自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

たのしいお悩み。

2014年10月30日 03時04分15秒 | チャリダー★


ポルトガル編で太郎ちゃんが乗っていた
グラファイトデザインのMETEOR。
今回は日本が誇るカーボンフレームを旅人のバイクに選びました。
ポルトガルのチャリダーたちは、見たことのないフレームに興味津々でした。
(ポルトガルの経済状況からするとフレーム40万は高すぎるようですが…)
私もちょっとだけ乗らせてもらい、私のコルナゴで先を走る太郎ちゃんを追いかける、の図。
適度な柔らかさがありながら、踏んだときの反応が気持ちよい。
硬めのホイール(キシリウム)とよく合ってました。
FFWDみたいな柔らかホイールと合わせちゃうと、
フレームの良さが出ない気がしますが、どうでしょう。


それはさておき。
自転車のサイズが近いとき、私はよく旅人とバイクを取り替えっこして走ります。
そのバイクの持っているクセも、旅人の心に積もって行く要素の1つなので
知っておきたいのです。
まったく違うバイクを選ぶと、きっと旅人の気持ちもずいぶん変わると思っているわけです。


そして旅人をほったらかして走らせておくことの大切さ。
1人になったとたんに襲って来る心細さこそ、海外旅の醍醐味ですし、
探検部で大事にしていることなのです。
むふふ。細かいことをいろいろやって
旅人の気持ちを上げ下げしているわけです。
これ、意外と重要。



自分で反省を言うのも何なのですが、
その点で言うと、最近のチャリダーはそこに神経を使えていないのですね。
今回のチャリダーの北海道旅のことで言うと、
「とうきび」を食べる必然性もなく、
「ソフトクリーム」を食べるテンションにもなっていないのに食べている。
それは単なる「モノ」の紹介なだけ。
旅人たちにかなりの距離を走ってもらっておきながら、
その走った「疲れ」「達成感」「空腹感」などの感情を生かせていなかった。

たった10キロの道を走るだけでも、
感動のあまり涙するシーンを撮ることも、
お気楽に撮影をしただけのシーンにすることもできる。
それは演出の腕次第。

まずはそこらへんを何とかできないもんかいなあ。


そんなことも合わせて、
「チャリダー★」と「世界自転車探検部」をこの先どうしようか思案中。
やってみたい「面白アイデア」はたくさん湧いて来るんですけどね。
みなさんはどんなものが見たいと思っているのでしょうねえ。
悩む猶予はいくらでもあるので、もうちょっと悩んでみようかと思っとります★

家さがし。

2014年10月28日 16時47分23秒 | チャリダー★



家探しをはじめました。

今住んでるマンションには、学生時代から15年も住んでいて、
会社からは近いし、静かだし、周辺には緑も多いのですが、
もっと空が広い場所に住みたい。
そして30年とかのローンを組むことになると、
支払いが終わるのが60代の半ばになっちゃうことに
今さらながら気付きまして。

てなわけで、まずはご近所の土地を調べ始めたのですが。


高~い!
東京の土地って、こんなに高いのね。
近所の土地は、坪単価300万オーバー。
20坪の土地にキツキツに家を建てて1億円。
しかも日当りもへったくれもございません。
こりゃあ、山手線の外側に行くことになりそうだ。



そこで私は「ピン」と来た!(具志堅さん風に)
それは思い切り遠くに住むという、かねてからの「夢」。
高尾山の麓に暮らせば、気軽にヒルクライムできるし、
会社まで片道50キロのチャリ通を続ければ、ぜったい速くなれます。

しかし周囲の人たちに「高尾山に住みたいんだ~」と言ったら、
全員に反対された。

「坂バカ的な夢は分かるけど、
 もともと寝る時間がないのに、もっと寝られなくなりますよ」

確かに。
はあ。いまの仕事を考えると、
会社から15キロが限界ですな。




家探しついでに、家具もリメイクすることにしました。
今のテーブルは、長さ2m、幅90cm、暑さ8cmの一枚板。
むかし自分で削って作ったものなんですが、これもけっこう痛んで来たので、
お友達の手作り家具屋さんに駆け込み寺。





日光のスゴ腕家具職人、森のふくろうさん。
板を持ち込み(1人で運ぶの大変だった)さっそく相談。
思い切ってまったく違うイメージのものにすることに。
注文が多くて2ヶ月以上待ちらしいので、
たぶん忘れた頃に出来上がることでしょう。
(そういえば、フレームの塗装どうなったかなあ。忘れてた)


まあでも、いろんな制限の下で物を考えるのは好きなので、
しばらく家のことで楽しめそうです…★

トルコとポルトガル。

2014年10月26日 05時37分05秒 | 世界自転車探検部



家に帰って、久々に録画チェックをしたら、
ポルトガル5分版にまざって、トルコの旅の5分版も録画されていた。


なつかしいトルコ。
もう1年以上前のことになる。
あのとき初めて5分版を作ることになって、
走る旅人を追いかけて撮影する方法を考えたのでした。


そのトルコ編をひさびさに見て、ビックリした。
なんと下手なこと!
撮影も下手なら、編集もへたくそ。
これはつまり、私、上手くなったのですね。
そのあと見たポルトガル5分版と、明らかに出来が違いました。
嬉しさと、残念さと、申し訳なさと。


ちなみに私のポルトガル5分版のお気に入りは、
「ヨーロッパ西の果てを走る」編のファドが流れるシーンで、
雲がかかった山道をハイスピードで走り抜けるシーン。
青空と、黒雲と、山道が描くS字。
人生を思わせるようで、とても好き。


また1年後にポルトガルの5分版を見たら、
下手だなあ、と思えるくらい
上手になってたらいいなあ。



明日のナイス勾配。

2014年10月23日 00時48分56秒 | チャリダー★



明日深夜放送(25日深夜0時~)のチャリダー★が、
さきほど完成~!


今回は北海道特集。
まあステキな大地を走ってますよ。
前回たった22キロで(!)足がつってしまったうじきさんが、
新うじき号&うじきさん専用チャリダージャージで!
写真はその「新うじき号」。
あら…あのハブは……ゼイタクですね~。
しかも特注色。キラキラです。

そして、いつかお仕事してみたかったレーザーラモンHGさんが、
100キロに挑戦。
20年ぶりに自転車に乗る人に、いきなり100キロ走らせちゃうのが
チャリダーのよいところ。
しかも体に合わないレンタサイクルで…★

お仕事してみたかった、といっても、
ロケに行かない宣言をしてしまったので、スタジオしかご一緒していませんが。
それはそれは、ど根性&優しい素顔をお持ちのステキな方でした☆



なお、今回私はあんまり制作に関われなかったので、
いつもとちょっと違うテイストがお楽しみ頂けます。
違いが分かる人は、認定証授与レベルの相当なマニアです。





あんまり関われなかったままだと残念なので、
ちょっとだけこだわってみました。
いろんなハンコをつくって、押してみました。
番組後半に連発されますので、どうぞお楽しみに。
Dが考えることなんて、こんな細かいアホなことばかりです。


ああ~、ロケ行きたい。
と思いつつ、今夜も編集室にこもります★

できたよ!

2014年10月17日 21時49分09秒 | 世界自転車探検部



たったいま、5分版×5本が完成しました!
放送は来週月曜日から5日連続です!

10月20日~24日 夜11時45分~50分
@NHK BS1

今回も未公開ネタ満載でお送りしますので、
ぜひポルトガルの小さな旅をお楽しみ下さい。





実は、先日放送した50分版では、
やりたくても出来ないことが1つだけありました。
それは「挿入歌にファドを使う」ということ。


ポルトガルと言えばファド。
でも、使いたいファドはとても切ない曲なので、
太郎ちゃんの明るさとは合わなかった。


今回、使いたいファドに合わせて、編集し直しました。
ステキだと思ってもらえるのか?
前のほうが良かったと思われるのか?
どうぞお楽しみに☆



5分版の編集へ!

2014年10月13日 23時01分18秒 | 世界自転車探検部



50分版の放送を無事終えて、
こんどは5分版×5本の編集。
これを作らせて頂けるのは、ディレクター冥利というもの。
だって、撮影した映像を余すところなくご覧いただけるのだから!





ポルトガルは、栄華を誇った大航海時代ののちは
幾度となく経済危機を経験しており、
今も「欧州3大経済危機国家」だという。
お金があった時代にも、国の産業を育てないまま来たために、
「地力」がないためだそうだ。
2013年には、20代の若者の失業率は40%をこえていた。



しかし、人々の表情は明るかった。
陶芸家のフランシスコさんも、樽職人のオリヴィエイラさんも、
街で暇そうにおしゃべりしているおじさんたちも、
物は売れないし、仕事はないのだと口々に言いながら、
誇りを持って、よく笑っていた。

では、私は?
電車で携帯ばかりいじって、眉間にしわを寄せていないか?





探検部って、基本的に明るい番組にしようと思っているし、
出会った人たちのステキな横顔をたくさんご覧いただきたい番組だけれど、
どこかにポルトガルの人たちが歩んで来た苦難と、
その上での明るさ、
それが生み出す切ない空気が、写し出せないかなあと思っている。


どこまでできるか分かりませんが。
腕の見せどころ、というやつですな☆





おんがく。

2014年10月08日 01時38分08秒 | 世界自転車探検部



たくさんの方から、番組の音楽についてご質問を頂きましたので、
こちらでも一部だけお知らせ。

音楽や寄った場所については、NHKにお問い合わせ頂ければ
いろいろ答えてもらえるハズですので、そちらもご利用下さい。
番組存続を願う1人としては、NHKにお問い合わせ頂いた方が
「視聴者から反応あり」と評価されるので有難いのですが★



番組テーマ曲
♪Signed Sealed Delivered I'm Yours/Stevie Wonder

ジェロニモス修道院
♪Mass for Five Voices/ピーター・フィリップス&タリス・コラーズ

リスボンからの走り出し
♪MYLO XYLOTO~HURTS LIKE HEAVEN/COLDPLAY

セジンブラのレストラン調理場
♪Contado Ninguém Acredita/deolinda

セジンブラからエヴォラへの走り
♪happiness/Rodrigo Leao

エヴォラからルドンドへの走り
♪GET RHYTHM/RY COODER

陶芸家の息子さんの話
♪Prece/Rodrigo Costa Felix

インターミッション(地図と山岳走行シーン)
♪Safe and Sound/CAPITAL CITIES

ピオダオンからドウロ渓谷への走り
♪sugar/Stevie Wonder

ポルトへの走り
♪FOREVER YOUNG/BOB DYLAN

感想~エンドロール
♪QUE SERA SERA/SLY & THE FAMILY STONE


インターミッション(地図と走行シーン)に使った ♪Safe and Sound は、
ポルトにゴールしたあと、リスボンへ帰る途中のラジオから流れて来て、
太郎ちゃんとスタッフで聞いた思い出の曲。
番組に使うことができて、ちょっと嬉しかった☆



アル。

2014年10月05日 23時36分09秒 | 世界自転車探検部


自転車探検部の13作目。
ご覧いただきありがとうございました。


ちょうど番組中盤、太郎ちゃんが旅した細かなルートも映し出されて、
音楽と走行を楽しくご覧いただく1分ほどのシーンがございます。
あの地図をご覧になって、あることにお気付きになりましたでしょうか?


それは「遠回りが多い」ということです。
一直線に行けば良いのに、回り道している場所が多い。
たぶん私が視聴者としてあの地図を見たら、疑問に思うでしょう。
どうして回り道が多いのか?






その原因は、こちらの方。
車両ドライバーのアルさん。
知ってる日本語は「バカヤロー」。
明るくて、迷いが無く、判断はとても速い。

しかし、その「判断」した道が、
合っていたためしは少なく、確率は2分の1ほど。
つまり、道を知らず、あてずっぽうで道を選んでいるに等しい。


本当はまっすぐ進めば近いのに、
「そこは右だ」とアルに言われれば、そうかと思って
我々は右に曲がる。
行けども行けども目的地が近づかない。
心配になって地図を開くと、まったく違う方向に来ている。


「アルさ~ん、道違うじゃ~ん」と言うと、
「バカヤローだね、オレ」と日本語で言って「次を左だな」とリカバリー。
それがまた、たいてい違っている。


そんなわけで、いろいろ道に迷った。
おかげで砂利道に迷い込んで、犬に追いかけられて
楽しいシーンが撮れたからいいか。



明日4日9時放送です。

2014年10月03日 03時44分35秒 | 世界自転車探検部



自転車探検部ポルトガルの旅、さきほど完成しました!


放送は明日。
10月4日 夜9時 @NHK BS1です。
旅人は、初登場の俳優・駿河太郎さん。
笑顔が印象的な、鶴瓶師匠の息子さんですね。



今回の編集はキツかった。
これまでもキツくないことなんて無かったけど、
今回はいろいろあってキツかった。
一週間で体重5kg減ったもん。
これで夏に果たせなかったダイエットは大成功。
軽さが命のヒルクライムしたら速いかも!?



今回は、今までにも増して映像がキレイです。
絶景だらけです。
そしていろいろ新しいことにもチャレンジしたので(小さなことだけど…)
みなさんの肥えた目にどう映るかが楽しみ&心配。
でも、まあ、ステキな旅になったでしょう。


ちなみに放送当日(4日)の朝日新聞の夕刊に
番組の記事をのせて頂けることになったようです。
このまえ取材を受けて、写真も撮ってもらった。
私も小ちゃく載るかもしれません。
ぜひ、載ってるかどうか確かめてあげてください。

※発行されました。デジタル版でお読み頂けます。会員登録すれば無料で読めるようです★
記事はこちら。



さあ。
寝ます!



つづき。

2014年10月01日 23時39分49秒 | チャリダー★



引っ張っておいて、ずいぶんご無沙汰してしまいました。
いろいろあって、編集がこれまでにないレベルで大変で、
とてもブログを書く余裕がなかったのです。
ちなみに明日で完成、放送は4日です。
もう番宣をご覧になった方もいらっしゃるかも?



さて、菅さんですね。
ふわり、とした空気感で、
何が起きても動じることがない芯の強さを持っている。
その菅さんの本業は、「占星術師」。
小学生のころから占星術を学び、
今でも雑誌などに記事を書いているらしい。


ロケのある日の夜、菅さんに、
占いをするとき、菅さんはどんな気持ちなのかを聞いた。
他人の出口のないモヤモヤした悩みを聞いて、よく嫌気がささないですね、と。

菅さんはにっこりして、
「それが嫌になる人には、占星術師はつとまりませんよ」と答えた。
そしてこう付け加えた。
「責任感がつよい人ほど、悩みを人に言えないものでしょう。
 だから、私の一番大事な仕事は、人の話を聞くことなんです。
 占星術は、人の話を聞くうえでの、ほんの一助にすぎないのです」


私は、菅さんにはついつい悩みを打ち明けてしまいそうな空気があることを
思い出した。
ああ、懺悔室で悩みを吐露する人も、占い師に相談する人も、
こういう空気を求めているのだろう、と思った。


ほんとうは、友人とか、家族とか、
人生でできる数人の心の理解者が、
その役割を担うべきなのだと思う。
でも、果たして自分にとって、そんな友人がいるかどうか。
そして自分は、人にとって、そういう存在たり得ているか。


「残念です。もう少し時間があれば、菅さんに占ってほしかった」
私がそう言うと、菅さんはふふふ、と笑ってこう答えた。
「林さんは大丈夫。自分で気持ちをコントロールできるから」


この人には、何を隠しても見抜かれてしまいそうだ。
でも、この人になら、ぜんぶ見抜かれても安心していられるような気もする。
うーん、私にはそんな空気は一生持てないだろうなあ。