富士山国際ヒルクライム、ゴール地点。
イノッチと私、ほぼ同時ゴールという写真。
天候は最悪だったのに、結果から言えば、2人とも自己ベスト更新した。
きょうは、そんなレースのお話。
去年の富士国際は、過去最高体重(63kg)で臨んだ結果
体調が良かったにもかかわらずタイムは過去最悪(1時間4分)。
なので、今年は2ヶ月前から身体を絞り、
1週間前にはなんとか59kgにたどり着く。
(生活が不規則なのでダイエットは大変なのです)
そしていよいよ前日、というところで、
なんと発熱。
ここに来て、風邪をひいてしまった。
歩くのがやっとな状態でも、一応レースの準備を進める。
剛性を犠牲にしない軽量化をする。
リムテープをベロプラグに(マイナス20g)。
タイヤをコンチネンタルのスーパーソニックに(マイナス100g)。
下ハンを持つことはないので、バーテープをひっぺがす(マイナス50g)。
ボトルゲージを1つはずす(マイナス20g)。
スプロケットを32Tに。
シートポストをセットバックなしのax lightnessに(マイナス50g)。
サドルはめいっぱい前方へ。
それに伴い、ステムは110mmに換装(プラス10g)。
車重は最終的に6.9kg。
剛性重視なのと、GOKISOをはいてるからしょうがない。
奇跡が起こり、体調が良くなることを願い、2時間の睡眠。
5時半。富士山のふもと着。
予報通り雨。気温低い。
頭痛とめまいがする上に、冷えで
お腹までグルグルし出した。コリャあかん。
なんとか完走をめざし、スタートラインに並ぶ。
全長11.4km、平均勾配10%に
4度目の挑戦。
ベストタイムは1時間2分後半。
まずは1時間を切りたい、と思い続けて3年。
体調、天候、ともにベストには遠い感じで暗雲。
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(↑50分ちょっとで走った剛脚圭太郎。2位でしょんぼりしてた)
仕事の都合で、どうしても月間300kmしか走れなかったのが、
引っ越したおかげで通勤距離が伸びて、
月間500kmぐらい走れるようになった。
なんか今年こそは1時間を切れる気がしていたのに。
緊張感なく、ヌルリとスタートをきった。
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(↑54分で3位に入ったマサオくん。あだ名は「陛下」)
前半3kmの直線急勾配区間。
カゼの影響か、心拍が限界に達するのが早い。
これは抑え気味に行かざるを得ない。
通過に14分。
1時間切れるかギリギリな感じだ。
5,8kmの馬返し地点。
まだ抑え気味に走ってる。
心拍がなかなか落ち着かない。
26分。1時間を切るのは難しそうだ。
ここから8.2km地点までの激坂区間は
ガマン大会。
めまいがするのを、ひたすらこらえる。
霧雨のおかげで、熱が抑えられているようだ。
10km地点。ゴールまであと1kmちょっと。
気温が下がり、身体が回復して来た。
しかし、このペースでは、試走と同じく1時間5分ぐらいだろう。
仕方ない、天候も体調も悪かったのだ……。
そう言い訳し始めたところに、
荒い息が聞こえて来た。
振り返ると、イノッチだ。
3分後にスタートしたイノッチが、ここで追いついて来た!
「イノッチ、1時間切れるぞ!」
「おう!」
良い感じで走るイノッチに追い抜かれる。
見送る。
イノッチの背中が2m、3mと離れて行く。
いや。
ここでついて行かなくては、私はダメになってしまう気がした。
心のスイッチを入れる。
イノッチの背中に張り付く。
一気に心拍数が上がり、息が乱れた。
キツい。
この男は、ここまで追い込んで走っているのか。
よだれを拭う余力がない。
残り500m。
意外と足が残っている!
もう少し付いて行けそうだ。
残り200m。
イノッチが最終コーナーに備えてか、
ペースを緩めた。
私はここでスパートをかける!
せめてイノッチの心をへし折って、
先にゴールしたい!
ゴールの標高2000m地点。
勾配14%の最終コーナーをガン漕ぎしながら、
チラッと後ろを確認する。
猪野学の気配は5mほど後ろか。
と思ったら、猪野学が叫び声とともに追いついて来た!
私も、叫び返す。
フルもがき!
けっきょく私はハナ差で負けたし、
そもそも3分の差をつけられている。
でも、私:1時間1分ちょっと。
イノッチ:58分ちょっと。
2人とも自己ベスト。
1時間切りは、来年に持ち越し。
でも、あそこで諦めていたら、
自己ベストですらなく、言い訳だけのレースになっていた。
あそこでイノッチが追いついて来て、
それにしがみついた。
ああ、諦めないで良かった。
そして何より、楽しかった。
もちろん、きょうは頭痛と筋肉痛(とくに内転筋)で
仕事に行きたくなくなっちゃったけどね…☆