自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

ただいま。

2016年09月29日 14時07分47秒 | チャリダー★
ツールド東北の取材から戻りました!


ディレクターのいちばん最初の仕事は、
取材する人の気持ちに近づくこと。
家を流されてしまった人と出会えば、その人の気持ちに近づこうとし、
お子さんをなくした方と出会えば、その気持ちになろうとする。


何日か一緒に過ごしていたら、
ついにはその気持ちが夢にまで出るようになって、
愛する人たちをうしなった夢ばかり見ました。
毎日、わんわん号泣して目がさめる。
実際に被災された方々の思いは、こんなもんではなかったでしょう。



しかし、驚いたことに、
彼らはとてもよく笑う。
なんでそんなに明るくいられるのか? と聞くと
ある人がこう答えてくれた。


「なんで生き残ってしまったかと
 幾夜も後悔したけれど、
 死んだ人たちに萎れた顔ばかり見せるわけにはいかない。
 私は元気だから大丈夫だ、という姿を見せていたい」
 

感嘆。一言もありません。
この悲しさと明るさを伝えられる番組にしなくちゃね。




さて、そんな東北ロケでしたが、
嬉しいこともたくさんありました。





おや、ホイールの色がいつもと違いますね。
夢のホイール、ライトウェイトさんです。
宮澤崇史さんが貸してくれました。
まさに飛ぶように走れるホイールでした。
回転はGOKISOと遜色ないのに、ウルトラ軽い。
カチカチではなく、絶妙なしなりが超気持ちよかった。

ただ、ホイールぜんぶがカーボン一体成型なので修理できず、
5000キロぐらい走ったらおしまい、のお品だそうで。
お値段70万円。。



そして。




ラッキーなことに、別府フミ選手(世界トップカテゴリーのプロ選手)とエイドで遭遇!
(撮影:うじきさん)
こんなチャンス二度とない! と
走りを撮らせてもらいたいと直撃したら
なんと快諾いただきました。

しかも、一緒に走ってたら
走りをめっちゃ褒めてくれた。


褒められるのって、嬉しいですね。



たくさん泣いて、たくさん笑ったロケでした。
宮城のみなさんに感謝です。
いつか必ず、カメラなしで
もういちど走りに行きたいなあ!

東北へ。

2016年09月10日 22時13分27秒 | チャリダー★
ジロ潜入取材第1弾をご覧いただいたみなさま、
ありがとうございました。


次回は坂バカ女子部が参加した「鳥海ヒルクライム」です。
すごいことが起きますので、どうぞお楽しみに☆



さて、編集を終えてすぐ、やってきたのは東北でございます。





「ツールド東北」という、石巻〜気仙沼間を走る
ライドイベントの取材です。


このエリアは、2007年に初ディレクター作品として作った
「男自転車ふたり旅 どんど晴れの舞台めざして」の撮影で
がっつりお世話になったところ。


スタッフと昼飯を食べた女川の食堂は、更地になっていた。
全員で休憩した雄勝の売店も跡形も無くなっていた。





自転車で走ると、いろんなものが見えてくる。
地面そのものを10m以上嵩上げしてしまう大土木工事の音。
その埃と潮のまざった匂い。
すれ違う地元の人は、ほぼ例外なく声をかけてくれる。
他人に無関心な人なんて、ここにはいないようだ。





気仙沼の仮設商店街で
床屋さんに「顔剃り2000円」と書いてあったので
お願いしてみた。
顔剃りなんて、何年ぶりだろう。
30分ほどかけて、丁寧な仕事をしていただいた。
店や家が流されてしまった人たちは、
残ったローンだけを払い続けている人も多い。
さらに新しい店舗を持つことなんて…と
遠い目で語ってくれた。





地元のチャリダーたちと出会ったので、少しだけご一緒させてもらった。
口々に、ようやく暮らしが立ちゆくようになった、と言っていたけれど、
やはり当時の話になると息が苦しそうになり、涙が溢れてきてしまうという。

人と出会い、話を聞けば聞くほど、
私の中に一つの疑問が湧き出てきた。

「私はここで何をやってる?」


家がまるごと流された。
飲み物がないので、みんなで自販機を壊して飲み物を手に入れた。
妻が死んだ。息子が死んだ。
祈りもむなしく。
知人の遺体が木の上にぶらさがっていた。


生き残った人たちは、
「私だけ生き残って、飯を食い、眠り、笑っていて良いのか?」
そう思ったという。
私も、その思いが頭から離れない。
こうして被災者に話を聞き、一緒に涙を流してはいるが、
クーラーのついたホテルへ戻り、飯を食い、ベッドで眠るのだ。

「そんなことしていて良いのか?」
「私はここに何をしに来たのだ?」


私はここ数日、すっかり飯がのどを通らないので、痩せた。
そんなことしてたって、この土地の人は誰も喜ばないのにねえ。



目標はひとつ。
ここに暮らす方々の少しでも力になれるような番組を作ること。
必死にやってみますので、
どうか見ていてください。

ついにジロ取材が日の目を見るかも?

2016年09月05日 23時18分23秒 | チャリダー★



単身で突撃取材をしてきた
今年のジロ・デ・イタリア。
なんとか1本目が放送にこぎつけそうです!





1本目の主人公は、メカニック。
日本人の若きメカニックに密着しました。
通訳ナシだったので、もう一歩チームに踏み込めてない感じはありますが…
メカニックの職人魂が素敵なので、面白くなると思います。





「チャリダー列伝」のコーナーは5〜6分と短いため、
田舎ホテルのボーイさん(おっちゃん)たちが素敵だったことなどは
残念ながら出てきません。





チームカーから新婦さんにボトルのプレゼントという
粋な計らいがあったことも…





素敵な村々の風景も…





イタリアのテレビにインタビューされたけど
ぜんぜん気の利いたコメント出来なかったことも、
もちろん放送されませんが。。。



ジロ・デ・イタリアのメカニックの働き。
9月10日(土)18時からの「チャリダー★」にて!
見てくださいませ〜!