滋賀と岐阜にまたがる伊吹山。
3日間にわたるロケが早めに終わり、午後は帰京さえすればよし。
まんまと作戦通りに、こっそり持って来ていたジョカトーレで走り出す。
まずは中学時代から一度は来たかった関ヶ原へ。
笹尾山、桃配山、大谷吉継陣跡……モエモエ☆
(残念ながら関ヶ原ウォーランドには行かず)
さあ東京まで帰ろうかと思ったのですが……よく考えたら450kmくらいありまんがな。
方針転換して、この近辺を走ってみることにしましょうかね。
とりあえず30km走って大垣城へ。
このへんに住んでる知人が走ってたら合流できないかと思ったら、
どこか別な場所へいってるみたい。
迷ったあげく、番組でお世話になってる森本師匠(山の神様)がよく走るという
三重県の多度山を目指して南下することにした。
大垣から揖斐川に沿って南へ。
川沿いに現れる集落。くすんだ屋根瓦が美しい。
これだ。こういうものが見たかった!
テンション上げ上げで向かい風を乗り越える。
60km走って多度山へ。
全長4キロ、高低差400m、平均勾配10%の激坂。
後半は15%越えの超激坂が長く続くけど、思ったよりもキツくない。
ゆるゆると登って20分くらいか。
ちなみに森本師匠は15分で登るそうです。
山頂で休憩してたら、
登山のおじさまが声をかけてくれた。
麓に住む方で、昔は自転車に相当入れこんだみたい。
40年前、デローザのフレームにカンパのスーレコで組んだというから、
工芸品のような自転車だったに違いない。
「あなたと話していたら、倉庫から自転車引っ張り出したくなっちゃった」
そう言って目を輝かせていた。
ご縁があったら、またいつかお会いしましょう。
そう言って、名前を告げあうこともなくお別れした。
ここまで来たら、名古屋へ向かうのはもったいない。
いつか行ってみたかった桑名へ向かう。
関ヶ原から90km。
桑名は、長良川河口そばに低い家並みが続く、小ぢんまりとしたたたずまい。
細い路地裏の家々が美しい。
「その手はくわなの焼き蛤」
桑名の蛤は今もあるのかとウロウロしてみると…
ありました!
地元産の蛤の問屋さんが数件。
中ではおばさまたちがキビキビと立ち働いている。
近くで地物の蛤を食べられる所はないかと問えば、
「キッチン寿」という店を勧められた。
キッチン・ことぶき。
町の定食屋さんだろうか?
お母さんが1人で切り盛りしているようなお店かな?
とりあえず教えられた道を走る。
教え方がまたすばらしく、路地を迷うことなく一発で到着。
そしてキッチン寿は、予想を覆す立派なお店。
高級な洋食屋さんもやっているらしく、そこからついた名前っぽい。
私は桑名城址の堀が見えるお座敷へ。
もちろん頼むは焼き蛤!
もう、何も言うことありません。
貝殻からこぼれんばかりに大きな身は、軽く火を通しただけのトロトロ。
雑味がなく、いくつ食べても飽きない。
驚いたことに、1500円で5口。こんなに安いと思わなかった。
焼き蛤、蛤ぞうすいをいただき、大満足でした。
しかもおかみさんが「自転車でわざわざお越し下さって…」と
赤出汁をサービスしてくれた上に、
帰り際、走り出そうとする私に駆け寄って来て、
「お守りあげる!」と、蛤で作ったワンちゃん? の小物までくれた。
極力荷物を少なくしたい旅だけれど、
ポケットに入れていた補給食を無理やり消費し、
そこにいただいた小物を大切にしまった。
さあ、間もなく日没。
…ここでふと、大事なことを思い出した。
帰りの新幹線のきっぷ、何時発でとっているんだっけ?
あわてて見ると、18時米原発。ということは、名古屋を18時半発くらい。
まずい! この列車に乗らないと特急券が無効になっちまう!
急いでJRの駅に行き、時間変更するというミッションが発生。
とりあえず近くにあった駅に向かってみると…近鉄かい!
JRの駅を調べると、7kmくらいで「長島」という駅があるっぽい。
夕暮れの道をぶっとばして長島駅に向かう。
で、汗だくでたどり着いた長島駅。
見たとたんに思わず「わ~お!」と声が出るたたずまい。
やっぱりこうなるのね…。
隣りの駅もこれだったら、もう時間切れだわい。
となりの弥富駅は有人駅で、ギリギリ切符変更に成功☆
世界に一本のGOKISOホイールを作ってくれた近藤機械さんの脇を通り、名古屋駅へ。
寄り道だらけの120kmは、新ホイールのおかげで快適そのものでした。
とにかく転がる。
剛性感はモーレツに高いですが、ラテックスチューブの心地よさのおかげか
堅さで疲れることもありませんでした。
こんど、BORA2とGOKISOで同じコースを履き比べてみたい。
本当はこういうことを番組でやってみたいんだけど…無理だろうなあ☆
てなわけで、最終の新幹線で帰京。
翌日は早朝5時出発の千葉ロケ…ムチャしすぎた★