自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

軽量化信仰。

2013年07月31日 02時07分01秒 | チャリダー★


番組でGOKISOホイールを取材するまで、
私も軽量化信仰者の一人でした。

その後いろんな方に取材してみると、
軽量パーツは効果ナシと主張する方が意外と多い。
逆に強度を上げてエネルギー効率を良くする方が
軽量化の恩恵を軽く超えるそうです。


ペダルを漕いでいて、
強度不足によってどれだけ力が逃げているかを知るのは大変です。
でも、バイクが100g軽くなったことは容易に体感できます。
だから私も簡単に軽量化の流れにノリノリだったのです。
分かりやすいから。


速くなりたいのか。
それともバイクを持った時に「軽いぜ!」と思いたいのか。
目的をきちんと見定めなくちゃね。
(もちろん後者も悪いことではありません。テンションは確実に上がるから)




(↑シートポスト1本7万円…2ヶ月昼メシを抜いた結晶がお蔵入りに。
  白い紙つけて神棚にでも飾ろうかな)



これからは、強度十分なパーツを取っ替え引っ替えして
楽しむことにしましょう☆
(強度が十分かどうかは結局使わないと分からないんだけど…)

修学旅行?

2013年07月27日 04時27分03秒 | おしごと日記
おとなの修学旅行に行って来ました!!




なんちて。
番組名は明かせませんが、これはロケ前夜の一幕。
ロケで大部屋に泊まることなんてあまりないのですが、
この日は観光シーズンで満室のためやむなく…
もちろん「やむなく」枕投げしました☆




ロケ当日。
あたらしく番組スタッフになったモエちゃんと
標高1600mにかかる虹。
真夏なのに寒すぎて、100均で買ったカッパが大活躍。
それでも唇青くなっちゃったけど…




私のそばにずっといて、
私の動きを一日見ていた新ディレクターのマサ。
むふふ、サーカスを見てるような気分だったでしょ?
慣れればサーカスの一員になれるよ。




まる一日走り切った充実感が背中に漂っております。





高地にはもう秋がやって来ていました。

50%!

2013年07月26日 14時17分47秒 | チャリダー★


「チャリダー★」では、竹谷賢二さんというスペシャリストに
走り方、フォームなどを教えて頂く構成になっています。

お気づきの方も多いと思いますが、
フォームや走り方はそもそも人によって千差万別で良いはずだし、
世の中にはいろんな走法を提案なさる方がいます。


とにかくあらゆる走法を体感して、それぞれがどう違うのかを知っておかねばならない!
てなわけで、今日もあるスタジオでフォーム診断を受けてきました。


「50%の力を損してますね」だって。


このコーチも竹谷さんの意見と微妙に違うところがある。
そこを体験し、どちらの論がどんな人に効用があるのかを考えること。
その上でしか番組はつくれません。
今日から直されたフォームで走ってみなくちゃ!


本当に50%だとしたら…1年後にはウルトラ速くなってるはず☆

ケーブル考察。

2013年07月24日 22時50分15秒 | 自転車



探して探して、やっとみつけた「NOKON」のケーブル。
「圧倒的に引きが軽い」というインプレが世に溢れかえっているし、
アルミ製のビーズをつなぎあわせた見た目はインパクト大。
そんなNOKONのケーブルをとりつけて走ること半年、
最初は軽かったシフトチェンジが
耐えられないほど重くなってきた。


これはディレーラーかシフトレバーの故障か? と思い
ある自転車店に駆け込んだ。
こだわりあるご主人がやってることで有名な店。
私は仕事柄、自分であらゆるバイクをメンテナンスできないといけないので、
基本的にはお店はパーツを買うだけの場である。
しかしこの店にお世話になってみたいと思っていたので
高価なパーツ交換が発生しそうな折りをみて、店に伺ったわけだ。


開口一番、ご主人はこう切り出す。
「まさかNOKONが軽い、なんて思ってたわけじゃないですよね?」

私は「うっ」と言葉に詰まる。
軽いと信じて買ったし、今の今までNOKONが原因とは思ってもいなかった。

「NOKONは引きが重いですよ。軽いなんてのは、まあ都市伝説ですね。
 そんな都市伝説を信じて買うヤツがバカなんですよ。
 モノの善し悪しは自分で判断しないと」

たしかにNOKONが重さの原因とは思いもよらず、
シフトレバーかディレーラーが原因と思い込んでいた。
でも、それを自分で判断できるようになるのは
こうした「失敗」をした後の話でしょう。


店主、さらに続ける。
「それに普段はこの店で買わないで、こうして知識だけをタダでもらいに来て
 うまい汁を吸おうっていうのはちょっとねえ…」


なんと狭量なことよ。
昔、ビックリマンチョコを他のお菓子と抱き合わせで売ってた駄菓子屋のケチさを思い出した。
私はとても残念だった。
この店には二度と来まい、と思って、丁寧にお店を辞した。


通いたい店を探すのも、骨なものだ。

いちばん美しい自転車。

2013年07月23日 01時09分09秒 | チャリダー★


電動ママチャリのおばあちゃん。
おばあちゃんにとってママチャリは大切な足で、
その大切さは「私にとってのロードバイクの大切さ」の比ではない。


海外に行くと、よく問われる。
「なぜわざわざ自転車で旅するのさ?」
自転車は生活の糧であり、仕事に欠かせない道具であり、足である。
それはたいてい、数十年の時を経て錆び付いて、
しかし丁寧に磨かれ大切にされて来た自転車。


スポーツとしての自転車はすばらしく美しい。
しかし、生活の足として乗っている人が、いちばん美しい。
そう思いながら、スポーツ自転車の番組を全力で作っています。

行けるのかトルコ!?

2013年07月19日 19時57分36秒 | 世界自転車探検部
情勢悪化していたトルコが落ち着いて来たので、
行けることになりそうです。
自転車探検部の10作目です。

期間は8月中旬から。
あらら、チェコから帰ったあの男の舞台と重なっちまってるわ…
どれだけ大きくなって帰って来たか、この目で確かめたかったのだけれど。
また東京さ来てけれ!



さて、トルコの話。
行くのはこの人!




山陽さんです。

ブータン、インドネシアに続いて3度目の旅ですね。




ブータンでは「ブータン人かと思った」と言われ。




インドネシアではどの村へ行っても大人気。

2つとも、番組としては最高の出来でした。
あんな番組2度とできない、と思うくらい。


山陽さんは、人を上や下から見ることがない。
人を肩書きで判断することがないのです。
これはなかなか出来ることではありませんね。
貧しい人を見て「かわいそう」と思うのは、上からの目線。
かわいそう、とも思わず、その人のあるがままを見る。
これは「持てる者」には決してできない思考でしょう。




今回もまた、観光地などまったく見当たらない方向に旅します。
(個人的にはカッパドキアに行きたかったのだけど…)
何があるのか、調べても何も出て来ません。
はてさて、どうなることやら…


と、その前に、明日からの別番組の東北ロケをがんばらなくちゃ☆

ロケ。

2013年07月18日 22時04分11秒 | チャリダー★


このお二人が分かる方は、
相当な自転車好きか、
「チャリダー★」のマニアかどちらかですね。
「日本一の坂バカ」森本誠師匠(右)と
同じプロチームで活躍している澤田賢匠さん(左)です。


このお二人と、とある坂バカの男が走るところを撮影しました。
もちろん私も自転車で追走。
澤田さんがジョカトーレを見て「めっちゃ金かかってるバイクだ…」とつぶやいてましたが、
やっぱり足に見合うバイクに乗らなあきまへんね。
もちろん仕事柄、あらゆるパーツのメンテナンスができないといけないので
現在のパーツ構成になったのですが。

もっと速くならないとね!!



↓てなわけで、スタッフとロケハン兼トレーニングの図。
 ロケハンなのでゆるめの格好でね★



読んでね「自転車人」。

2013年07月16日 23時24分06秒 | 世界自転車探検部


本日発売「自転車人」夏号。
青木崇高くんとのタンザニア旅の記事を
がっつりカラー4ページで載せていただきました!!


文章と写真は私です。
こういう文章は書き慣れないものですから、
アフリカでの旅の空気感を
お楽しみいただけると良いのですが…


もちろん立ち読みでも結構ですので、
ご覧頂けたら嬉しいです!
さらに買っていただいて、
巻末のハガキで面白かった記事を書いて投稿していただけたら
もっと嬉しいです!!
(また書かせてもらえるかも…?)



もちろん「面白くなかった」と書いていただいてもOKです。
ご意見お待ちしております☆


初ヤビツアタック。

2013年07月09日 21時37分09秒 | チャリダー★


自転車仲間、番組スタッフと
ヤビツ峠に行って来ました!

ヤビツ峠は神奈川県秦野市の北にある「自転車乗りの聖地」。
ここのタイムが知られると、その人の能力が一発でバレてしまうという
超有名な峠道なのです。
そのくせワタシは一度ぼんやり登ったことがあるだけで、
正式なタイムアタックは初めて。
ちょっと緊張いたしました。


スタートは麓のデイリーストアから。
距離10km、平均勾配6%は高速コース。
スタート直後はトップにくっついて順調に走り出しましたが、
登りがキツくなるところでまさかのチェーン落ち(初)。。30秒のロス。
これで焦って、ペースを上げてしまったのがいけませんでした。
後半はグダグダで、タイムは35分25秒。
速い人は26分で登るらしいです。
「チェーンさえ落ちなければ…」と思いがちですが、
それがなくてもタイムは変わらなかったでしょうね。


毎度のことながら、タイムは出なくても
滝のような汗をなでる山風の気持ちいいこと!
坂バカといえども、下りもきっちり楽しませて頂きましたとさ☆


むむ! 近いうちにもう一回リベンジするぞ!!



たずね人。。

2013年07月08日 23時07分01秒 | チャリダー★


ある駅のちかくに「伝説の人」がいると聞き、
やってきたのは〇〇駅(どこかはヒミツ)。
手元にある情報は
「〇〇駅から徒歩10分、〇〇区側に
 引退した今でも工房を持っている」
というものだけ。

地図を見れば、その条件に合うのは
目的の駅周辺の2キロ×500mほどの範囲。
しらみつぶしに探せば探し当てるかも!
と思って自転車でやって来たのだが…


住宅街をウロウロ走りながら、工房っぽい建物はすべてチェック。
しかし、当たりをつけた道をぜんぶ走っても見つからない。
昔から住んでいそうな人を見つけては、手当り次第に聞いてみる。





50年前からやっているという氷屋さん。
店内には町内の祭りの写真とか飾られていて、
これは町内に詳しそうだ! …と思ったのだが
「そんな人聞いたことねえなあ~」

………

かき氷を食べているうちに、大粒の雨が降り出した。
「去年まで100円でやってたけど、ついに値上げしたんだ」
原材料費の高騰をなげくご主人。
私も嘆く。たずね人が見つからないので。。





大雨に降られ、3時間かけて住宅街を15キロ走ったけど、
けっきょく伝説の人は見つからなかった。
100mおきに人に聞いたり、交番でも探してもらったけど、
ダメでした。


伝説の人よ、どこいった??


冬のこと。

2013年07月04日 01時50分45秒 | おしごと日記



私は「匂い」にとても敏感で、
人を匂いで識別しているふしがあります。
好きな匂いの人もあれば、苦手な匂いの人もいる。
匂いで人の性格を判断したりもします。

ひとの服からはその人の家の匂いがして、
これは家の造りや生活感が見て取れるので、けっこう楽しかったりします。
そうなると、香水などはもってのほかで、
その人の匂いが分からないだけでなく、
刺激が強すぎて一日クシャミが止まらなくなったりもします。
まったく迷惑な話なのです。



きょねんの冬の日。
いつものように深夜過ぎまで仕事して、寒い手をこすりながら帰宅したときのこと。


マンションの玄関をあけると、すさまじい匂いが鼻を突いた。
私の最も嫌いな匂い。
殺意が芽生える。雑巾の生乾きの匂いか、生ゴミの匂いか?



視線の端に異物をとらえる。
集合ポスト前のスペースに、ひとかたまりの布が丸まっていた。
ぼろぼろでシミだらけの布。
それは、人だった。
私は反射的に叫んだ。
「何をしてるんだよ、出て行け!」


ぼろ布をまとったおじさんが、はっと顔を上げ力なく出て行くのを見送った。
小さな小さな後ろ姿が、匂いを引き連れて出て行った。


部屋に帰ったころ、私は
取り返しのつかないことをした思いに駆られはじめた。
せめてあと2時間、日が昇るまで、
管理員が来て追い出されるまでの時間、
寒さから身を守らせてあげるべきだったのではないか。
マンションの入り口に避難するとは、よほど思い切らないと出来ないことだろう。
最後の逃げ場からも追い出されたのだ。
それも、私によって!

………


あれから毎日、マンションの玄関を開けるたびに、
あのときのおじさんの小さな背中を思い出す。
あの厳寒の日の、すさまじい匂いとともに。