自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

ニューバイク到着&フレームプレゼント。

2023年09月25日 13時42分26秒 | 自転車
来月になるとアナウンスされて
がっかりしていたら
「グッドニュースです!」という知らせとともにニューバイクが届いた








キャニオンのエアロードCFR
CANYON SRAMチームカラー


軽いエアロロードが欲しかったのもあるが
一番の決め手は見た目だ(笑)
ずっと白いフレームが欲しかった





見た目は大事だ
乗るテンションに直結する





PINARELLO F10も空力はかなり良いが
このバリバリのエアロードは さらに空気抵抗を感じない
乗ってすぐに「速い」と感じた





乗り味は全く別物で
「硬い板」だった乗り物が
「硬いバネ」になった感じ


ガンガンに漕いでテストしたかったが
走り出してすぐに 膝がギンギンに痛み出した
青森の666kmライドから1週間休んだのに
痛めた膝がまったく治っていないではないか(笑)


あの300km地点から痛くてダンシングできなかった辛さが蘇る…



せっかく車で3時間半かけて東三河まで来たので
60kmのんびり走った







次の日は 男子部と合流
練習に参加した


膝の痛みが心配だったが
ツキイチを決め込んでついていった


「みんな疲れてるからベース練習にしよう」というので
それなら着いていけるかも…と思っていたら
時速46km(笑)



↑撮影:伊織くん



自分も昔よりは前傾姿勢が取れるようになったが
まだまだだな
これ以上何をどうしたら あそこまでの前傾ができるのだろうか(笑)







ゆるく走って300Wって どういう体しとるんじゃ
体調を悪くしていたので 直接会って話せて良かった







最近元気がない伊織
君の様子を見に来たんだよ







樹は経験値がすごい
一緒に走って いろいろ教わって
たくさん叱られようと思って来たのに
この脚では最後まで一緒に走れそうにないや







ヤッシー
優しくて頼りになる男
こういう職人気質の男は 大好きだ



ヤッシーがバックポケットから補給食を取り出した際
何かを落とした
金属音がしたので 「すわ! 大事なものが落ちたっぽい」と思って
トレインから離脱して取りにいったら





エネ餅だった…


時速50km近い男子部トレインは あっという間に見えなくなり
私の男子部練は終了した(笑)










その後 56サイクルへ





PINARELLO F10を磨いてもらう約束をしていたのだ








最近 U23の選手たちと話す機会があった
自転車競技に打ち込んでいる若者たちは 高級なバイクに乗っている人が多くて
経済的に恵まれているものだと思っていたが
話してみると みんなお金に苦労していた


「高校時代は新しいバイクを買うお金がないから
 ずっとボロボロの貰い物のバイクに乗っていた」


そう話す選手たちを見て 支援できることはないかと考えていた


このフレーム キレイにして
若い子にプレゼントしようと思った






五郎さんは「売れますよ。少しでも資金にしたらどうですか」
と提案してくれたが
若い子にプレゼントしたいことを話したら 納得してくれた

そして「お金は要りません」と言って
フレーム磨きの代金を受け取ろうとしなかった






新品のようにピカピカになった


マット塗装なので どうなるかと思ったが
マットな雰囲気を残しつつ とてもキレイにしてくれた上に
ガラスコーティングもしてくれた







というわけで
五郎さんが磨いてくれたPINARELLO F101 DISK
ジロ・デ・イタリア限定カラー
ガラスコーティング済み
プレゼントします
※フレームのみです BBなどは取り外して送ります



若者限定です
今回は15歳〜18歳とさせてください
バイクコントロールに直結するので 身長も165〜172cmの方限定です
生徒にあげたい先生や 子供にあげたい親御さんも応募OKです


フレームが欲しい理由を書いたメッセージを
コメント欄に書き込んでください
公開されることはありません
連絡先を忘れずにお書きください



締め切りは 9月いっぱい
該当者がいない場合は 誰かに売って
その売上を選手にプレゼントします



とても良いフレームなので 未来を切り開く戦闘力になってくれるはずです
ご応募お待ちしています☆

今週・来週はロードレース男子部!

2023年09月21日 17時05分11秒 | チャリダー★
今年もロードレース男子部の放送があります


初戦はニセコクラシック!






個人的には思い出すだけで気持ちが重くなりますが(笑)


あのコースで男子部はどう戦ったのか
見届けてください






ロケ中って やること山積みで
自転車に乗る時間が本当に取れません


例えば 地上スタッフの撮影ポイントを決めるにも
景色が良いところで撮りたいし
どこでアタックがかかるのか レースの展開を予想して
編集後に どのタイミングで定点カメラの映像が欲しくなるかを
考えておかないといけない
1ヶ所決めるにも意外と時間がかかるんです



さらに 交通規制の網をかいくぐって
スタッフを先回りさせ もう1発撮りたい


現地では延々と地図を見ながら 脳内シミュレーションをしています




自分もカメラ付けてレースに出ようなんて
考えなければ楽なんですけどね
(どうせすぐに千切れるし)






でも
男子部の良いところは
仲間を知り尽くしている連帯感
やっぱり私も一緒に走っていないと
その輪の中には入れないのです







2週連続 前後編でお届けです!

「新生ロードレース男子部 ニセコクラシック前編」
9月22日(金)夜9時30分〜
@NHK BS1


ちなみに後編は29日(金)!
ステキな新メンバーにも注目です★





青森一周650km。

2023年09月19日 11時41分29秒 | 自転車
今年の最大目標がついにやって来た

距離650km
獲得標高7000m
制限時間は32時間



今回は出演者やスタッフとは ほぼ別行動
一応カメラは持っていくが ひとりの参加者として走る







なぜこんなチャレンジをするのか?
それは 自分が最も苦手なことだからだ
自転車を始めたとき どこまでも遠くへ行きたいと思ったが
50kmで背中や腰が痛くなるし
長距離は自分には向いてないと思った





ロングライド女子部を立ち上げた時
自分も一緒にチャレンジしようと思った
その中で体感したことは 番組にも活かせるだろう


去年の12月から 長距離を走るにはどうしたら良いか
ずっと人体実験を続けてきた
補給食のこと お尻や腰の痛みのこと
7月に400kmを達成した時は
650kmも夢ではないと感じた



だが スタートして間もなく
待っていたのは絶望だった





朝6時3分に 新青森駅をスタート
陸奥湾を眺めながら 潮と森の混ざり合った空気の中を行くと
まったく脚が踏めないではないか(笑)


数日前の 最悪の状態よりは良いが
150Wを踏むのがキツい




出演者たちが あっという間に遠のいていく
参加者たちに 次々と追い抜かれる


140W
これが今日の自分が出し続けられるパワー
普段は心拍110前後なのに 今日は150まで上がってしまう
それにこのスピードでは 休憩なしで走り続けないと
32時間ではゴールできない


70km地点の野辺地に着いた時点で
リタイヤを考えた
判断が遅れるほど 帰りにくくなるし
命に関わる可能性も大きくなる




だが
どうしても諦めたくなかった



諦めたくないんだ




↑…と葛藤している頃の自分(笑) Photo : Masato Taki




どうせなら 32時間で行けるところまで行ってやる


そしてこの体がどうなるのか 人体実験をするのだ(笑)







150km地点 ハリボーを補給したら調子がさらに落ちる(以降2時間130W)
200km地点 気持ち悪さは去ったが 固形物が喉を通らなくなる





220km マグロで有名な大間崎をノンストップで通過
      補給はひたすらジェルと高カロリードリンク

      濃いカルピス→飲むと喉が乾く
      トロピカーナ→調子が下がる
      コーラ→調子が上がる
      三ツ矢サイダー→調子が上がる
      スムージー→気分が良くなる



270km地点 11時間経過
内転筋が攣り始める
早すぎだろおい(笑)
ここ1ヶ月 ほとんど走れなかったツケだ
さらに膝が痛くてダンシング(立ち漕ぎ)ができず
お尻の痛みを逃がせなくなる



万事休す
詰んだか…


1分も無駄にしたくなかったが
このままではダメだ
道路脇のスペースで 大の字に寝転んだ







空が遠く キレイだった
3分横になっていたら 行ける気がして来たので
起き上がる



青森の風はもう秋の気配
走り出すと 気持ちよかった



すると






50mほど前の森の中から 黒い物体が現れた






熊だよ…
しかも子連れ…
いちばんヤバいやつじゃないか


3分寝たおかげで鉢合わせしなくて済んだのか…



早くどっかへ行ってほしいが
モゾモゾとして道路脇に居続ける
あの脇をスプリントで突破できるか?
いや それは余りに危険すぎる


これは待つしかない そう思っていたら
めったに来ない対向車がやって来た



チャンスだ!



対向車が 熊の真横を通り過ぎるタイミングに合わせて
車を盾にしてスプリントで突破した



スカスカな脚が
さらに無くなってしまった(笑)








300km地点 日没
パワーはどうにもならず 140Wも苦しくなってきた
さらに生まれて初めて
自転車に乗りながら眠くなった

ウルトラマラソンなどで疲れ果てたランナーが
そのへんの岩がふとんに見えて来て
ダイブしてケガする人が多いらしいが
その気持ちが少し分かった(笑)



実は今回 360km地点に宿をとっていた
400kmブルベの経験から ここで風呂に入って回復させ
この後の八甲田の激坂17kmに備える作戦だった
温泉まであと30km
まさにグッドタイミングだ



ルート上にあった「東北温泉」
宿が閉まる10分前 21時50分にギリギリ到着
10分で風呂に入り 畳に横になった
とても良い湯だった
念入りにストレッチをし
22時30分には出ようと思っていた


………


泥のように眠ったらしい
ハッと起きたら 23時40分だった
うーむ やってもうた(笑)



食べられなくて持ち歩いてたグラタンを
ポカリスエットで流し込む
24時ちょうどに出発
スタートから18時間経過
ここから最大の山場 深夜の八甲田山を越える





ヒルクライムを前に コンビニでトイレを済ませる
軽量化したが 5分のロス
さらにここでシフトレバーの電池切れ(笑)
電池交換に10分ロス



距離17kmで標高1000mまで上がる
この道は五郎さんとの旅で走ったので知っている
途中にアントニオ猪木家の墓があるが
割とどうでもいい情報ですな(笑)



上り始めて おお!? と思った
パワーが少し出るようになったではないか
180Wで踏めている
希望の光が見えてきた
しかし17kmの上りは長い
1時間半もかかってしまった



↑どこまで行っても真っ暗闇


下り坂を できるだけノーブレーキで駆け降りる





450km地点 黒石市
160Wで踏めている





田舎館村
ここの田園風景は何度見ても素晴らしい





480km地点 弘前を通過
岩木山が見えて来た


残り180km
制限時間まで8時間
岩木山 竜飛崎と 1時間のヒルクライムが2つも残っている


何かを考えると 絶望しか襲ってこない
どう考えても無理なのだ
つい寝てしまったあの1時間さえ無ければ…
トイレの5分が無ければ…
出発前にシフターの電池交換をしておけば…


だが あの1時間の睡眠が無ければ
八甲田を1時間半では上れなかったかもしれない
あのトイレが無ければ
八甲田の暗闇でトイレするハメになったかもしれない









よく考えることがある



この世の全てのことは
宇宙が生まれた瞬間から決まっているのではないかという疑問だ



西から東に風が吹く
それは気象条件がそうなっているから 風が吹く
風が吹いたら その後の気象条件が変わり
また次の風が吹く
無限にある条件を網羅できたら
未来の風も予想できることになる


自分がその場で判断したと思っていることも
判断するための条件が揃ったから そう判断したのではないか
つまりそれは 自分が判断したと思ってはいるが
そう判断するように決められていたのではないか



未来は決められている
だからこそ自由なのではないか




私が今日 頑張るか諦めるかは
決められたことなのかもしれない
それなら自分は 頑張る方を選んでいたい






最後の難関 竜飛崎を42分で上り
ギリギリ首の皮一枚で希望を残す



627km地点
TSS(疲れの数値)が777.7という
一生見ることのない数値に(笑)


あと1時間40分で40km
痛みしかない脚には厳しい
諦めそうになる心を 置き去りにする
諦めたら終わりだ




スタートから31時間
新青森駅が見えて来た
そして制限時間ギリギリ9分前にゴールした


諦めなくて本当によかった




距離 666km
31時間51分03秒
消費カロリー 14628kcal
TSS 860



またもや見たことのない数値が(笑)






ゴールで 懐かしい人と出会った
ソロ組トップ(28時間!)でゴールしたフィリップさん
実は台湾KOMでご一緒したことがある顔見知りだ


「体とか痛くなりませんか?」と聞いたら
「どこも痛くないです」と(笑)

どうして痛くならないのかと聞くと
それぞれ工夫しているからと言う


お尻の痛み → 超柔らかいサドル(1300円)
       &お尻の痛くなる箇所に絆創膏(ケアリーブ)
腕の痛み → エアロバー
補給食 → 固形物が入るうちはひたすらエネ餅
     あとはジェル


まだまだ研究が足りんのう…



出演者がどうなったかは 番組をお楽しみに




666km走ったご褒美は
しじみの味噌汁とカップラーメンでした★





低空飛行。

2023年09月14日 07時42分30秒 | 自転車




帰国して以来 まったく体が言うことを聞かない



あちらでのミッションがハードすぎて
せっかく持って行った自転車にもほとんど乗れず
9月の走行距離はたったの700km(笑)
そして帰国したら体調を崩し 乗れない日々が続いている







涼しいと聞いていたヨーロッパが 記録的な猛暑で
ヘルメットや鎧の汗を洗い流した




体に力が入らなくて
自転車に乗っても100Wでしか漕げない
もちろんメンタルも低空飛行
誰とも話したくなかった


2週間後のミッションは 650kmを32時間以内というもので
体調万全で行っても自分には厳しい
とにかく回復しないと足手まといにしかならない
ひたすら食べて ひたすら眠った










体とは不思議なものである


1週間ひたすら食べて眠っても回復せず
噂に聞くコロナの後遺症か? とも思ったが
すがる思いで整体に行き 呼吸を深くしてもらうと
少し体調が上向きになった


ここで体に刺激を入れておかないと
まったく踏めないまま本番を迎えることになる
夜中の荒川で10分SSTを2本やった
1本目はパワーが出ず 10分224W
2本目 ようやく脚に力が入って 10分266W
1ヶ月ぶりに高めのパワーで踏んだ


そして次の日
体が全く動かなくなった(笑)






体は動かなくても
準備は進めないといけない
ブルベは準備9割
チューブレスタイヤをセットしては眠る
チェーンを洗いワックスを塗って また眠る



そして今日
いよいよチャレンジの2日前
なぜか体に力が戻ってきた
SSTが刺激になって 体が何かを取り戻したのか?



ちょっと乗ったら 体幹に力が入るようになってる
これは行けるかもしれない…




650kmを32時間
攻略法は いかに休憩をせずに走るかだ
100kmに1回 15分の休憩で行ければ
ギリギリゴールできる計算
幸い私は眠気には強いので
睡眠なしで走り切れるとは思う



果たして どうなることやら(笑)



帰国トリプルパンチ。

2023年09月04日 23時44分50秒 | おしごと日記
2年半ぶりの海外は
ミッションありつつのプライベート旅でした






ロシア上空を通れないので
ヨーロッパへの行きはアラスカ上空から





旅はスタートから面白いこと続きで



レンタカーを借りると
「ウォッシャー液レベルがロー」のランプが付いている


おいおい レンタカー屋は何やってるんだよと思いながら
ウォッシャー液が出ないのも気持ち悪いので
スーパーでボトル1本購入
ドボドボと注いでみると





ぜんぶ漏れてきた(笑)






通りがかったおっちゃんが
「おい! 漏れてるぞ! 俺クルマ修理できるから見てやるよ」
と腕を突っ込んだ瞬間 大きな穴が空いてたらしく
大爆笑して納得していた




ついでに言うと このレンタカー
オイル交換表示も出ていたので オイルも購入
ただし交換どころか 1本(2リットル)まるまる足して
ようやく規定量に達したという状態
オイルってそんなに少なくても走れるもんなのか(笑)



なんか いろいろダメでも
生きていけるんだな世の中は
そう思えた旅のスタート(笑)






予約した安ホテルに着いたら なにやら真っ暗


電話したら「遅いから帰っちゃったよ」と(笑)




でもおっちゃんは親切な人で「入り口に電話番号貼っといたから そこに電話してくれ」という





番号が見えん(笑)








今でこそ笑い話だが
その場その場では「マジかよ…」の連続で
帰国したら 案の定ダウン
4日間ずっと寝ていた


9月中旬には 今年最大のチャレンジが待っているので
早く走れる体に戻したい気持ちが焦って
眠りながらずっと嫌な夢(ロケがうまくいかない的な)を見続けた



ようやく歩けるようになったら
泣きっ面にハチのお知らせが





7月に届くはずだった新車が
8月に延期…9月に延期…
ついに10月になるという



最初から「10月になる」と言ってくれれば買わなかったのに…
もうこのメーカーの納期は信用しないぞ
絶対11月…12月…と延期されていき
納車されるのは来年の春以降になるに違いない




あ〜
良いことがひとつもないという状況も
ままあることである
こんな時はどうするか?
人間国宝の息子・茂山宗彦(もっちゃん)が
たいへん良い言葉を教えてくれた

「歯磨いて屁こいて寝よ」


さあ 歯磨いて屁こいて寝ます(笑)