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ついにやってきました。
マウンテンサイクリングin乗鞍。
名前は「サイクリング」なのに、
日本一のヒルクライマー決定戦です。
距離20.5km
平均勾配6.1%
標高差1260mを登ります。
コースを走ったのは、これまで2回。
一昨年、ロケ時に暴風雨の中を。
昨年、坂バカ女子部の撮影で。
2回とも全力ではなかったので
しっかりタイムを計るのは今回が初。
今年も撮影のために来てますが、
本番中はやることがないので一般人として参加です。
もちろん普通にエントリーして参加費9000円払ってますので
「報道」じゃないゼッケンを付けてます★
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目標は1時間10分!
ステムに各チェックポイント通過目標タイムを貼り付けます。
コースについての知識がほとんどないので、
こうすることでペースを考えようという作戦。
去年のイノッチが1時間16分ですから
このタイムは私にとってかなり高めの設定です。
去年撮影しながら走ったときは、
私は1時間20分を切れれば御の字、という感じがした。
それをどこまで上げられたか?
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体重は、ウェア着用して57kg。
1週間前にカゼひいた割には増えずに済んだ。
ちょっと喉がガラつくけど、前日にコースの一部を試走した感じでは
体調は悪くなさそう。
コンディションをレースに合わせるのって、
こんなに大変なんですね。
今回、いろいろと分かりました。
ちなみにウェアはワンピース(ポケットなし)。
今日使わないと、また1年ぐらい使うことないので。
会場で会った自転車仲間からは「朝比奈ちゃん」と呼ばれました。
そりゃそうだ、彼女が着てるジャージは
これと一緒にアメリカから取り寄せたんですから。
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会場の駐車場は、車中泊組の車でビッシリ。
なんてこった。
レース前日に車中泊なんて無理だ。
この人たちはどこまで猛者なんだ…
そんなことでビビりながら、スタートを迎える。
アップはローラーで軽く20分だけ。
私は通勤チャリダーでロングライドをほとんどできないので、
スタミナがないためです。
先にチャンピオンクラスでスタートするイノッチを見送る。
「頂上で会おう!」と。
そしていよいよ私もスタートラインへ。
思いのほか緊張はなし。
というより、かなり心はまったりしている。
まあここでジタバタしても仕方ない。
私は男子Cクラス(31歳〜40歳)。
700人弱の出走者のうち
最初の組でスタート!
一番気をつけるのは「オールアウト」にだけはならないこと。
一度でも自分のキャパをオーバーしてしまうと
絶対に復活できない。
数字でいうと、
300Wを超えないように走る。
250W以上で長く漕ぎ続けない。
逆に200W以下にならないようにもする。
これさえ守れば1時間10分で行けるぞと、自分を信じる。
スタートと同時に、数人が飛び出した。
すかさず後ろにつく。
乗鞍は前半に緩斜面が多いという。
できるだけ集団で走って、風の抵抗を少なく走っておきたい。
サイコンを見る。290W。
いかんいかん、スタート直後は軽くこれぐらい出てしまうけど、
気付いた時には手遅れになる。
その6人ほどの先頭集団を見送り、240Wほどに切り替えて淡々と行く。
すると、ちょっと勾配がキツくなったところで
後ろから第2集団がやってきた。
すかさずトレインに入る。
260W。
100mほど前に平坦路が見えるので、
これは少し無理してでも付いて行って、
平坦路でドラフティング(風よけ)効果を期待したい。
なんとかこらえて、平坦路に突入。
すると!
なんと、突然ペダリングが楽になった。
サイコンを見ると180W。
ドラフティングの効果が現れたのか…
と思ったが、ちょっと待て。
これは明らかにトレインのパワーがダウンしてるぞ。
ひょっとして、みなさん休んでいらっしゃる?
しばらく様子を見ていると、
ふたたび激坂に突入。
すると!
パワーがどんどん上がり出す。
付いていくには270Wは出さなくてはいけない。
……なるほど、そういうことか。
みなさん、坂バカなのだ。
勾配がキツくなるとテンションが上がって
パワーもアゲアゲになる。
そして勾配が緩くなると休む。
坂バカとしては素晴らしい素質だが、
これは結局インターバルトレーニングになってしまっている。
効率としては最低だ。
私は次の平坦路で230Wをキープして
パワーダウンしたトレインから抜け出した。
トレインを組んで行きたいけど、これは仕方ない。
一人旅で淡々と走る。
私は一定パワーで走っていても、
激坂区間に入ると、彼らが追い抜いていき、
平坦区間では私が抜け出す。
なんと無駄な走り方なんだ。
力が同じぐらいの人たちがいるのに、うまく協力体制を作れない。
CP1(7km地点・三本滝)…19分50秒(目標19分20秒)。
CP2(15km地点・位ヶ原山荘)…51分30秒(目標50分)。
気がつけば、激坂でパワー上げてた人たちは
はるか後ろにいなくなっていた。
しかしそれでも、目標タイムからは遅れている。
しかも、森林限界を超えたあたりで
体に違和感が。
まず、頭がぼーっとする。
そして脚が異様に攣りそうになる。
酸素が薄いのだ。
ペルーのアンデス山脈で高山病になったときの
前日の症状によく似ている…。
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パワーを見ると、185〜195Wほどしか出ていない。
すでに標高は2000mを超えているはず。
これが高地というやつか。
残り2キロ。
時計は1時間3分。
もはや1時間10分は絶望的だが、最後にがんばって上げてみる。
220〜230W。
ゴールまで持つか!?
残り1キロ。
なんと! ここで先にスタートした選手たちの
下山が始まりやがった!
狭い道の半分が下山のために割かれてしまう。
つまり、追い抜くスペースがほとんどなくなっている。
抜きたいのに、抜けない。
なんとか隙間を縫って数人をかわしてゴール!
1時間13分13秒。
目標には届きませんでしたが、
15分を切れたのでまずまずでしょう。
それに、イノッチの去年の記録より3分速かったのは
ちょっと嬉しいかも。
平均パワー 221W
NP 223W
ほぼ一定ペースで走れてはいるようです。
ゴール後、先にゴールした56さんとイノッチが迎えてくれた。
2人のレースは、かなり珍道中が展開されたそうです。
そのへんは、放送をぜひお楽しみに。
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下馬評では森本師匠の4連覇は赤信号、
という感じでしたが、
蓋を開ければ見事な優勝。
55分13秒だそうで。
今回も路線バスと同じスピードで走った森本師匠、
さすがです!
というわけで、乗鞍が終わりました。
来年の目標は、1時間5分です。
そこを狙えるぐらい、鍛えたいと思います。
さあ、その前に。
明日から中国ロケ!
行ってきます!
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