語原題は『GREEN WITH MILK AND SUGAR』、
『緑茶の日米交易史と茶商人たち』
と日本語副題が付されています。
「ふァいッ! おはなみのォ、おともはァ~」
「ぐっるるがるぐる!」(←訳:やっぱりお茶だね!)
お花見やピクニックに持ってゆく
お弁当、サンドイッチ、
和菓子に洋菓子に合わせて
私たちが持ってゆく飲料は……
お茶、が第1位でしょうか。
でも、お茶って、どんなお茶?
お抹茶? 緑茶? 紅茶? ウーロン茶?
ジャスミンティーか、ハーブティー?
「うむふむむゥ~!」
「がるるぐるる?」(←訳:どれにしよう?)
かように現代の日本では『TEA』といっても
さまざまなのですけれど、
19世紀の米国で『TEA』といえば、
圧倒的に……『緑茶』。
一方、同時代の日本で『TEA』といったら、
『茶色い番茶』。
つまり『焙じ茶』が主流であったと、
著者・ヘリヤーさんは説きます。
「ほほォ? ほうじィちゃッ?」
「ぐるがぅるるるる~?」(←訳:緑茶じゃないんだ~?)
太平洋を渡って、
はるばると運ばれていった『緑茶』。
そして、その飲み方ときたら、
ストレートティーではなく、
お砂糖とミルクを加えていただく、と。
『抹茶ラテ』とは似ているようで違うんです。
敢えていうなら……『緑茶ラテ』?
「ふわァ~…なぜッ??」
「がるるぐるるる?」(←訳:そんな飲み方を?)
いったいどうして、そんな飲み方が
19世紀の米国で流行ってしまったのか。
著者・ヘリヤーさんは、
日本に於けるお茶の歴史、
江戸から明治へと移り変わる変革の中で
お茶と静岡が結びついていった経緯、
かつての米国で高まった緑茶嗜好など、
近代史に細かく目を配りながら
《ジャパン・ティー》の成長を
追いかけて行きます。
ヘリヤーさんは米国生まれの米国人で、
ウェイクフォレスト大学歴史学科准教授さんであり、
また、明治時代に日本で活躍した
茶葉輸出商社の創業者フレデリック・ヘリヤーさんの
子孫にあたるためでしょうか、
《ジャパン・ティー》にかける熱意は並々ならぬもので、
わかりにくい明治維新も、
昔むかしの商業制度もなんのその!
見事な《ティー》探偵ぶりを見せてくれますよ♪
「はくしゅゥ~!!」
「ぐるがるるる!」(←訳:労作なんです!)
日本の食文化と歴史、
国と国の橋渡し役にもなりつつあった文化を
無残にも打ち砕く戦争、
分断と忘却――
近代史好きな活字マニアさんに
激おすすめの一冊です。
海を渡った《ティー》が見せてくれる風景を、
皆さま、ぜひ♫