自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

乗鞍本番レポート。

2017年08月28日 02時07分47秒 | 自転車



ついにやってきました。
マウンテンサイクリングin乗鞍。
名前は「サイクリング」なのに、
日本一のヒルクライマー決定戦です。

距離20.5km
平均勾配6.1%
標高差1260mを登ります。


コースを走ったのは、これまで2回。
一昨年、ロケ時に暴風雨の中を。
昨年、坂バカ女子部の撮影で。
2回とも全力ではなかったので
しっかりタイムを計るのは今回が初。


今年も撮影のために来てますが、
本番中はやることがないので一般人として参加です。
もちろん普通にエントリーして参加費9000円払ってますので
「報道」じゃないゼッケンを付けてます★





目標は1時間10分!
ステムに各チェックポイント通過目標タイムを貼り付けます。
コースについての知識がほとんどないので、
こうすることでペースを考えようという作戦。

去年のイノッチが1時間16分ですから
このタイムは私にとってかなり高めの設定です。
去年撮影しながら走ったときは、
私は1時間20分を切れれば御の字、という感じがした。
それをどこまで上げられたか?





体重は、ウェア着用して57kg。
1週間前にカゼひいた割には増えずに済んだ。
ちょっと喉がガラつくけど、前日にコースの一部を試走した感じでは
体調は悪くなさそう。
コンディションをレースに合わせるのって、
こんなに大変なんですね。
今回、いろいろと分かりました。



ちなみにウェアはワンピース(ポケットなし)。
今日使わないと、また1年ぐらい使うことないので。
会場で会った自転車仲間からは「朝比奈ちゃん」と呼ばれました。
そりゃそうだ、彼女が着てるジャージは
これと一緒にアメリカから取り寄せたんですから。






会場の駐車場は、車中泊組の車でビッシリ。
なんてこった。
レース前日に車中泊なんて無理だ。
この人たちはどこまで猛者なんだ…
そんなことでビビりながら、スタートを迎える。


アップはローラーで軽く20分だけ。
私は通勤チャリダーでロングライドをほとんどできないので、
スタミナがないためです。

先にチャンピオンクラスでスタートするイノッチを見送る。
「頂上で会おう!」と。
そしていよいよ私もスタートラインへ。
思いのほか緊張はなし。
というより、かなり心はまったりしている。
まあここでジタバタしても仕方ない。



私は男子Cクラス(31歳〜40歳)。
700人弱の出走者のうち
最初の組でスタート!


一番気をつけるのは「オールアウト」にだけはならないこと。
一度でも自分のキャパをオーバーしてしまうと
絶対に復活できない。
数字でいうと、
300Wを超えないように走る。
250W以上で長く漕ぎ続けない。
逆に200W以下にならないようにもする。
これさえ守れば1時間10分で行けるぞと、自分を信じる。


スタートと同時に、数人が飛び出した。
すかさず後ろにつく。
乗鞍は前半に緩斜面が多いという。
できるだけ集団で走って、風の抵抗を少なく走っておきたい。
サイコンを見る。290W。
いかんいかん、スタート直後は軽くこれぐらい出てしまうけど、
気付いた時には手遅れになる。
その6人ほどの先頭集団を見送り、240Wほどに切り替えて淡々と行く。


すると、ちょっと勾配がキツくなったところで
後ろから第2集団がやってきた。
すかさずトレインに入る。
260W。
100mほど前に平坦路が見えるので、
これは少し無理してでも付いて行って、
平坦路でドラフティング(風よけ)効果を期待したい。
なんとかこらえて、平坦路に突入。


すると!


なんと、突然ペダリングが楽になった。
サイコンを見ると180W。
ドラフティングの効果が現れたのか…
と思ったが、ちょっと待て。
これは明らかにトレインのパワーがダウンしてるぞ。
ひょっとして、みなさん休んでいらっしゃる?


しばらく様子を見ていると、
ふたたび激坂に突入。
すると!
パワーがどんどん上がり出す。
付いていくには270Wは出さなくてはいけない。


……なるほど、そういうことか。
みなさん、坂バカなのだ。
勾配がキツくなるとテンションが上がって
パワーもアゲアゲになる。
そして勾配が緩くなると休む。
坂バカとしては素晴らしい素質だが、
これは結局インターバルトレーニングになってしまっている。
効率としては最低だ。


私は次の平坦路で230Wをキープして
パワーダウンしたトレインから抜け出した。
トレインを組んで行きたいけど、これは仕方ない。
一人旅で淡々と走る。


私は一定パワーで走っていても、
激坂区間に入ると、彼らが追い抜いていき、
平坦区間では私が抜け出す。
なんと無駄な走り方なんだ。
力が同じぐらいの人たちがいるのに、うまく協力体制を作れない。



CP1(7km地点・三本滝)…19分50秒(目標19分20秒)。
CP2(15km地点・位ヶ原山荘)…51分30秒(目標50分)。


気がつけば、激坂でパワー上げてた人たちは
はるか後ろにいなくなっていた。
しかしそれでも、目標タイムからは遅れている。

しかも、森林限界を超えたあたりで
体に違和感が。
まず、頭がぼーっとする。
そして脚が異様に攣りそうになる。
酸素が薄いのだ。
ペルーのアンデス山脈で高山病になったときの
前日の症状によく似ている…。







パワーを見ると、185〜195Wほどしか出ていない。
すでに標高は2000mを超えているはず。
これが高地というやつか。


残り2キロ。
時計は1時間3分。
もはや1時間10分は絶望的だが、最後にがんばって上げてみる。
220〜230W。
ゴールまで持つか!?



残り1キロ。
なんと! ここで先にスタートした選手たちの
下山が始まりやがった!
狭い道の半分が下山のために割かれてしまう。
つまり、追い抜くスペースがほとんどなくなっている。
抜きたいのに、抜けない。
なんとか隙間を縫って数人をかわしてゴール!




1時間13分13秒。
目標には届きませんでしたが、
15分を切れたのでまずまずでしょう。
それに、イノッチの去年の記録より3分速かったのは
ちょっと嬉しいかも。


平均パワー 221W
NP     223W

ほぼ一定ペースで走れてはいるようです。




ゴール後、先にゴールした56さんとイノッチが迎えてくれた。
2人のレースは、かなり珍道中が展開されたそうです。
そのへんは、放送をぜひお楽しみに。





下馬評では森本師匠の4連覇は赤信号、
という感じでしたが、
蓋を開ければ見事な優勝。
55分13秒だそうで。
今回も路線バスと同じスピードで走った森本師匠、
さすがです!


というわけで、乗鞍が終わりました。
来年の目標は、1時間5分です。
そこを狙えるぐらい、鍛えたいと思います。
さあ、その前に。
明日から中国ロケ!


行ってきます!




おわった…

2017年08月26日 19時12分21秒 | チャリダー★



たった今。

「チャリダー」全日本選手権特集が完成しました!



終わらない仕事はない。
そう言い聞かせて、2ヶ月の編集を突っ走ってきました。
そして、久々の開放感!
ああ、よくやったと自分を褒めたくなるのは
初めてかも!?



「スポーツイノベーション」で出し尽くした感があったので
どうなることかと心配しましたが、
出来上がってみれば杞憂でした。
かなり良くできました。
きっと
スポーツイノベーションをご覧いただいた方にも
全日本を走った選手のみなさんにも
楽しんでいただけると思います。




一本にはとても入りきらないので
2週連続・前後編で!

「チャリダー★」全日本選手権特集
前編 9月16日(土)午後6時〜
後編   23日(土)午後6時〜
   
@NHK BS1


ちょっと先ですが、ぜひ見てくださいね。
ちなみに組み立てたレゴブロックは……
後編に登場します!
そのへんの話は、また後日★



さあ、乗鞍に向けてひたすら睡眠回復しますよ!




ショック!

2017年08月21日 15時23分16秒 | 自転車
風邪をひいてしまいました。


全日本の仕上げでかなり体力を失ったようです。






鼻水を垂らしながら、
なぜかレゴブロックを組み立ててます。
もちろん番組のためです。

どう使うのか?
そして無事に使われるのか?
放送をお楽しみに。



日曜日は、外を走って
最後の仕上げをするつもりでしたが、
まる1日寝込んでしまった。
夜中に予定していた撮影も延期。

あかん。
乗鞍1週間前からは、徹夜したくなかったのになあ。



せめて明日ぐらいから、自転車にまたがれますように…

悩み。

2017年08月16日 12時14分54秒 | チャリダー★
「チャリダー★」でも放送する全日本選手権。
ただいま編集真っ最中。
スポーツイノベーションと同じような作りにはできないので、
かなり迷っています。


同じレースですからね。
どうしても同じシーンを使うことになる。
でも、まったく別なレースを見ている気分になるぐらい
中身を変えたい。


かといって、つまらなくなってもいけない。


難しいけど、
どこまで自転車レースを面白く見ることができるか。
もうちょっと迷うことになりそうです。
今月末に完成、次の日に乗鞍、終わったら中国ロケ。
そのへんの話はまた後日。





ちょっと話は変わるのですが、
自転車で一緒に走ると、とても心が通いやすくなる気がします。

なので、できるだけ出演者とは
一緒に走るようにしているのですが、
今回はちょっと事情が違った。

だって、今回の取材相手は
全日本の優勝を狙える人ばかり。
そう簡単に一緒に走れる訳がない。
でもね、走りましたよ。
「そのうち千切れていなくなりますよ!」という
絶対条件つきで。




西薗さん(全日本TT王者)とは、鹿児島でご一緒させてもらった。

西薗さん、背中の虫ちゃんにまったく気がつかず、
けっきょく100km先まで連れて行っていた。
ほっこりします。

前半50kmは、後ろのツキイチの私が200Wぐらいだったので、
西薗さんはたぶん250Wほど。
いろいろ話しながら走ります。
主にトレーニングとかデータとかの話。


しかし。
「あそこの看板がスタートです。ゴールは頂上。14kmぐらいですかね」
ここが目的の坂らしい。
看板を通過し、一気にパワーが上がる。





300Wで延々と漕ぎ続ける。
それでも1kmに4分かかっているので、おそらく勾配は10%近い。
ぬおおおおお!もうダメだ!
「西薗さん、私もうダメ! このまま東京帰りますので、また連絡します〜!」
悲鳴のように叫ぶワタシ。
5分しか持たなかった。

「ほ〜い」

西薗さんは返事をして、スルスルと坂のかなたへ消えていった。
まったく息が乱れてなかった。



一度オールアウトになっちゃったので、
しばらく回復して、なんとか200Wぐらいで走る。
ゴールは「TOUGE」の撮影で来たえびの高原。
5年経って、今度は自転車で上ってきた。






自転車は、面白い。
人力だから。
人と人が、裸に近い心でいられるから。
そんな気分も、番組から香ってきたらいいなあ。



復調?

2017年08月14日 22時47分10秒 | 自転車



栃木に用があったついでに、ちょっと足を伸ばして古峯神社の坂に行ってきました。

乗鞍対策に70分以上一定強度で走り続けたいのですが、
ノンストップで70分も走れる道なんて
都内には無いのです。


ここは栃木のプロたち御用達の峠だそうで。
麓から、古峯神社を過ぎてさらに奥、
足尾との境にある峠まで35kmほどノンストップで走ることができます。



35kmで、まさにピッタリ70分。
平均パワーは…219W。。。
こりゃダメだ。
まだ体調が戻っていないのか。
それとも70分走り続けることに体が慣れてないためか。
たぶんその両方。


とりあえず、はやる心を抑えて、
2日間ノーペダリング・デーをつくって休養。


さすがに2日も休むと
体調が戻る。
通勤だけとはいえ、やっぱり自転車に軽く乗るだけで
体力は消耗しているのだろう。
休んでよかった。






さて、ちょっと元気を取り戻した体をひっさげて、
盆の法事に顔を出したついでに
1時間だけトレーニング。
(親戚一同笑顔で見送ってくれた…)


ちょうど14km、20分ちょっとの平坦コースがあるので、
20分アップ、20分全力、20分クールダウンで1時間。


20分の平均パワーの95%が
FTP(1時間の平均最大出力)だそうです。
最近の体調からすると、
20分240W → FTP228W
ぐらいが出れば御の字!
これでちょうど体重の4倍、乗鞍で1時間15分前後。


走り出し、平均パワーは270Wぐらいで推移する。
まだ余裕だが、騙されてはいけない。
いつもこのまま行って、後半ダレて220Wぐらいになってしまうのだ。
我慢して250Wまで下げる。


5kmすぎ。
平均パワーは252Wをキープ。
これを超えるとダメな気配ですが、
なんとかこのままキープできるかも?
と思い始める。
20分で250W出せれば、
FTPは237Wになります。


そして、14km地点。
タイムは21分50秒。
平均パワーは……
256W!
おお〜、予想外。


FTPは243Wとなるので、
体重の4.26倍。
乗鞍1時間10分を狙えるんでないの???



いやいや。
本番は絶対、平均200Wぐらいになっちゃうんですよ、きっと。
空気は薄いし、周りの人たちは強そうに見えて気圧されるし。
…とりあえず今から10日間でやることは、
体調管理オンリーですな。

乗鞍まで2週間。

2017年08月12日 19時07分32秒 | 自転車



乗鞍まであと2週間となった。


体重は57kg。
あと1kg減、と行きたいところだが、
レース直前での減量は危険だ。
おそらくこれをキープして乗り込むことになるだろう。


春の時点での目標は、1時間10分だった。
5月に乗り込んだ時、ガンガン能力が上がっていったので
これは行ける! と思ったのだが……
全日本ロケ後の発熱と、編集の徹夜続きで、
けっきょく通勤合わせて7月は300kmしか乗れなかった。

体重はなんとか維持して7kg絞った状態をキープ。
FTPは230Wぐらい。
パワーウエイトレシオはちょうど4倍なので、
乗鞍だと1時間15分前後となる。
1時間10分で上るには4.3倍必要。
これは今から抜群に体調を回復しないと難しい。





まったく外を走れないので、
ZWIFTを始めた。
「スポーツイノベーション」のスタジオに登場した
ローラーと画面は、私のです。
登録名をパックンに変更して使いました。


コースに合わせてローラーの重さが変化したり、
世界中のライダーと走れるのはけっこう刺激的。
飽き性の私でも、1時間ぐらいは飽きずに漕げる。
漕ぐ時間がいつも深夜なので、
周りはほとんど外国人だらけ。


ZWIFTにはトレーニングメニューがたくさんあって、
「アップ10分、250Wで5分、その後200Wを2分、また250Wで5分…」
みたいなトレーニングができるのだが、
このトレーニングメニューを選択した途端に、
ローラーの重さが異常に重くなるのだ。
勾配0%なのにインナーローでも重すぎて回らなかったり。
いったい何が原因なのか…勾配が連動するローラーをお使いの方、
ぜひ状況を教えてください。
私だけがこうなってるとしたら、スタジオにローラーを運んだ時に
故障したのかもしれない。
ちなみにトレーニングメニューを選ばず、フリーで走る分には
この症状は見られません。



そんなこんなで、あと2週間。
きょうは体調復活のためにノーペダリング。
明日は少し回復してくれることを祈りつつ…★

全日本選手権 第一弾。

2017年08月04日 18時23分16秒 | おしごと日記



夢だった全日本選手権の番組化。
ようやく第一弾が仕上がりました!



「スポーツイノベーション」
8月6日(日)夜9時〜9時50分 @NHK BS1




今回、3つのチームから
選手たちの「命」ともいえる走行データを提供いただきました。
ブリジストンアンカー。
マトリックスパワータグ。
NIPPO-Vini Fantini。

「スポーツイノベーション」では、その選手たちのパワーなどのデータから
全日本選手権での「駆け引き」を紐解きます。
選手たちの「心理」を聞いたインタビューも見ものですよ。

ロードレースを知らない方にも楽しんでいただけるようにしました。
ご覧頂いた感想、ご意見をいただけたら嬉しいです。



ちなみに、9月には「チャリダー」でも全日本を特集します。
2週連続です。
そちらは選手たちの人間ドラマの面から描こうと思っていますので、
また別の作品になると思います。


さあ、今からチャリダーの編集に入ります★

1900W。

2017年08月01日 00時49分17秒 | チャリダー★


見よ、この脚!

自転車トラック競技の全日本選手権で優勝された
早坂秀悟選手の脚でございます。


早坂選手のパワーは、なんと最高1900W(!)だそうで…。
スプリントすると、風を切る音がすごすぎて、
本気で恐ろしかった。


アタシの脚なんて、爪楊枝ぐらいな感じですよ、
この脚と並べたら。






ワタクシ、人生で初めて競輪選手と触れ合いましたが、
みなさん本当に素敵でした。
やはり、才能がなくては入れない競輪学校で、
さらにふるいにかけられた一握りの天才だけが生き残れる世界。
その努力たるや半端なものではない。
自分の苦労も知っていれば、他人の苦しみも知っている。

一番驚いたのは、みなさん優しかったこと。
人の苦しみに、純粋に共感してくれること。


そして、とても謙虚で、
自分を大きく見せようとするようなことは決してしない。



目の覚めるような出会いでした。
こんど競輪場にも行ってみようかな。。。