自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

12月3日。

2016年11月29日 04時50分54秒 | チャリダー★



長く、長くかかった編集が、ようやく終わりそうです!
撮影した「ツールド東北」が、今週末に放送されます。


12月3日(土)夕方6時〜(50分拡大版)
「チャリダー★ ツールド東北特集」


長時間労働とか、
時間外に働くヤツは無能だとか、
まったくおっしゃる通りだと思います。
しかし私に関して、言えることはひとつだけ。


「時間をかけるしか、良いものを作る方法がない」


無能を時間で補っているのです。
ひたすら寝ないで、何十時間もかけて考え抜かないと
人並み以下のものしか作れないのです。

今回はとくに必死でした。
果たして、これだけ編集に時間をかけて、
人並みのものになったのかしら?
宮城のみなさんは喜んでくれるかしら?


力作ではあります。
ご覧いただけると嬉しいです!





土井ちゃん練。

2016年11月21日 11時08分47秒 | 自転車



元全日本チャンピオンの土井雪広選手(土井ちゃん)が
練習に誘ってくれた。


前から誘っていただいてたのだけれど、
なかなか行く勇気がなかった。
だってプロの練習の足を引っ張ってはいけないでしょ。

しかし今回は「オフトレだから飛ばしません」というので
イノッチとドキドキしながら行ってきました!






待ち合わせは相模原の津久井にあるゼブラカフェ。
土井ちゃんの行きつけかと思いきや、3人とも初めて。
12時に待ち合わせして、土井ちゃんにいろいろ話を聞いていたら
2時間も経ってしまった。


大学時代から相模原周辺でトレーニングしてきたという土井ちゃん。
このへんの道はかなり詳しい。
路地から山道へ、そしてまた路地へ。
まったく現在地がわからない。
土井ちゃんのフォームをひたすら観察しながら走る。
我々に合わせて250wぐらいで走り、
そしてたまに坂道で400wぐらいまで上げてくる。
適度に苦しくて気持ち良い。
さすが全日本チャンプ、人の能力を見定めて
バッチリ合わせてくる。






土井ちゃんがプロになろうと決意したという「だんごの丘」。
なぜかここでだんごを食べながら決意したんだって。
そして将来への夢。
いろんな話を聞いて、我々も番組をどうしていきたいか
考えさせられたライドでした。



ゆるっと走って120km。
ワタクシ的には久々の100kmオーバーでした。
もちろんライド後は編集室へ直行。
編集しながらお尻と体幹の筋肉痛を確認…
ようやくケツ筋が使えるようになってきた兆候かな☆

耳の話。

2016年11月17日 14時14分13秒 | チャリダー★



先日、「耳マニア」という人に出会った。


会うなり「ちょっと耳を触らせてください」と
私の耳をフニフニと触られた。
そして「うわ〜赤ちゃんみたいに柔らかいですね。これは相当いいですよ」と
たいそうお誉めいただいた。


耳マニアによれば、耳は緊張のバロメーター。
物事を柔軟に受け止められる人ほど
緊張が少なく、柔らかいのだという。
最高レベルは赤ちゃんの柔らかさだそうだ。



耳なんて触ることないので、
それ以来、私も人に会うたびに耳に触らせてもらっている。
…わかるのは、みんな硬い、ということぐらい。
確かにフニャフニャなほど柔らかい人はほとんどいないし、
こいつは頑固だ、という人の耳はとりわけ硬かった。
まだ10人ほどしか触ってないのでよくわからない。



ちなみに、耳マニアによれば、
人の話をよく聞く人ほど
耳が前を向いているのだとか。
耳がペッタリ寝ていて硬い人には
要注意だそうだ。



ウソのような、本当のような。
とりあえずみなさんも、自分と周りの人の耳を触ってみてください。
事の真偽は別として、けっこう楽しいスキンシップになりますよ☆

2週連続・乗鞍スペシャル!

2016年11月11日 13時04分22秒 | チャリダー★



編集してたら、
世界で走ってる新城幸也選手と
元全日本チャンプの土井ちゃんが
飲みに誘ってくれたので、
イノッチと一緒に参加してきました!


レース中、こんな時はどんなことを考えてるのか?
エースを勝たせるために、どんな戦法があるのか?
いろんな話を聞かせてもらった。
いや〜、すごいです、この方たちは。
聞けば聞くほど「口あんぐり」しちゃうぐらい、すごいです。
いずれ番組で、何かのかたちで
この人たちの凄さを見てもらいたいぞ!



さて、今週、来週のチャリダー★は
「乗鞍スペシャル」!
そう、あのカメラ片手に出演者と乗鞍岳をのぼったやつですね。

これは、2本とも面白いです。
ぜひご覧いただきたい!


11月12日(土)夜6時からは
イノッチと坂バカ女子部の乗鞍へのチャレンジを。

11月19日(土)夕方4時からは
森本師匠たちチャンピオンクラスの「超人たち」の
すんげえレースの様子を。


見てください!






島根に行ってきました。

2016年11月07日 00時52分08秒 | チャリダー★



島根に行ってきました。
ジュニア(18歳以下)の全日本選手権の撮影でございます。

レースの撮影、といっても、
私の目的はその場にいる「ある人物」。
基本的にはインタビュー中心なので、私ひとりでEOS片手にリュックひとつのロケです。




飛行機の窓から見える浜辺の集落。
美しい。
あの集落に行ってみたいなあ、と思いながら
石見空港に降り立つ。
益田に着いたのは夕方6時。
街を歩いていると、気になる店を発見。





陶器の店だ。
窓からのぞくと、好みの感じ。入ってみる。
萩焼の陶芸家の店だった。
奥様が迎えてくれた。





聞けば、陶芸家は御年80歳だという。
中学生の時、陶器を見て一目惚れし、陶芸家の道を志したそうだ。

土へのこだわり、釉薬へのこだわり。
いろいろ聞いていたら、買いたくなった。
陶器を包む布は鬱金で染めたものを使い、
共箱を結ぶ紐は真田紐。
陶芸家はただでさえ暮らせない職業になってしまったのに、
これだけこだわり続けるのは大変だろう。
素敵な出会いだった。
どうかお元気で。






小さな街で全日本選手権が行われるとあって、
宿は2ヶ月前には満員だった。
仕方ないので、暇そうな民宿を予約。
しかしここもギリギリ最後の一部屋だったようだ。
1泊4500円。
思ったより良かった。
民宿「玄海」。
部屋で仕事をしていたら、2時を過ぎていた。
慌てて風呂に入ったら、お湯の電源が落とされていて
水しか出なかった。
カンボジアのホテルを思い出した。





次の日。
目的の人物が到着するのは昼の予定だという。
朝6時に出発し、コースや会場の下見の前に
飛行機から見た集落を下見しておく。
自転車を持ってきていないのが残念だ。





波の音と、鳥の声。
それ以外の音がなんにもない。
もちろん店もない。
なんて素敵なところなんだろう。
ここにはたっぷりとした「時間」がある。





出会った漁師チャリダーが
「死に損ないばかりの村だよ」
と、カラカラと笑った。





河口というのは、たいてい濁っているものだけれど、
ここの川は違う。
人がいないというのは、こういうことか。




ロケの基本は、その土地の「実景」を撮ることから始まる。
「益田」が分かる広い画を撮りに、益田市街へ戻る。
うろうろしてたら、鉄橋に線路を発見。
今回の「実景」はこれにしよう。





電車を待つ。
…来ない。
むむ、と思って時刻表を調べると、電車が来るのは30分後。
そのあとは2時間後までない。一発勝負だ。
他の台本を書きながら電車を待つ。
電車は2両編成、猛スピードで走り去っていった。
もっとゆっくり走ってほしかった。





出会った益田の人たちはみんな
「ここは何にもない田舎でしょ」と言うけれど、
これほど画になる土地はそうそうありませんよ。






ロードレースのルートを下見して、いよいよ会場入り。
ジュニアとはいえ、これは全日本選手権。
これまで取材してきたアマチュアレースとは格が違う。
緊張しながら、主催のJCF(日本自転車競技連盟)の方にご挨拶。
すると、驚きの一言が。


「MOTOを1台ご用意できるのですが、乗りますか?」


わお!
これは大変なことになった!

MOTOというのは、オートバイのこと。
(ちなみにバイク、というと自転車のことになる)
レースを撮影する際、コース内を走れるのは
主催者が許可した「審判車両」だけ。
その数台のMOTOに、写真カメラマン、審判、主催者側のムービーカメラマンなどが乗るため、
我々のような「外様」が乗る余地は普通はないのです。


それが、今回はあるという。


番組的には、乗らなくても番組になるように考えてきたので
乗る必要はない。
でも、乗ったら番組に新たな展開が生まれるかもしれない。
何よりも、個人的にはこんな面白い経験をしないのはもったいない!


問題は2つ。

レースは撮れないと思って来たので、
「手ぶれに強いカメラ」を持ってきていないこと。
(EOSはピントや絞りなどすべてマニュアル操作なので
 MOTOから撮るのは超高難易度)

そして、ヘルメットを持ってきていないこと。


まごまごしていたら、たまたま側にいた知人が
「ヘルメット貸してあげようか?」と。


YES!
乗ります!
撮影の大変さは根性で乗り切る!
編集が変わることは、責任もって何とかする!







レースが始まった。
スタートを撮影し、MOTOに飛び乗る。
グアアアン、と加速し、選手たちを追う。
後ろに振り落とされそうになる。
これがロードレースのMOTOか。
スピードが出ないヒルクライムの撮影とは大違いだ。





ジュニアとはいえ、日本一を決める大会。
10%近い上りでも25km/hで走る。
そして下りは90km/h!
しょええええ〜!
撮影してるとカーブの向こうにすっ飛んで行きそうだ。
そのままMOTOがカーブで斜めになるのが最も恐ろしい。
落ちたらバラバラのミンチだな。


さらに大変なのが、
公式戦なので選手の近くを走れないのだ。
近くを走ると空力を助けることになってしまうので、
20m以内には近づけないという。
私の持って来ているレンズは24-105mm。
20mも離れたら、選手は点にしか写らない。
なんとかレギュレーションギリギリで、
選手たちの前後を上がったり下がったりしながら、横打ちを狙う。


すげえ迫力だ。





益田市の「種」という地区は
人口が300人だという。
そこに300人の選手たちが集まり、
轟音を立てて走っている。
子供たちが、我々にも全力で応援をしてくれる。
なんて美しいんだろう。






結局、無理だと思って出した要望をすべて叶えてもらい、
ニュートラルカー(選手たちの後ろを走る車)にも乗せてもらえた。
「レースの撮影経験はおありですか?」と聞かれた時に
「ジロデイタリアでチームカーでの撮影をしました」と答えられたのが良かったのだと思う。
行っといて良かった…。



レースを終えて、JCFの偉い人に
「来年、エリートのロードレースを撮らせてもらえませんか?」
と聞いたら、大丈夫だよ、と。
おお!
全日本選手権の男子エリートのレースを
番組で取材できるかもしれない!


経験が、新たな経験につながっていく。
うーん、楽しい。


よし、企画書くぞ!
今月19日放送の「乗鞍チャンピオンクラス」みたいな番組を
全日本選手権でやりたいのです。

とそのまえに、いろんな編集が待ってる編集室へ
羽田から直行するんですけどね…★

ひみつの夜練。

2016年11月04日 22時19分49秒 | 自転車
Facebookの自転車仲間たちが、
こんなやりとりをしていた。

「今晩ネズミ周回してくれる人いる?」
「23時半からなら行けるよ」
「OK。俺たちだけかな。よろしくねー」


そのとき私は編集室にいた。
時計を見ると、23時。
まだまだ編集は終わる見込みはない。
私を見張るADくんたちは居ない。
…久々に人と走るチャンスではないか!


そのまま友人たちの会話に割り込んで
「おれも行く!」
と言うのもつまらない。
ここはいっちょ、突然現れて、
やつらのトレインに加わってやろうではないか!


いそいそとジャージに着替え、
(ジャージは会社に常備している)
ボトルに水をたっぷり入れる。
…待てよ。
「ネズミ周回」って、どこだ?



首都圏のチャリダーたちが行く「周回コース」を思い出す。
奥多摩周回。
小山田周回。
皇居周回。
大井埠頭周回。
ディズニーランド周回。


これだ。
ディズニーといえばネズミ。
私は進路を東にとった。



表参道からディズニーランドへは、
思いのほか自転車では行きにくいんだなあ。
でっかい川を何本も渡らなくてはいけない。
橋を探すのに苦労して、到着は23時50分。


ディズニーランドの看板の前に、チャリダー3人の姿を発見する。
残念、まだ練習は始まっていなかった。
でも、突然スイーッと現れた私に、
全員が「誰?」という反応をした。
私だと認識するまでの10秒は、楽しかった。



ディズニーランドを周回する道路で、4人で全力走。
甘く見ていた。
スタート後、速攻で千切られる。
280wで踏んでいたのを、350wに上げる。
まったく追いつかない…。
ここで千切れたら、二度と追いつけない!
500wまで上げる。
徐々に追いつき、スタートから600m地点で
ようやくケツに張り付く。


私はこの周回コースを知らない。
まず1周はこのままツキ位置で。
3人の後ろに張り付けば、なんとか290wで付いていける。

…と思ったら!
1キロ地点から、アタック合戦を始めやがった。
誰からともなくアタックがかかり、ほかの2人が反応する。
やばい、これで千切られたら、延々と1人旅になっちまう。
慌てて反応する。
800w。
3倍界王拳だ。長くは持たない。
なんとか一発目のアタック合戦をこらえた。
ツキ位置で息を整える。
すると、またもやアタック合戦が勃発。
今度はすぐさま反応する。
もう、ケツに張り付きっぱなし。
「WHEELSUCKER」という単語が頭の右側あたりにへばりつく。
へばりつき野郎、と言われたって、
へばりつく以外にやりようがないんだよ!


2周目に突入。
やばい、もう脚がない。
このまま「へばりつき野郎」で終わるのも癪なので、
アタックしてやった。
550wしか出なかったけど、
まさか「終わってる」ハズの私がアタックするとは思わなかったみたいで
みんなの反応が遅れた。
へへ、してやったり。
でも脚は完全に終わった。



なんとかへばりつき、3周目。
一発目のアタックで千切れた。もうダメだ。
踏んでも踏んでも追いつかない。
淡々と踏めば270wは出るハズだ。
焦らず、淡々と270wで踏む。
すると、前方にもう一人千切れた人が。

がんばって彼に追いすがり、ケツに張り付く。
すると、スッ、と彼はスピードを上げた。
…そうか、彼は千切れたのではなかった。
私を引いて、先頭の2人に追いつかせるために
降りてきてくれたのだ。


彼の絶妙な引っ張りのおかげで、先頭の2人に追いつかせてもらう。
彼は私がジョインしたのを確認すると、
何も言わず先頭に出て行った。
涙が出そうだった。



あまりにキツすぎたし、
後半は雨が降ってきたので、
写真は1枚も撮れなかった。
よって、今回は写真がありません。
でも、久々に楽しい練習をさせてもらった。
へばりつき野郎だけど、またお邪魔させてもらうね。



ちなみに、次の日の筋肉痛は
脚よりも体幹部のほうがヒドかった。
そして、この日から4日間、脚の疲れは取れませんでした…★