conparu blog

ささやかな身の回りの日常を書き綴ります。
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ナースの気持ち

2010-08-01 18:02:00 | 日記
「ナースステーション」には若くて可愛い娘が多かった。すっぴンから化粧すると見違えるほどの美人もいた。

手術室から出るころには意識もはっきりしていて、455号室に戻ってからは、点滴や血圧測定に来るたびに、こぼれるような笑顔が降り注いでいた。

院内教育が行き届いていたせいなのだが、どのナースもニコニコ顔で胸の名札を指して、『○○です』と自己紹介をしてくれたあと、

『痛くはないですか』、『耳鳴りはしませんか』、『何かあったらナースコールを押してください』と、かゆい所に手が届くとはこういうことかと悦に入っていた。

残念な?ことに名前のほうは何度聞いても覚えなかった、、、というより、人となり立ち居振る舞いの方に興味があったので、ナースの気持ちに乗っかったところがあった。

『これでシモを拭いて・・・』温タオルを私に手渡して、じっと終わるのを見ていた若いナースは、私にたじろぐ隙も与えず勤めを敢行したのだった。

入れ替わり立ち替わりといっても過言ではなく、若いナースからアラフォーのナースまでが顔を見せるようになったのは、単調な病院生活にも潤いを与えてくれた。

「これはね、家内が作った自家製化粧水だよ」小さな瓶に入った液体を見せると、
『あらぁ、だから肌がつやつやしているのねぇ』
「お酒も入っているよ」

ゆずの種から抽出した化粧水を、まじまじと見つめている若いナース。
『だから若い、、、肌がつやつやなのね』好奇心の強いナースは、自分の父親と重ねて『だからなのね』と得心したのだった。
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