自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

最終調整へ。

2022年10月30日 22時22分31秒 | 自転車



沖縄210kmは未知の領域


沖縄140kmを走った際のTSS(トレーニング・ストレス・スコア=キツさ)が
320ぐらいだったので
210kmだとTSS400越えは確実だろう


TSS400ともなると
回復に4日ぐらいかかるヘヴィーなキツさだ


TSS400のライドなんて 久しくできていないので
半日の休みを工面して 行ってきた





けっこう頑張って走り続けるペースで7時間
途中に白石峠など3つの坂を上るコース
補給も本番を想定してテストする


張り切って出発したものの
スタートから体が重い
ここのところ睡眠が少なくて ちょっとカゼっぽい
行けるところまで 行けるパワーで行こうと
気楽に頑張ることにする





シマノのデュラエース12Sのスプロケとチェーンの調子が悪く
2000kmも走ってないのに トルクをかけるとギヤ飛びするため
スラムのスプロケ&チェーンに変更

ギヤ飛びの心配がないだけで
喉につかえた魚のホネが取れた気分(笑)





地味にキツいペース(1時間にTSS60ペース)で白石峠へ
レースをイメージして ちょっとした坂でもパワーを上げて走り
白石峠はフンガワのイメージ
5倍で上りたかったが そこまで上がらず
26分17秒 260W(4.5倍)


この体調でここまで来られただけ良しとしよう


白石峠(80km地点)まででTSS200
いつもはこの後 ペースが下がる一方なのだが





今日は踏めた

明らかに踏めるので 嬉しくなった
長距離耐性が上がっているようだ


5時間 TSS300を超えたあたりで
踏めなくなってきたが
自分的には上々だ
ここから2週間 体調を研ぎ澄ませて
自己ベストでレースに臨みたい






ここからレースまでの調整の仕方を 何人かの選手に教えてもらったが
人によって方法はマチマチだった
みんな自分に合った方法を見つけているためだ
自分も今回 自分に合った調整法を見つけ出すべく
いろいろ試してみるつもり


そこら辺は レース後にまた(笑)



176km TSS 364
コーラが死ぬほど美味しかった(笑)





帰宅して チューブレスタイヤの交換





パナレーサー「アジリスト」
デザインがダサいので 手を出さなかったが
(ほとんどのフレームに似合わない紫色ロゴ…)
伊織くんが一押しするので試してみる


昔 パナレーサーを試したとき
走りは重いし 雨の日のパンク率は高いし
とにかく楽しくないイメージしかなかったが
国産メーカーを応援したい気持ちはある



愛用しているピレリのチューブレスは15000円/本
アジリストは7000円/本
これで走りが楽しかったら 素晴らしいタイヤだが


どうか良いタイヤであってほしい
だってチューブレスタイヤの交換って
前後で2時間はかかるから(笑)

過ぎゆく。

2022年10月25日 08時58分39秒 | おしごと日記
ロケだった






半日 モトの後ろで撮影


撮影中は忙しい
撮っている時は 次の動きを予想したり
頭の中で編集をして 次に必要な画を考えているし
走っている人に何を質問して
どんな言葉がもらえたら そのシーンが成り立つのかを
ひたすら考えている


シーンがひとつ成立して
次の撮り始めまでの間は 単純移動



秋の風景をずっと眺めていた





秋の揖斐川は美しかった
黒い甍と
ススキや名も知らぬ花が光に輝いていた



ふと
人生に目的なんて無いから
この景色がいとおしく感じるのだなあと思った







旅に出ると いろんなことを思い出す
その多くが これまでに出会った人たちのこと



大分の旅で立ち寄った ニューラーメンのお母さんは
元気でいるだろうか


トルコの山奥で「この村に日本人が来ることなんて2度と無いと思う」と
心づくしのごちそうをしてくれた家族は
達者だろうか



多くの人は 他人のことをそれほど思い出さない
自分のことも ほとんどの人が思い出すことは無いと思っている
思い出しても なんの利益にも繋がらないから






ホテルからの 何ともない眺めが好きだ





時間だけが過ぎていき
自分はずっと同じ場所にいるように感じるが
実は自分も時間と一緒に流されているのだ






そして今日も仕事に出かけて
忙しい自分に戻っていく

サドル上会議。

2022年10月22日 23時21分28秒 | 自転車
TSS700のロケから帰って 回復に3日間を要した

疲れてはいるが 心が健康なのがわかる
やはり旅はすばらしい






で 次の日
出演者のローラー練習会があったので
自分も参加


出演者に 狙うパワーの数値を告げて
となりで自分は8分走3本の地獄メニューをやる






FTPは275Wの設定
これまで3本できたことが1度しかないメニューが
割と余裕で出来て驚いた
しめしめ
ロケで走って 体調がかなり上がったらしいぞ(笑)


おっさんなので 回復と練習強度とのせめぎ合いだが
なんとか過去最高の状態に持って来られている
次からは10W高い設定でメニューをやってみよう







ロケから帰ってずっと 2時間以下の睡眠が続いていたので(さすがに眠い)
ようやく金曜日に洗車をした


400km走ったチェーンワックスをかけ直し
練習機材も沖縄仕様に変更



ペダルは自身初のデュラエース
ずっとスピードプレイひとすじだったが
エースのシュガーが 頑なに11速のため(他は全員12速)
レース中に誰もホイールを差し出すことが出来ない

それなら自転車を差し出す以外になく
バイクのサイズがほぼ同じ私は シュガーに合わせたペダルに変えた

せめて2度目のフンガワまで集団について行きたい
そしてシュガーに何かあった時に バイクを差し出すのだ






ホイールはZIPP353
実測1270gの超軽量ホイールだが
実は扱いが難しい
スルーアクスルを締めすぎると回転が渋くなる
「こんなに緩くて大丈夫?」というところで止めないといけない
五郎さんに聞いたら 303も同じだというが
これはなんとかならんのかいな?


ちなみにZIPP353は いつの間にか値段が上がって
78万円になっていた(驚)
さすがにその値段の価値はないなあ…
値段と性能のバランスが良いのは 303のFIRECREST(36万 / 1350g)だと思う







土曜日は早朝から出演者との打ち合わせ
場所は荒川サイクリングロード


ゆっくり3時間 回復走しながら
いろいろと話をした



サドル上で会議ができるのが
うちの番組の最大の利点なのだ★

帰還。

2022年10月19日 11時12分45秒 | チャリダー★
ロケから戻りました



今回も無事だったことに感謝^_^






4回目となる五郎さんとの旅


旅のロケは シリーズ化が難しい
1度目は緊張と気持ちの昂りがあるのでうまく行くことが多いのだが
2度目以降は「慣れ」が生じて
テクニックに走って感情がおろそかになったり
スタッフと出演者の間に身内感が出て
内輪話のような旅になりやすい


五郎さんとの旅は
適度な緊張感を維持しながら
友人同士のような旅ができる
奇跡のようなシリーズだ


カメラを持っていても 持っていなくても
何も変わらない
それは素敵な関係だ
もちろん裏を返せば 友人ではなく
常にディレクターと出演者という関係ということになるが…



今回は 景色も最高だったし
記憶に焼き付くような出会いもあったが
撮影が難しかった
その理由は 放送後にお話するとして
編集力でカバーできるかどうか…悩みは尽きない(笑)






荷物を少なくするために ウェアは毎日洗う
私の負担を少なくするため 洗濯してくれるADさんを連れて行くのだが
その担当ADさんが 洗濯を忘れて寝てしまうのだ(笑)


五郎さんに洗濯させるわけにいかないので
私がやるわけだが
2層式を久しぶりに使ったら
ほとんど付きっきりじゃないかこれは(笑)






おかげで寝る時間は削れる一方…


みかねた五郎さんが 洗濯をしてくれた日もあった




ちなみに「ADさんも大変なんでしょう」と思うかもしれないが
私のロケでは ADさんは車に乗ってるだけなので
たいへん楽である
仕事内容は「林の仕事ぶりを見て学ぶ」ことなのだ


なのでせめて 洗濯ぐらい助けてほしいのである…







珍しく 好天に恵まれて
すばらしい旅だった
オンエアはたぶん年明けになると思います









帰宅したら ロケ前に買った自転車用のリュックが届いていた






ずっとRaphaのリュックを愛用していたが
さすがに10年近く使ってボロボロだったので
先日 金町のバイシクルコーヒーというカフェで見かけた
EVERGOODSというメーカーのリュックをウェブで購入した



私がリュックに求める条件はこれ





ガバッと開くことだ


袋型だと どうしても奥底に入れたものが取り出せなくて
結局全部出すのがうっとおしい


見開きになるリュックって 意外と少ない上に
機能性重視のため デザインがつまらないものが多いが
久々に機能性とデザインを両立したリュックを見つけ
即買いした





26リットルか 30リットルで迷ったが
ポケットが多い30リットルをチョイス
値段は4万円ぐらいとお高いが
どうせまた10年近く使うので良しとしよう





背負いやすいので 今のところ重さは気にならない
長距離を走るとどうなるか 試してみたい





マジックテープで四角いワッペンを貼れる
私が選んだのは 蓄光して100ルーメンで光るというワッペン
いろんな色のワッペンと取り替えられる



沖縄にはこのリュックで行こう








さて
ロケの疲れを回復させて
この月はもっと走り込みたいところ
どこかで1日250kmぐらい走っておきたいな…

準備。

2022年10月11日 09時29分50秒 | おしごと日記



撮影準備



出演者の前を走る時のために
バイクにはドロヨケ


そのまま歩いて撮影を続行できるように
ペダルはSPDに変更



ロケ先で洗車に時間を割きたくないので
さっと拭けば汚れが取れてキレイになる
ワコーズのバリアスコートを塗布


ホイールは下り坂の安定感が抜群な
フックレスのZIPP353
パンク対策に 最強のシーラント剤・マクハルシーラントを
多めに40ml注入


全行程400kmをノーメンテで走り切れるように
チェーンはABのワックスでしっかりコーティング






カメラや三脚はすべて私物
番組所有のカメラは 前に使用したスタッフが
メンテナンスしていないことが多いので
現地で困る可能性を1つでも減らしておく



だいたいロケの3ヶ月ぐらい前から
撮影について考え続けている
どこの道を走りたいか
どんなシーンを撮りたいか
その土地の道はほとんど調べ尽くしておく
急な通行止めに遭っても すぐに最善の迂回路を思いつくように




腕の傷は ニチバンの防水シートが素晴らしい働きをしてくれて
5日目にキレイに治った
ただ 出来たての肌は 日に当たると色素沈下するため
しばらくは絆創膏で覆っておく





これから車両が来て 荷物の積み込み
ADさんが準備してくれた荷物をざっと見ていたら
予備タイヤが650Cだった
しかもチューブまで650C
よくもまあ レアな商品をチョイスしたもんだ(笑)



超一流大学を出て
3年もこの番組をやっていても そんなもんです
ちょっとした不安は デフォルトだと腹を決めて
行ってきます★

大根おろし。

2022年10月08日 21時11分18秒 | 自転車



いろんなところを走り回ってます





五郎さんと行ってみたい美容室を発見(笑)






自転車にまつわるお店を見つけると
必ず見に行きます
取材すると面白いかもしれないし
ちょっとした出会いがあるかもしれない





場所だけでなく 人のことも見ています
よく「ユーチューバーの〇〇さんはどうですか」と勧められますが
大抵の人の動画は見ています


ユーチューバーは「自分が目立ちたい」人がやるものだなあと感じます


やっぱり私は 自分だけ目立ちたい人よりも
出会った相手の魅力を引き出してくれる人と旅をしたい





シマノの新型ブレーキディスクが手に入ったので
変えてみた
しれっとエアロ効果が高くなったらしい


ディスクを変えたとき
ブレーキキャリパーを押し込み クリアランスを広げておいたら
それを忘れて走り出してしまい
レバーを引いてもブレーキが効かず
かなり焦った


焦ったあまり
効かないブレーキを必死に握り続け
右腕から壁にぶつかった





昔ながらの でこぼこ尖った石の塀で
大根おろしをしてしまった



後悔した


なぜあの時 ブレーキレバーから手を離さなかったのか?
そして手のひらで壁を押し返せば 大根おろしをせずに済んだのに



咄嗟の時に冷静な判断ができなかった
自分はまだまだだ




Facebookで 広めの傷の手当ての仕方を質問したら
キナンの畑中チャンプとか 沖縄140km勝者の岩切さんとか
たくさんの人が答えてくれた


つまり彼らは怪我をしまくっているということだ(笑)







勧められたのは ハイドロコロイドの大きなロール状シートと
ニチバンの防水テープ
水で汚れをキレイに落とした傷口に ハイドロコロイドを被せて
上から防水テープで覆うだけ
これがウルトラ快適だった


以前病院で手当てしてもらったときは
傷口にガーゼをあてて 包帯でぐるぐる巻きにされたのだが
傷口から出てくる液が染みて大変だった
今回は 防水シートが完全に蓋をしているので
液も漏れてこないし トレーニングで汗をかいても剥がれなかった






練習後 銭湯に行っても
傷はまったく気にならなかった


銭湯なんて滅多に行かないので 勝手がわからず
蛇口をひねって「水が出ない…」と困っていたら
となりにいた 全身に仏様の絵が描いてあるおっちゃんが
何かを押すジェスチャーをしてくる

ひねっていた蛇口を押したら お湯が出た(笑)
おっちゃんは「グー!」というジェスチャーをして
ニカっと笑った

9月の走行距離と入部練。

2022年10月04日 19時26分12秒 | 自転車
9月の走行距離は
1339kmでした


かなり頑張ったんですけどね〜
これ以上走ってる人は
どれだけのものを犠牲にしてるんでしょうか


でも いつも以上に走れたことで
調子は上がって来ている気がします


気がするだけかも知れませんが
そう思わないとやってられない(笑)






10月はさらに距離を走って
耐性をつけたいところだが


自分で撮影するロケを入れてしまったので
そこで体力を使い果たすと 体調を崩して
11月に向けて調子が下がってしまう


とはいえ 手を抜くことなんて出来ない性分なので
どうなることやら





日曜日
久々に 入部選手の所属する
「弱虫ペダルサイクリングチーム」
の練習に参加させてもらった



5月に参加した時は
自分の練習というのもあったけど
「弱虫ペダル」とのコラボ番組をどうしようか考えたくて
参加させてもらっていた


番組でイノッチたちがやっていた
「アテレコヒルクライム」とかは
チーム練に参加して思いついたことだった





今回は純粋に 自分の練習のために参加したのだが
メンバーが凄すぎた


入部さんや香山くんら 今年のプロツアーで大活躍したメンバーの他に
岡篤志選手
そしてなんと
「弱虫ペダル」作者の渡辺航先生がいらした




しかもスタート直前 入部さんが笑顔でこう言った
「言わなかったですけど 今日は3000アップですからね」


…3000アップ
つまり獲得標高3000mのウルトラ山岳コースってことだ


「沖縄に出るならちょうどいいと思いますよ」
とニコニコしている入部さん
知っててわざと言わなかったな(笑)





最後尾からスタート
目の前には渡辺先生
走り方には その人の性格や人生までも滲み出るものだが
渡辺先生の走りは とても美しかった


純粋
実直
努力
そんな言葉が背中に見えた気がした


この方だから
あんな純粋な漫画が生まれたのだと
そのフォームにずっと見とれてしまった






ボトルの水が切れた私に 渡辺先生が
水場を教えてくれた

「お腹の弱い私でも飲めますから大丈夫ですよ」

先生は本当に優しかった






8本の坂を登るコースの
5本目までを終えた時
入部さんがスルスルと私のところにやってきて
こう言った

「林さんが最後に上げたいなら 全員で一緒にスタートさせますよ」

…それって 最後は全力で上げて
メンバーと勝負しろということではないか

「最後の坂は 7〜8分の上りの後
 1分の下りがあります
 そこまで踏ん張れば休めます
 そして最後に10分ちょいの上りです」



ここまで言って来るってことは
選択肢は1つしかないじゃないっすか(笑)



6つ目の坂を 240Wほどに抑えて上り
平坦区間
みんな勝負に向けて脚を温存し始める


左手には筑波山
あの山の頂上付近まで これから全力で上る


7つ目の坂が始まった
徐々にペースが上がる
私はトレインの4番手
後ろは入部さんと岡選手
勾配がゆっくり上がり始める
250Wほどだったパワーは
330Wほどになった

キツいがこのまま8分なら行ける
と思った瞬間 前の2人(香山・内田)がアタックした
キレが良すぎて 全く反応できない
前を走る3番手(細川)も 遅れまいとペースを上げる
380W
キツいが もう少しなら行ける
目の前の細川くんの 5月の時より発達した脚を見ながら
ひたすら耐える


そんな私を 岡選手が
呼吸も乱さず 風のように追い抜いて行った




坂の頂上が見えた!
あそこまで踏ん張れば 下りで1分休める!


だがそこは 頂上ではなかった


さらに先へと続く坂を見て 私は千切れ
細川くんの背中が離れていく
すかさず入部さんが そのギャップを埋めて
私の風よけとなってくれた


ありがたい…
いや待て これは違うぞ
必死に漕がないと着いていけないペースで走っている
つまり千切れて勝負から降りて 休むことなんて
許されないということではないか(笑)


入部さんの絶妙な牽きのおかげで
私は休むことができず
息も絶え絶え 下り坂に突入する

9分10秒 300W


「この先の右折 砂が浮いてるので気をつけてください」


と入部さん


息がほとんど乱れていない(笑)


右コーナーを曲がると
遠くに細川くんが見える
諦めなければ追いつくかも知れない


だが 踏んですぐに分かった
もう脚がない(笑)
踏むたびにハムがキュンキュン言ってくる


「もう脚がないっす!」


ペースをSSTぐらいに落とすと
これならなんとか行けそうだ
270Wでひたすら耐える


平坦になると 後ろにいた入部さんが
スッと前に出る


ありがたい…
チャンプ自ら風よけになってくれるのか


いや違うぞこれは
私が休めないペースで前を牽いている(笑)
休むなよ 諦めるなよと
チャンプの背中が言ってくる


入部さんから発射されて
先着した選手たちが談笑するゴールに飛び込んだ

10分02秒 270W


岡選手が ちょっと驚きの顔をして
「ナイスファイト!」
と言ってくれた



入部さんが来て
こう言った

「林さん 諦めちゃダメですよ
 今だって もう少しで細川に追いつけましたよ
 諦めなければ もう一度前の集団に戻れることだってあります
 ロードレースは何が起こるか分からないんです」



90km 獲得標高2560m
TSS 247



入部さんと チームの皆さんに感謝
そして こんな素敵なチームを作った渡辺先生にも感謝