テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

“幸福”な怪冒険。

2015-03-02 21:40:27 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むむゥ! またまたァ、あいつがァ!」
「がるる!ぐっるるるがる!」(←訳:虎です!やって来たです!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、アイツがまたまたやってきましたよ、
 二十の顔を持つというアイツが!
 ってなったら、あの子たちの出番ですね。
 さあ、活字マニアの皆さん、
 声を合わせて、高らかに~♪

  



             ―― 全員少年探偵団 ――



 著者は藤谷治(ふじたに・おさむ)さん、2014年12月に発行されました。
 《みんなの少年探偵団》とシリーズ題名が付されています。

 
「ぼくらはァ、しょうねんたんていィだんッ?」
「ぐるる??」(←訳:全員が??)

 江戸川乱歩さんの生誕120周年を記念しての
 《みんなの少年探偵団》シリーズ刊行――
 第一弾の5人の作家さんによるアンソロジー作品『みんなの少年探偵団』、
 また先日は
 小路幸也さん著の長編作品『少年探偵』を
 御紹介いたしました。

 そして、本日は、
 『みんなの少年探偵団』にも参加した藤谷治さんが
 長編作品を引っさげての登場です!

「やたッ! このォ、ふんいきィ!」
「がっるるるるっ!」(←訳:待ってましたっ!)

 小路さん版の少年探偵は、
 抒情性豊かな昭和の少年少女小説……な趣きがありました。
 表紙画も、少女雑誌のようだったわね。

 藤谷さん版の少年探偵は……
 おおお~♪
 榊原一樹(さかきばら・いっき)さんによるカバー絵と挿絵が、
 やってくれちゃってます!

「おどろおどろしィぞッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:怪事の兆候!)

 ……忍び寄る、霧。

 その日、東京に異変が発生しました。
 東京湾から濃い煙のような霧が押し寄せ、
 なんと東京中を覆ったのです。

 電車は動かず、
 車はライトを点けてノロノロ運転するのがやっと。
 小学校の通学路も、白い霧の海……。

「こッ、こわいィよォ!」
「がるるるぐる!」(←訳:歩くのも恐怖!)

 家が近い子どもたちは、
 なるべく一緒に帰ることになりました、が。

 ひとり、ふたり、と
 それぞれのお家の前で別れて、
 最後に残ったのは、
 吉田元基(よしだ・もとき)くん、ひとり。

「ひとりでェ、だいじょうぶゥ?」
「ぐるがるる!」(←訳:危険だよう!)

 御安心ください、
 吉田くん、お家に着きました!
 ドアを開けて入ろうとして、
 そのとき――

「うきゃァーッ!」
「がるーっ!」

 背後から迫る黒い人影。
 まるで、巨大なコウモリのような。
 はたして、吉田くんの安否は?

「こうなッたらァ、よばなくちゃッ!」
「ぐるるるっ!」(←訳:お約束のっ!)
「しょうねんたんていィ!」
「がるるるる!」(←訳:明智探偵も!)

 王道の《少年探偵団》路線?
 お約束だらけのパロディ?

 と思わせておいて、
 御本の終幕近くでは、著者・藤谷さん、
 すばらしい切れ味を見せてくださいます!
 本文231ページの或る文章に、
 きっと江戸川乱歩さんはニコリとして、
 よくやった!と賞讃を送ってくださることでしょう♪

「はくしゅッ!」
「ぐるるー!」(←訳:ブラボー!)

 幸福さえおぼえる読後感。

 本好きさんは、どうか、この一冊をお読み逃しなきよう。



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2 コメント

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がるる!   (こぐま)
2015-03-31 23:16:30
こんばんは

このシリーズ結局全4冊なんですって。
最終巻『恐怖の緑魔帝王』を、乗りかかった勢いで読んでしまいましたが、
ええっと、この人物設定でよいのかな?
英知があふれているような、いないような・・・
それに文代夫人ったら・・・

浅川や高尾山もでてきました
返信する
もったいないです! (テディちゃ&ネーさ)
2015-04-01 10:05:01
こぐまさまッ!

こめんとォ、ありがとうございまス!
ネーさよりィ、へんしんッ!とうッ!(←ライダーポーズ付き)

 こぐま様
 コメントありがとうございます!
 21世紀の《少年探偵団》シリーズ……
 もっと続けてほしいですよね。
 万城目学さんに長編を書いていただきたい!
 浦沢直樹さんにコミック版を描いていただきたい!
 と妄想していたのですが。
 フィギュアとか作ったりして♪
 ガチャポンでそれを買ったりして♪
 って出来たら嬉しいのに~。

 作家さんごとにキャラがくるくる変わるのは、
 もう御愛嬌でしょうか。
 
 次はきっと21世紀の《金田一》探偵シリーズ……
 というのは、ムリ?
返信する

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