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久々に ホテルで自転車を組み上げております
ここはウズベキスタン
8年前に女優の中村ゆりちゃんと来て以来2度目
もちろん今回も撮影で来ています
コースを試走して撮影プランを考えたり
撮影後に時間があればトレーニングをするために
これまた久々の海外用バイクの出番
レースでもない限り 海外に持って行くのは
クロモリ(鉄)フレームのコルナゴ・マスターオリンピック
万が一折れても鍛冶屋に頼めばくっつけてもらえますからね
ところが今回のウズベキスタンは そんな甘いものではありませんでした
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空港に着いたら まずは水と補給食を購入
ホテルに着いて「水が無い!」となることが多いからです
こういう時は 地元の人しか行かないような店に行くのがオススメ
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お菓子はバラ売り
これだけで心ウキウキ
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まさにお店を切り盛りしていたお姉さん
たぶん20代だと思う
「ステキな服ですね」と言ったら たいそう盛り上がってくれた
たぶん通訳が「ステキですね」とだけ訳したっぽい(笑)
しばらくの間 まったく分からないウズベク語で
商品を説明してくれた
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初日の撮影が終わり 夕方の5時
ウズベクの日没は19時だというので 走りに出かけた
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ホテルで組み立てたバイクを調整しながら走る
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どこかで見た風景だと思っていたら
アルゼンチン北部 トゥクマン近郊の
標高2000mあたりの風景と似ていた
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道のガタガタ具合も似ていた…
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雨が降り出した
放牧から帰る牛たちが
まったりとこちらを見る
牛飼いの少年たちが
じーっとこっちを見るので
こちらも気づいて少年の方を見返すと
ササッと視線を外す(笑)
とてもシャイな人たちなのだ
それでも臆せず手を振ると
氷が溶けるように笑顔が弾けて 手を振り返してくれる
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8年前と変わらずソ連製のポンコツだらけ
走ると「ボロボロボロ…」という音がする
あちこちでボンネットを開けて
車を直してるおっちゃんがいる
ガタガタの一本道を ひたすら上って行った
平均勾配は6%ぐらいか
けっこうな坂が続く
なんとなくパワーの数値が低いなあと思っていたら
標高1500mだった
2分 330W
1.5分 352W
5分 270W
ゼーゼー言いながら走ってたら
不思議なものを見る目で おっちゃんたちが見ていた
13km上ったところで日没直前
ホテルに戻ることにした
しかし ここからが地獄の始まりだった
平均勾配6%の下り坂を 雨の中下って行く
気温は10度
めちゃめちゃ寒い
スピードの出ない上りでは気にならなかったガタガタが
電気アンマのように全身を襲う(笑)
ガタガタというより
ボコボコなのだ
深さ10cmぐらいの穴や溝が 次々と襲ってくる
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パンクした…
こんな時に限って パンク修理道具を置いて来ていた
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ホテルへの道は 果てしなく遠かった
ホテルまで8km
泣けてくる
しかし 泣いたところで歩くしかないので
腹を決めて楽しむことにした
鳥のさえずり
牛の声
ヤギの声
時々 人が叫ぶ声
時間とともにだんだんと静かになってゆく
世界全体が ゆっくりと眠りにつこうとしているようだった
ようやくホテルにたどり着き
1人でガッツポーズ
びしょ濡れになったウェアを脱いだら
何かがこびりついている
よく見たら 牛の糞だった
雨の水しぶきで うんこが巻き上げられ
全身まんべんなく浴びていた(笑)
この日は夜中まで 大洗濯祭りとなりましたとさ
つづく★