ひまわり先生のちいさな玉手箱

著書「ひまわり先生の幸せの貯金箱〜子どもたち生まれてきてくれてありがとう」

二次被害

2015年01月22日 | カウンセリング
 《手記を読んで》

強姦され、心にも身体にも傷を追いながら、
勇気を持って起訴した女性の手記を読んで。


裁判に至るまで、裁判中、裁判後にも
この女性は、二次被害、つまり、心の傷にさらに傷を受けているのを読んで
腹が立ってしかたがありません。

この女性の勇気をたたえ、これ以降、このような被害が続かなくて済んで良かったと思います。

そして、被告側弁護士は、脅していると思いますし、これは、心理的攻撃、モラルハラスメントに当たると思います。

傷にさらに塩を塗っているような行為を許してはいけません。

また、抵抗できなかったのかという尋問も、
命の危険さえ感じる女性が、
抵抗できなかったのは当たり前で、
これもハラスメントに当たるのではないでしょうか?
こうした尋問も
今後、一切止めて欲しいです。

性行為は合意のもとでなければ、
配偶者間でもドメスティックバイオレンスDVにあたります。

合意してないのだから、当然、
身体的暴力、精神的暴力、性的暴力、ハラスメント。

怖くて命の危険さえ感じ
抵抗できない女性の気持ちを
理解できないのなら…

弁護士も、裁判関係者も
被害者心理を勉強した上で、被害者の気持ちが理解できる人だけにして欲しいです。

新聞記事、ニュースで
容疑者やその弁護士の氏名が伏せて報道されるのにも疑問を感じます。

*********************

宮崎市のマッサージ店で女性客らに暴行したなどとして強姦罪などに問われた男(44)の弁護士が、
被害女性側に盗撮ビデオの処分を条件に告訴取り下げを求めた問題で、
被害女性が21日、公表した手記の全文は以下の通り。

    ◇

 新聞に載って、インターネットでそれに対する「これは脅しだ」という意見や「この女の子は脅しに負けずによく頑張った!」「この被害者の勇気で新たな被害者を出さずにすんだ」というような意見を見て、泣きそうになりました。頑張って法廷に立った甲斐がありました。

 警察の方からは、マッサージ店から私のビデオは押収されなかったので、撮影していなかったのだろうと説明され、安心していましたので、被告人がビデオを撮影していて、それが今弁護人の手元にあるということを知らされた時は、自分の人生が終わったような恐怖を覚えました。法廷で証言をした後にビデオの存在を知らされている他の被害者の方も同じようなつらい気持ちだと思います。

 その後、弁護人から提案された示談の内容は、とても私に選択肢を与えられていると思えるものではなく、伝えられた私としては、脅されたような恐怖でいっぱいでした。私に返して当然の盗撮したビデオを処分することが私のメリットであるかのような説明も納得できるものではありませんでしたし、お金で解決するものではありませんが、0円という提案も私を被害者としてすら認めないというように感じられました。

 起訴された後、法廷で証言をしなければならなくなり、そのビデオに写されているのが自分なのかを確認しなければなりませんでしたが、自分がレイプされている映像を見て、家に帰りつくと猛烈な頭痛に襲われました。捜査機関の方がビデオを見た上で起訴しているわけですが、法廷で述べたとおり、映像は、当時自分の頭で思っていたほどは強くはなかったですが、抵抗している様子は映っていましたし、言葉でも何度も拒否していましたので、これのどこが無罪の証拠なのか、弁護人はそういえば私が告訴を取り下げると思っていたのではないかと今は思います。その日は、しつこいくらい夢に出てきてまともに眠れず、次の日は仕事を休んでしまいました。

 法律で決められていることだと説明を受けてはいますが、ビデオを見れば分かるのに、法廷で証言し、弁護人から繰り返し「抵抗できたのではないか」という趣旨の尋問を受けなければならないというのは、被害女性にとってこれほど屈辱的なことはないと思いました。

 言いたいことを全て言えなかったので後悔の残る法廷ではありましたが、ただ、法廷に出た事で少し落ち着きました。

 法廷を出た後、肩の荷がおりたようなスッキリとした気持ちになり、少しだけ前の自分を取り戻せたような感覚になりましたが、寝る前に凄く嫌な映像の数々がフラッシュバックしてきて苦しみました。

 証言が終われば、裁判が終われば、自分を完全に取り戻せるのではないかと思っていましたが、心はそんな簡単に戻るものではないと改めて実感しました。心もそうですが、事件を機に変わってしまった私の生活もなかなか元には戻りません。

 被告人には、当然厳罰を求めますが、早く罪を認めて反省をしてほしいと思いますし、一刻も早く盗撮したビデオと全てのデータを私や他の被害者の方に返してほしいです。

 また、抵抗しないのではなくて、できなかったのだということ、アダルトビデオのような激しい抵抗は、女性の安全が保障されていて、身の危険を感じない状況であるからこそできることなのだと実際に体験して思いました。この事件がそういう世界のことではないのだということを理解していただきたいと思います。

 1年前、被害直後に頑張って警察に行ったことや、取調や裁判のために費やしてきた時間が無駄になり、あの日警察に行かなければ良かったと思うことのないように願っています。

《2015年01月21日 毎日新聞記事より》
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