自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

しぼる!

2017年03月30日 16時35分58秒 | 自転車



富士山国際ヒルクライム。
激坂のふじあざみラインを上るヒルクライム。
60分切りを目標に据えて、はや5年。
ただいま60分50秒…今年こそなんとかしたい!


と・こ・ろ・が。


今年の富士国際は6月25日。
その日はすでにロケが入っていたのです。
今年も不参加か…とボーゼンとしていたら、
自転車仲間から天の声が。

「5月にあざみでレースがあるらしい」

調べると、ツアー・オブ・ジャパンの富士ステージに合わせて
一般人のレースも行われることになったらしい。

5月26日(金)。

この日だけは何としても死守して、
今年こそ60分を切ってやる!



速攻でスタッフに
「この日はあざみで会議してくる」と周知。


さて。
問題は、冬の間に大きくなったカラダを
予定より1ヶ月早く絞らなければいけない。
今年もカラダは順調に育ちまして、
レースに申し込んだ3月21日の段階で63.55kg。
それを4月末までに57kg以下にしておきたい。


さあ戦いが始まった!
タンパク質はとるけど、動物性脂質をとらない。
野菜はたっぷりとるけど、ドレッシング禁止。
大好きな甘いお菓子は全面禁止。
米は玄米に。
夜9時以降は食べない。
(つまりいつも深夜2時にとっていた夕食は無し)

ただいま60.50kg。
このまま順調にいくかしら???

初・大タルミ。

2017年03月29日 00時25分27秒 | チャリダー★

ある大一番に向けての撮影が始まりました。


その大一番は、自転車の番組を始めて以来
長年の夢だったので、かなり気合が入っています。
このために、自転車の番組を続けてきたのだ。
5年もかかってしまったが、チャンスをもらえた。
これから夏の放送に向けてスパルタンな日を送ることになりそうです。


さて、本日の撮影。
気合が入りすぎて、予定の2時間も前に着いちゃったので、
選手たちが来る前に、とりあえず峠にアタックしておくことにした。


大垂水峠。
噂には聞いていたが、走るのは初めて。
国道20号の東京・神奈川を隔てる峠で、標高は392m。
ここを選手たちは5本全力でアタックするという。
私も1本は登って、どんな峠なのかを知っておかねばなるまい。





高尾山のインターからスタート。
ここから峠までは4.1キロほど。
(あとで知ったのだが、どうやら皆さんは500m先からスタートするらしい…)
最初は平坦。ラブホ街を突っ走る。
ホテルから、トラックが出てくる。
シーツなどのクリーニング業者っぽい。
商売繁盛してるのかな、と思いながら通過。


去年、ほかで走った時に
11分300Wだったから、
300Wキープで。
徐々に勾配がきつくなる。
2kmを通過。
320W。まだ踏める。

4%…5%…7%…
このゆっくりと勾配がキツくなっていく感じは
他にはあまり見ないプロフィールの峠だ。
3kmを通過。
いかん、300W出てないやんけ。
頑張るけど、出ないもんは出ない。
上体が揺れ始める。
おっと、これは悪循環。
冷静にフォームを整えて、体重をしっかりペダルにかける。
フトモモちゃんが千切れるように熱い。


そしてゴール。
10分37秒・平均290W。
もうちょっと行けると思ったけど、最後はヘタレて
260Wが精一杯。
ラスト500mが果てしなく思えた。
苦しくて、口がぬぐえない。
峠の端っこで、うつ伏せになってゼーゼー言ってると、
選手からメールが届いた。
おおっ! もう来るのかよ!?
慌ててカメラのところへ走り、選手たちを待ち受ける。





悪い癖で、三脚にカメラを乗せて撮る時、
ついパーン(カメラを縦横に振ること)をしたくなる。
したくなるのに、ヨダレが拭えないほど苦しいから
手が震える。
心の中でのいろんな葛藤を経たが、なんとか一発で良い画が撮れた。


その後はMOTOに乗って撮影、インタビュー。
天気が良くてよかった。





撮影が終わると、プロがこんな一言。
「あれ? Dさん走らないんすか?」
お言葉に甘えて、引きずり回していただくことにした。
「行けるところまでついていきます。そのうちフェードアウトしますけど、ほっといて下さい」と。

私を気遣ってか、だいぶ緩く走ってくれたようだ。
平地200W、坂道で300Wぐらい。
プロたちはずっと談笑しているし、
まったく水分をとらない。
つまり汗をかいていない。
私は水を飲みまくり。


レースは出ないのか、と聞かれ、
5月のあざみラインに出ます、1時間切りたいのです、と言ったら
「速いじゃないですか! 僕たちだって全力で43分ですよ」と。
うーん。褒められた気がしません。


30キロ走って、お別れした。
プロたちを見て思ったのは、そこにあるのは
「日常生活」だった。
自転車の上が生活空間。
おしゃべりをし、食べ、飲み、遊び、時に追い込む。
眼福でした。



ひさびさクロモリ。

2017年03月23日 21時04分03秒 | 自転車



クロモリ号に乗るのは、いつぶりだろうか。
ミャンマーで走って以来、海外で自転車に乗ってないので
ひょっとしたら2年ぶりかもしれない。


またがって、おおっ! と思った。
サドルが高い。
撮影用なので、C59よりもサドルを低めにしていたはずだ。
それなのに、高い。

測ってみたら、ここ2年でサドルの高さが2センチ下がっていた。


自転車は、サドルが高いほどカッコよく見える。
脚が短いおっちゃんとしては、出せるだけ出したいのが心情なのだ。
…それにしても、ずいぶん下駄履かせてたんだなあ(笑)。


街角で、素直に、2センチサドルを下げた。


走り方も、体も、変わってるみたいだ。
良い方向に変わっていてくれればいいんだけど、
富士あざみの記録が伸びてませんからね。
これから5月26日の参戦まで、カラダつくります!!

1時間。

2017年03月23日 04時48分38秒 | 自転車
仕事の合間にバイクで走るチャンスをもらった。

1時間。

その場所から1時間で走れる範囲なら
どこへでも行ける。


栃木の太平山までは片道30キロ…断念。
他に行ける場所はあるか?
利根川サイクリングロード…すぐそこ。
田んぼの中のまっすぐな農道…すぐそこ。
特に行きたくもない道を走っても、すぐに飽きて
1時間たっぷり走らず終わってしまう気がした。
どこか近くに良い場所がないか?


渡良瀬遊水池…片道15キロ。
これだ!
噂には聞いていた、渡良瀬遊水池のサイクリングロードを走ってみたいぞ。


すぐさま出発。
人生最高体重を5月までに何とかせねばならない。
今年こそ、ふじあざみラインで60分を切るのだ。

西からの風がモーレツ。風速7m。
体重を左にかけて、バイクを斜めにしないと
まっすぐ走らない。
遊水地まで30分かかってしまった。





一面の菜の花が出迎えてくれた。
まったりとした香りが懐かしい。
もう帰らないといけない時間だが…この道を少し走ってみたくなった。


遊水地に沿ったサイクリングロードを西へ。
モロに向かい風。280Wで30km/hしか出ない。
勾配に直すと5%ぐらいの感じか。
これは意外と楽しいかも。




向かい風だけで終わらすのは癪なので、
ぐるっと遊水地の北側まで走る。
風は向かい風から横風に変わり、そろそろ追い風になりつつある。

あたり一面、野焼きのあとで
黒焦げの大地がめずらしかったので、
ペダルをヘルメットに立てかけて愛車写真を撮ろうとした。
……
モーレツな風でヘルメットは「カサカサカサ…」と飛んで行った。
100mぐらい向こうまで追いかける。
やっとヘルメットに追いついたら、ヘルメットは灰だらけだった。
少し走ると、鉄柱があった。
最初からここに立てかけるんだった。





ご褒美の追い風。
時速40キロを超えて無風に感じる。
風の抵抗がないと、重心が微妙に前のめりになって、
走るのが難しい。
意外とご褒美は向かい風だったかもしれない。



初めて知ったのだが、渡良瀬遊水池は1周18kmもあった。
どうりでなかなかスタート地点が見えてこないわけだ…


帰りも横風に煽られながら、結局50キロ。
ローラー以外でこれだけ集中して走ったのは久しぶり。
また行きたいけど、今度は1時間半もらわないといかんですな★

名古屋。

2017年03月18日 17時06分59秒 | チャリダー★



撮影で名古屋に行きました。
…ということは。
五郎さんのローラー教室に参加するチャンスですね。


今回もスタッフが食事している間に
行って参りました!




ふだん土曜日は開催していないのですが、
五郎さんが特別に開いてくれました。
なので参加者は2名だけ。
そりゃそうですよね、土曜日はみなさん実走しますからね。





メニューはFTP200Wの人向けで。
踏めたので、途中から10W増しで。
五郎さんがきっちりパワーを管理してくれるので、
気持ちよく出し切ることができます。
東京にも五郎さんちが欲しいです★





BBのあたりから音鳴りがするので
五郎さんに診てもらったけど、
「うちにはROTORのBBを外す工具がない」と。
急遽五郎さんの師匠であるクエストの横井さんに診てもらう。





横井さんは、KINANというプロチームのメカニックさん。
お店には初めて行きましたが…宝の山!
見たことないフレームがゴロゴロしてる。
チタンとカーボンのハイブリッドとか。
またお邪魔して、じっくり見回したら
もっとお宝が潜んでいそうなお店です。





BBを開けたら、ネジ部分が砂でジャリジャリしていた。
「半年も放っておいたらいろいろ入るよ」
きれいに拭いて、グリスを多めに。
「始めは重いですが、すぐに軽くなります。それに錆びるよりいいですから」と。
作業する傍ら、五郎さんがアシスタントの動きで
テキパキ動く。
師匠と弟子。素敵な関係があった。

BB周りの異音は消えて、
バイクが「カッチリ」した。
まさにC59が蘇りました!





最後に横井さんが、ギヤ周りを洗ってくれた。
素晴らしい手際で、サクサク綺麗になっていく。





ギヤってこんな色だったよねえ。
ギヤチェンジの音が、ヌメリのある音から乾いた音に変わりました。
自分でももう少し洗う頻度を増やそう。






横井さんが、そのまま東京に帰る我々を、食事に誘ってくれた。





台湾ラーメン、という名の激辛ラーメン。
スカッとするほど汗が噴出。
ローラー台で汗をかき、ラーメンで汗をかき。
名古屋に2リットルぐらい汗を置いてきましたとさ★

田口さんのこと。

2017年03月04日 05時10分25秒 | おしごと日記
私はコミュニケーションが下手なので、
電話をしたり、実際に会って話をするのが苦手だ。
その反動か、毎日いろんな人のことを思い出しては、
心の中で会話をしていたりする。


全国を飛び回っている狂言師に、
あのとき私がずいぶんヒドイことを言ったのを
謝ってみたり。
北海道で永六輔さんと旅したとき、
いろいろ教えて貰ったことを思い出したり。
大学時代の演劇仲間で、卒業後に消息を絶ってしまったG君は
同じ空の下にいるのだろうかと考えてみたり。


昨日は、私の映像の師匠である
田口さんのことを思い出していた。


田口和博さん。
信念の人で、自分が書いた企画以外の仕事は決してしなかった。
なのでいつも仕事は少なく、会うたびに
「俺はもうクビだから、あとは林、よろしくね」
と冗談を言われた。
私の番組を気に入ってくれて、
とくに自転車探検部は欠かさず見てくれて、
「最後まで見ちゃった…」と感想を言いに来てくれた。


田口さんの有名な作品は、
「原爆の夏 遠い日の少年」という番組。
第二次大戦時、米軍の従軍カメラマンが撮影した1枚の写真をめぐって
話は展開する。
原爆の焼け野原にひとり直立する少年。
少年は唇をぐっと噛みしめ、目を見開くように前を見つめて立っている。
背中には、弟の遺骸。

それを撮影した従軍カメラマンのジョー・オダネル氏によれば、
少年が見つめていたのは火葬場の炎だった。

その少年の凛々しい顔が忘れられないジョー氏は、
60年ぶりに来日し、その少年の消息をさがして旅をする。
…という番組。
これはいろんな賞を受賞し、不遇だった田口さんの人生を変えた。
大きな賞を受賞すると企画は通りやすくなるようで、
田口さんは忙しくなった。
でも、仕事が増えたら増えたで
「こんなに仕事なんてしたくないんだ。あとは林、よろしくね」
とまた、冗談を言われた。



私は生粋のドキュメンタリストの田口さんのロケに
ADとして行ってみたかった。
田口さんがどうやって、相手の心の奥のほうにあるダイアモンドのような言葉を聞き出してくるのか、
知りたかった。
でも、AD時代の私は「ボンクラ」と呼ばれるほどの超劣等生で、
編集アシスタント以外の仕事には付かせてもらえなかった。
田口さんの真似をして、自分の企画だけで仕事するようになったら、
今度はそれで忙しすぎて、田口さんと仕事をする機会を失った。


そうこうしているうち、田口さんは亡くなってしまった。



亡くなる直前、田口さんが私のところへ来て、
「ゴルバチョフのインタビューが撮れそうなんだ。林、やろうよ」
と誘ってくれた。
しかしそれは実現しないまま、いなくなってしまった。



「ワンカット30秒以上見られるぐらいの力ある映像でなければ、使ってはいけない」
「インタビューってのは、その人が話す気になるまで何度でも通って、心を開くことだよ」


昨日は、田口さんから教わった言葉から、田口さんのロケを想像していた。
私は想像の中で人と話すことに慣れてるので、
田口さんとはいつでも会うことができる。
会ったあとは、必ず寂しくなるのだけれど。