自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

続・河内賞。

2025年01月13日 21時58分06秒 | おしごと日記
以前 会社の大先輩・河内さんから
メールをもらったことを書いた


五郎さんの高知旅を とても褒めてくれて
「また放送があればお知らせください」と言ってくれた



河内さんは 私が入社した頃すでに60代なかばの大先輩で
どんな大物出演者とも対等に渡り合い
どんな緊迫した現場でもニコニコと余裕で
この世は全て日常の延長であるのだと思わせてくれた
まさに神ディレクターである





その河内さんから キルギス旅への感想が届いた



林さま
 楽しい番組のお知らせありがとう! とても心地良く拝見いたしました。
 キルギスの風景にも心惹かれましたが、出会った人々の表情が(なかなかお眼にかかれなくなった)独特のやさしさがあって、心に残ります。
お医者さんになるといった少女の遠くを見つめる表情、遊牧の仕事は自分一代とずっしりと受け止めている母親のことば。
また、ナンを焼いている男性にはなぜか特に近親感が湧いてきました(お饅頭やさんの店先で紅葉形の焼き印を押している親父さんのような…)。
 出会った人々の切り取り方に林さんのやさしい眼を感じました。その眼と、自転車ならではのリズムとスピード感が、この番組が伝えてくれた「素敵なメッセージ」でした。

*ひとつだけ、諸般の事情あってのうえでしょうが、背景音楽をもう少し倹約出来るとよかったなあ、と。
 もちろん、この取材がものすごく大変だったに違いないのを充分くみ取って上のことですが、どこかで「自然の大気・サウンド」を(息づかいの迫力と同じように)挿入出来たらなあ!と、いまだに実用自転車で街を走り回っている「老・チャリダー」からの余計なひとことでした。
 これからも、林さんの眼と(耳)で切り取った世界を見せてください!! 楽しみに待ってます。


※河内さんの許可を得て掲載しています





河内さんからのメッセージを読んで
とにかくワクワクがとまらなかった
こんなに前向きなダメ出しをしてもらったのが
久しぶりだったからだ



「つまらなかった」というような意見をもらうことはある
でも 面白くするにはどうしたら良いかは 教えてくれない人がほとんどだ


なぜなら 文句を言うことは
世の中でいちばん楽な行為だからだ


そして「どうしたら良くなるか」を言えるようになるには
血の滲むような努力が必要になるからだ








文句を言うことには 何の努力もいらない

楽してものを言う人に「じゃあどうすれば良いのか教えてほしい」と聞くと
「それはお前が考えることだ」と
これまた何の努力もいらない言葉が返ってくる(笑)


だから 河内さんのように「どうしたらもっと良くなるか」を言ってくれる人は
とても少なく貴重だ
その言葉のベースには 凄まじい努力と経験が敷き詰められている


そんな人から言葉をもらえるなんて
ワクワクが止まらない






カメラマン兼ディレクターとして行くと
どうしても音声は手薄になる
カメラに高性能なマイクを取り付けたら
あとはオートで録音するしかできない
カメラを回しながら 出演者の会話を理解し
番組構成を考え 次の質問を考え
画角とピントを操作する
その上 音声レベルまで操作することは私にはできない






現場で音声がきちんと録れていないと
編集で音楽に頼ることになる
旅情をかき立てる現場音が録れていたら
音楽は流さないと思う


音声さんを連れて行けば良いだけの話だが
スタッフが1人増えると 車両を大きくする必要がある
となると 場合によっては車両が2台体制となり
一気に動きが重くなる





どうしようもないのだが
これがクリアできたら
番組のレベルが1段上がるかもしれないと思うと
ワクワクする



河内さん ありがとうございます
今年の目標となる大きなプレゼントをいただきました




しかしやっぱり難しい
どうしたら良いかは これから考えるとしよう(笑)






やりたいこと。

2025年01月03日 22時54分31秒 | おしごと日記
今年やりたいことがいくつかある


やってみたい番組企画もあるが
個人的にはプライベート旅を撮影してみたい


去年のフィリピン旅のようなやつを撮影して
短いVTRにしたらどうなるか 実験してみたいのだ



私は人前に出るのが苦手なので
これまで頑なに出演を拒んできたのだが
先日 とてもえらい人に「君はやったほうがいい」と言われた


うーむ…
それならちょっと試してみるか ということで
次のプライベート旅の計画を始めた






行きたい場所は2つ
中国・雲南省のシャングリラと
同じく中国東北部の鞍山だ





シャングリラは標高3000mを超えるエリアにあるので
真夏に行きたいところだが
時間が作れる3月では寒さが厳しいので断念






鞍山は 中国・遼寧省にある大都市で
かつて満州国と呼ばれた時代に 私の祖父が暮らしていた場所だ






鞍山に今もある 巨大な製鉄所


当時は昭和製鉄所と言ったそうで
祖父はここで働いていた
どれぐらいの地位だったかは 聞かなかったが
戦後 戦艦ミズーリに呼ばれて尋問を受けたというので
平社員ではなかったと思う



当時の日本は 乏しい資源を得るために
他国から奪い取ることを考えたようで
昭和製鉄所は国を挙げた大プロジェクトだったようだ
そこに 製鉄の技術者だった祖父は雇われたか何かで
家族で鞍山に移り住んだ



私が祖父から聞いたことは たった1つのエピソード
日本が戦争に敗れ 製鉄所をソ連に明け渡すことになった時
多くの日本人が 製鉄所を破壊しようと主張した
敵に財産を譲り渡すことを よしとしなかったのだ
だが 祖父は製鉄所を無傷で明け渡すことを主張した
そして製鉄所は無傷でソ連の手に渡り
今は中国の企業として操業を続けているという




どうして工場をそのまま明け渡そうと言ったのか
高校生だった私は 祖父からその理由を聞かなかった
これは想像でしかないが もしも工場を破壊していたら
鞍山の日本人たちは無事に帰国できなかったのではないかと思う




そんな祖父の思い出の地を 一度見てみたかった
だが ここも3月は寒すぎて断念
しかも中国の観光ビザを取らねば見に行けないので さらに断念




いろいろ難しいもんだ
とりあえず今年は3月に行きやすい場所で
カンタンに撮ってみることになりそうだ…

山奥にて。

2024年11月29日 20時22分21秒 | おしごと日記



山奥にいました







林業のおっちゃんたちが
「まさかここまで自転車で来るたあ思わんかった」
と笑ってくれた


そして
「この先ぁ自転車じゃ無理ぜよ」
と忠告してくれたのだが
そう言われると行きたくなるもので(笑)






だが道は砂利道ですらなくなり






とてもバイクに乗れない状況となり
※勾配20%あります






そして道は山へ消えた




「自転車じゃ行けない」どころか
歩いてすら行けない道だった(笑)








ようやく辿り着いたヤマザキショップは光り輝いて見えた




店内で何を買おうか迷っていると
50代ぐらいだろうか ひとりの女性客が
他のお客に愛想笑いをし
レジの順番を次々と譲っていた


この人は何がしたいのだろうか?
私はその女性の異様さに警戒した



「どうぞお先に! 寒くなってきたわね〜。いいのよどうぞ」



店内をぶらぶらしている割には 手に持つ商品が増えていかない
ただ店内に居座るためだけに レジの順番を譲っているらしかった




私以外の客がすべて店外に出ると
その女性はようやくレジに並んだ
そしてレジの店員に こう耳打ちをした



「ごめんね、これツケちょって。いつもごめんねぇ」



そうか
地元の知り合いに これを聞かれたくなかったのだ
そして 店員(おそらく店長)は最初からこうなることを察していたようだった


「明日払いに来るけんね」


店員は黙ってうなずき
女性は酒のつまみ900円分ほどを手に持って
エンジン音のうるさい軽自動車で帰っていった






あの女性は 本当に明日支払いに来るだろうか?
おそらく明日来なくても この店からは何も言われない気がした




ヤマザキショップは この地域にとって
なくてはならない店なのだった









数時間ぶりに手に入れた補給食は
心に沁みた











自分の人生は他人が決める。

2024年10月28日 07時04分17秒 | おしごと日記
四国から帰ったあと
2週間ひたすら眠かった






会社の役員に取り囲まれ
何を言われるのかと思ったら
結構な大役を仰せつかった



自分は経営とか 政治的なこととか
まったく向かないと思っているが
やれと言われたのでやることにした





自己評価には「希望値」が入り込むものだ
例えば自分は「短距離が得意だ」と思いがちだが
それはただカール・ルイスに憧れた気持ちを 捨てられないだけだったりする



他人の評価は「利用価値」によってできている
実はそっちの方が信頼できたりする






先日見つけた 信楽焼の茶碗が届いた







この作家の作品がとても好きだ
いつか何かの番組で取材させてもらえないかなあ




残念なことに 私はお茶を立てないので





ご飯茶碗にすることにした



作家さんは 思い描いた使われ方をしないことを
嘆くだろうか?




ちなみにお値段は エントリーグレードのロードバイク1台分
まさかご飯茶碗がそんな値段だとは 家族の誰も思うまい(笑)








トレーニングを再開することにした



娘を習い事に送り迎えする待ち時間に
30分SST を2本
ラスト2分を全力で340W
脚がガクガクになった



レースはもう卒業しようと思っていたし
年明けぐらいまでに 新しい目標を見つけて
ぼちぼちやっていこうと思っていたが
五郎さんから「2026年のグランフォンド世界選手権に出ましょうよ」と連絡があった


2026年の舞台は 北海道のニセコである
よりによって 良い思い出がゼロのニセコかよ…
5分ぐらい返事ができなかった(笑)


が やることにした



やらない理由を探すのは簡単だ
3月〜5月は 番組制作の繁忙期のため
6月の予選までにコンディションを上げるのは難しいし
あのコースは自分向きではない


だが 林には無理だと思っていたら
五郎さんは誘ってこないだろうから
自分が思っているよりも 可能性はあるのだと思う






「自分の人生は他人が決める」
ふわふわと ぼうふらのように生きております(笑)


ただいま。

2024年08月31日 23時35分48秒 | おしごと日記




帰国しました









ロケ中は時間がなくて
2週間で自転車に乗ったのは200kmだけ



ヒルクライムに向けてウェイトを落としてから出国したのに
2kg太って帰ってきた(笑)

決して楽していたわけではなく
とにかく車での移動が大変で
毎日500kmほど乗っていた
座ってるだけなのに疲れるので困った





帰国の日は スタッフより早くホテルを出発し
自転車で空港へ
グーグル自転車ナビを使ったら
ひたすらMTB用の道を案内され
ガタガタ道をさまようハメに(笑)


1時間走っても終わらないオフロード
ここでパンクしたら 車も迎えに来られないし
飛行機に間に合わないぞとハラハラしたが
フィリピンの旅を共にしたタイヤ(ピレリのチントゥラート)は
やはり頑丈だった





今回も灰になって帰ってきたので
1日中ひたすら眠い
去年は1ヶ月以上まともに走れなかったけど
今回はどうかなあ…

海外です。

2024年08月19日 07時44分03秒 | おしごと日記



海外に来ております



編集を仕上げてバタバタとロケの準備
徹夜で飛行機に飛び乗ったら
爆睡してるうちに着いていた


深夜2時にホテルに到着して





恒例の自転車店を開業


バイクを組んで
明朝の撮影のために撮影機材を準備したら
夜が明けた


人生はジェットコースターの如くなり







今回は山岳エリアには行かないので
スプロケを10-33から10-28に交換してきたが





意外と坂が多かった(笑)





今回のロケは体力的に厳しいロケなので
できる限り体を仕上げてきたが
坂の厳しさにハアハア言って走っていたら
口の中に何かが飛び込んできた


喉の奥の方に飛び込んできたのは
あろうことかハチだった(笑)
必死に吐き出そうとするのだが
のどちんこに絡まって ブンブン暴れて吐き出せない

これはマジでまずい
焦ってオエオエ言っていたら
選手たちからすっかり遅れてしまった


事情を知らない選手たちは
林は脚がなくて遅れたと思うではないか
何てことをしてくれたんだ


しかも案の定
刺しやがった(笑)



喉の奥が腫れて辛い…
明日は前半の山場の撮影だというのに…


とりあえず屁こいて寝よ(笑)


そうそう
今週のチャリダーは「歴史街道の旅」です
狂言師の茂山宗彦くんとのシリーズ
関ヶ原から「島津の退き口」をたどりました
ぜひ★


働きすぎです。

2024年08月09日 22時57分25秒 | おしごと日記
ここのところ忙しすぎて
更新できず失礼しました


どれぐらい忙しいかというと
睡眠は1日1時間か2時間
さすがにしんどかったけど
これだけは特殊能力だと自慢できます






やっていたのは
ひたすら編集


ここ1ヶ月は
ほとんどトレーニングできなかった
若いディレクターがつないだ映像を直したり
自分が撮ってきた素材が少しでも素敵になるように
映像や原稿とにらめっこしたり


気が付くと10時間経っていたりする







我々は出演者に人生を託されている と思っている
番組で「この人は素敵だ」と思われるか
「この人つまらないな」と思われるか
ディレクターの能力によって出演者の印象は変わる


だから自分ができる限りの最高の番組をプレゼントしたい




それに
「林以外のディレクターが作ったらもっと良くなったかもしれない」
と思われるのだけは避けたい(笑)








忙しい時ほど 家族のための休日は大事だ
そこで点数を稼がないと ブーブー言われて
仕事に没頭できなくなる(笑)


というわけで 3日間仕事を休んで
家族旅行で瀬戸内エリアへ
この3日間を捻出するのがどれだけ大変だったか
家族は知らない 知ろうともしない(笑)


私の役割はドライバー&観光ガイド
&荷物持ち(笑)
もちろん自転車は無し






小学生の娘が城好きなので松山城へ


この国でいちばん好きな建物かもしれない
あまりに美しくて
ずっと眺めていたかった






この時ばかりは ロケのADさんになった気分
行きたいであろう場所を予約し
スケジュールを作り
行きたい場所へお連れする




広島と愛媛を1000km運転し 空路で羽田に戻ったら
なんとまあ 自家用車のカギが見当たらない
旅先で落としてきたっぽい

あれだけ頑張ったのに
最後の最後でヨメに文句を言われ
娘になぐさめられた(笑)



スペアキーを持って 深夜3時に自転車で羽田まで
車を取りに行った





そして朝6時に帰宅し 低酸素室で1時間寝たら
仕事に向かうお父さんであった




↑標高2500mの酸素濃度
 睡眠1時間じゃ効果ないと思う…




9年ぶりの。

2024年07月22日 14時16分41秒 | おしごと日記
謎の電話の主と 昼メシの約束をした



自転車で向かう途中に通りがかった公園でサンバ隊に遭遇






すげえな サンバってのは
おケツを出して踊るのか…
と感心しながら よく見ると
そのオケツに違和感を感じた

思った以上に垂れているのである



目をこすってよく見ると かなりベテランのサンバ隊だった

大したもんだなあと さらに感心した
見られることで人は美しくなるというが
それはそれで勇気のいることでもある



サイクルジャージを着ることも
自分を美しく律するための道である
「太ってるから着ない」のではなく
「太ってるから着るべき」なのである







さて 約束の店がある高田馬場に到着
9年ぶりに会ったその人とは






講談師の 三代目神田山陽さんだ




山陽さんと最後に会ったのは
自転車探検部のミャンマー編(2015年)のとき
あれから山陽さんは講談やテレビの仕事を減らして
行方をくらましてしまった
携帯電話を持たないので連絡がつきにくく
メールを出してひたすら返事を待つしかなかった



どうやら 10年近く「心の迷い」と向き合ってきて
一区切りついたので連絡をくれたようだ


山陽さんの「迷い」というのは
例えば「原発に反対するからには電気を使わずに暮らしてみる」というような難題で
実際に日が暮れたら寝るなど 原始的な生活に変えていたらしい
自分の生活を「山伏」と言っていた(笑)

そんな暮らしをしていたら そりゃあ世間からは隔絶するわい(笑)






山陽さんは 自分の中で
旅人レベル最高ランクの人だ





言葉が通じないのに
そこにいる人をワーッと明るくする術を持っている





そしてその国の文化や歴史を肌で理解して
同じ人間として納得がいくように咀嚼する





トルコの旅で 見知らぬ人たちから毎日笑顔でチャイをご馳走され
旅の最後にこう言った
「苦労した人が優しいように
 あのチャイは 苦労をし続けてきたトルコの歴史のひとしずくではないか」
聞きながら私は鳥肌が立った





ブータンの標高2000mの村で寒さに震えていたら
出会った家族が温かいスープをご馳走してくれた
そのスープを手に持った山陽さんは

「いい景色だねえ…」

と大切そうにスープを眺めた



手に持った料理を
「良い景色」と表現できる人は ほとんどいないだろう
自分の感動を どう他人に伝えるか?
それは人間にとって とても大事な能力だと思う
そのシーンにまとわりつく細かな空気感まで表現に包み込めるような
私もそんな表現ができる人になりたいが
1度の人生ではちょっと時間が足りないかな






私の旅のスタイルは ほとんどが山陽さんから教わったものだ
旅先での洗濯の仕方から
居候先での立ち回り方まで(笑)


人生で最も影響を受けた人と言っても良いと思う






「急にどうしたんですか?
 山陽さんから連絡が来るなんて珍しい」

と聞くと

「あ いやいや 失礼しました
 ちょっとまた新しいことを始めたいと思ってさ
 誰かに話さなきゃと思った その第1号」

と笑顔で答える



どうやら東京の大先輩の家に居候して
新作を書き続けているらしい



そして敬愛する山陽さんから
報告の相手第1号に選ばれたのが意外だったし
嬉しかった





いろんな話を聞いて 久しぶりにワクワクした
番組になるか分からないけど カメラ片手に着いて回りたいと思った
これからしばらく 北海道に通うことが多くなりそうだ☆









影響を受けた人。

2024年07月17日 21時36分42秒 | おしごと日記
日曜日も試走しようと思っていたが
あいにくの雨


おとなしく車で観光(=ロケハン)して回った





長野と新潟の県境あたりには
すばらしい場所が多い


ここを旅するなら 誰と来るべきかを想像しながら
ひたすら歩き回っていた





いつか行きたいと思っていた蕎麦屋さんは
変わり果てた姿になっていた






美しい蝶が舞うのを じっと眺める


自分が死んでも こうして世界は動き続けていく
寂しさと安心感が混ざったような感覚になる







もう一つ いつか行きたいと思っていた場所へ向かう





新潟 長岡にある
河合継之助記念館





河合継之助は幕末の武士で
長岡藩を率いて 幕府側として戦った人物


私が出会ったのは 35年前の中学生のころ
司馬遼太郎の「峠」を読んだのがきっかけだった
どんな身分の人に対しても視線がまっすぐで
決して自分を守ろうとせず
殿に諫言をして謹慎を喰らい
悪習を覆してお役御免となり
それでも信じる道を貫く姿に 中学生の自分は
こういう人になりたいと思ったのだった






官軍に敗れ 重傷を負った継之助は
会津への敗走の道で死ぬ
その峠「八十里越」は 自転車では行けないらしいが
いつか行ってみたい道だ


登山の装備を買いに行こうかな(笑)






長岡からの帰宅中
見覚えのない電話番号からの着信があった
それはなんと さらに人生に多大な影響をくれた人物からだったのだが





その話はまた後日★

上がらない。

2024年06月11日 03時23分09秒 | おしごと日記
帰国して 案の定体調をくずし(笑)
ひたすら寝ていたかったが
世の中はそうさせてくれないもので



自転車でゆっくりと編集室へ






警察官と一緒に信号待ち


信号が変わり 警官は小さなママチャリで
カリカリ必死そうに漕いで行った


あれでは逃げる犯人に追いつけそうにない
もう少しスピードの出る 体に合った自転車に乗るべきではないかしら







腰を痛めてから メンタルが上がらない
気分はずっと低空飛行で
かといって誰に心の中を吐露できるわけでもなく
ひたすら天使が降りてくるのを待っている


低空飛行の人に対して
私は割と役に立つことを言えるのだが
自分自身に対してはそれができない



なかなかしんどい






新しい刺激を求めて
最新フィッティングシステムの「IDMATCH」を受けてみた


ポジションに不満があるわけではないが
入部正ちゃんが激賞していたし
五郎さんが衝撃を受けたと言っていたので
いつか受けてみたかったのである





自転車とシューズのトータルで33,000円だそうだが
不満がないものに3万払う勇気がなく(笑)
今回はひとまずシューズのみ(3,300円)






足のサイズと 母指球の位置を計測
左右で足の大きさが4ミリ違っていた





さらに片足で屈伸をして
膝のブレを計測
全ての計測が5分ほどで終了





クリート位置をスタッフさんが動かしてくれたが
何のことはない 母指球の真下に持ってきていた


聞けば 母指球の真下が最もパワー伝達効率が高いらしい
「より低いパワーで走れますよ」と
スタッフさんは自信満々の笑顔だ





元々は1センチ以上後ろに付けていた
なぜなら クリートが前方にあると
ふくらはぎを酷使して攣ってしまうためだ



とりあえず足が長くなってサドルが低く感じたので
5ミリ上げて乗っているが
まだよく分からない


とりあえず 目が覚めるような感動体験とはならなかった






新しいクリート位置を 五郎練で試したかったが
編集が終わらず無念の不参加
夜中にひとりで頑張ろうと思ったが
現在午前4時 まだ編集室なのである(笑)



なんとか木曜日までにこのメニューをこなし
少しでも調子を上げて
週末のブルベ(花巻200km)に参加するのが今週の小さな目標


岩手までブルベに行ったら 新しい知り合いができるかなと思っていたら
参加者リストの名前は3人のみ



小さなことをコツコツやるしかないと 思い知る(笑)

帰国しました。

2024年06月04日 00時51分17秒 | おしごと日記




無事に生きて帰りました







標高3000m超は絶景天国
でも寒さと空気の薄さはヤバかった…







毎日が腰痛との戦い
強度が上げられず 体力の限界を感じまくった

宿に着くと マッサージボールで1時間全身をほぐし
そのまま寝落ちするのが日課(笑)







ロケのTSS合計は1300(!)
撮影終了したとたん どっと疲れが出て廃人に(笑)


校長先生の長話攻撃を受けて貧血になったような全身のだるさが
今もずっと続いている
47歳 まったく回復しないのだ…
自分で撮影するスタイルは もう無理なのかなあと
ロケ中 何度も思わされた


自分には何一つ突出したものがないから
いろんなものの合計点で戦うしかない
だからこのスタイル(カメラ&ディレクター)のロケができなくなるのは
自分を失うような感覚になる




でも ロケをしながら密かに落ち込んでいたら
現地の人たちが私を「スーパーマンだ」「20代に見える」と褒めてくれた

褒められたパワーでやりきった(笑)






放送が決まったらお知らせしますね☆


お帰りなさい腰痛。

2024年05月22日 13時39分30秒 | おしごと日記
1週間 家から出られなかった



腰痛が再発したのである



前回のロケ終わりで痛み始め
次の日には歩けなくなった
前回のギックリ腰をパワーアップさせた痛みである



ロケのたびに痛むので
たぶん自分がカメラを回す際の「体のクセ」が原因だと思う

とにかく歩けなくなって 家から出られなくなり
当然自転車にも乗れなくなった


次のロケまで2週間
完治しない可能性も考えて 痛み止めをもらいに外科へ
ヨタヨタ歩いて行ってきた




先生が丁寧にレントゲンで骨の説明をしてくれるのだが
私はち◯こが映ってないかが気になって
話をほとんど聞いてなかった(笑)


とにかく骨や椎間板に問題はないようだが
これでは自転車にも乗れず カメラも回せない




今までは 40年通ってきたゴッドハンドが
何度も危機を救ってくれたのだが
昨年ガンで急に亡くなってしまった
どうしようかと知人に相談し 紹介されたカイロプラクティックに行ったら
無痛をうたっていたのに 見事にボキボキされて
あまりの激痛に私は「ぎょえー!」と叫んでしまった(笑)


その先生は「好転反応」というが
痛みが大きくなりすぎて さらに動けなくなった


先生を信じて ロケまでの2週間そこにかけるか
別な先生を探すか……






腰が痛くても ロケの準備は進めねばならない
車は運転できたので 必死の思いでカメラ修理のため銀座へ





休みだった(笑)
痛みで頭が半分しか働かないので
営業日を見間違えていた




予定では 前回のロケで走り込みができるので
そのまま調子を上げて 次の海外ロケに行くつもりだった
その全ての予定が白紙になり
調子は落ちていく一方だ

「頑張らないといけないロケなのだ」
そう思うと焦ってしまうので
もともと全てが無かったこととして 頭をクルクルパーにしたら
気が楽になった




ウェブで興味ある治療院を見つけた





宣伝もしてないし どこにも口コミなど載ってない
埼玉の田舎にある地味なカイロプラクティック院


カイロ院だが 私の苦手なボキボキはやっておらず
「オステオパシー」という治療をしている


昔 倉敷の整体で
ちょっとだけオステオパシーを体験したことがあった
手のひらを数秒間撫でられたと思ったら
股関節の可動域が大幅に広がったのだ
あの驚きを覚えていたので ここを選んでみた



一見 普通の民家だし
おっちゃん先生は話がよく噛み合わない
最初は「ハズレだったか」と思ったが
結果的にはすごく腕の良い先生だった
話が噛み合わないのは 脳梗塞で倒れて以来
言語障害があるためらしかった


2時間の治療で 普通に歩けるようになった



自称70歳のおっちゃん先生は面白かった
まるで志村けんの医者みたいな雰囲気で とにかくよく笑う
2時間の治療で 費用はわずか5000円
驚いて「安すぎない?」と言うと
「シュミみたいなもんだからよ」とまた笑う

「金もらうのもめんどくさいからよ。次からは3000円だよ」

言葉が出なかった



「体ってのは 自分の回復力で治すしかないんだよ。
 そのために生命力を高めてあげることがオレの仕事だ。
 大丈夫だよ、世の中あんたより体悪い人しかいないよ」


これまで「有名人が通ってる」「絶対治る」と宣伝してるところに行っても
言い訳ばかりするせこい先生ばかりで疲れていたので
気持ちのすがすがしい先生に診てもらえて 心が救われた




昨日 10日ぶりに自転車に乗れた時は
嬉しかった


出発まであと3日
とりあえず飛行機には乗れそうだ

ぎっくり。

2024年04月03日 23時48分37秒 | おしごと日記
4月の放送回の編集に追われて
このところモーレツに忙しかった



新年度の4月の放送は 関係各所の注目度が高いので
完成度を高めたくて どうしても時間をかけすぎてしまう
さらに ちょっとチャレンジングなロケをしたら
編集がとんでもなく大変で
…まあこれは放送をご覧いただいて ぜひ感想をください(笑)


しかし忙しいのなんて 何にもなりゃしない上に
トレーニングがまったくできない





通勤ライドだけが息抜きだ…





しかし どんなに忙しくても
ちゃんとお父さん業もやっております





娘が高知の旅を見て 鍛冶屋さんに会ってみたいというので
代々木公園で開かれた「アウトドアデイ・ジャパン」というイベントに行ってきた


なんと あの高知の旅でお邪魔した
鍛冶屋の菊池さんも来ていた





あれだけ手間暇かけたナタが2万7千円…
信じられないぐらい切れて 手に吸い付くように持ちやすい
あのナタが…

作っているところを見ているだけに
この値段で売っているのが信じられない



鍛冶屋の菊池さんと
「またいつか会いましょう」と笑い合って
お別れした







編集の隙間をついて
今年の新入社員への研修90分
感想レポートを書きづらい とんでもない研修をやりたかったが
今まで作った番組をいくつか見せていたら
意外と普通に「夢の実現方法」を語るような
こぢんまりした研修になってしまった(笑)


来年こそ ヒミツ事項だらけの「とんでもない研修」をやってやる





研修を終えて
海外へ旅立つ友人のために
自転車を梱包して
愛情を込めて発送した


元気でな!!





そして 久々に帰宅すると
人生で初めての体験が待っていた


床に置かれた服を何気なくまたいだら
腰に電撃が走り
動けなくなった


あ〜
これか
確かにこれは「魔女の一撃」だ

重いものを持ち上げたり
腰に負担のかかることはしてないのだが
こんなふうになってしまうものなのか…


なんとか歩けるので
軽めのぎっくり腰だったのだろう
体がどうしても「くの字」になってしまうが
狂言の「摺り足」のように 膝をくの字にすると歩きやすい(笑)

ひょっとしたら狂言の摺り足は
腰をいたわるために考案されたのかもしれない


ここ最近の徹夜が体にこたえたのか
娘の習い事のために 8時間もドライブしたからか
アウトドアデイ・ジャパンで数時間立ちっぱなしだったからか
友人のバイク発送に手間取って 何度も郵便局まで往復したからか…



さあしかし これは困った
今週末は ブルベ300kmが控えているのに
とんだ初体験をしたもんだ



300kmブルベに出られるタイミングなんて もう秋まで無い
どうにか走りたい
さあ 私は土曜日のブルベに参加できるのか?


続きは来週(笑)

寒い日

2024年02月06日 01時00分48秒 | おしごと日記
今日は1日家にいた


調べたことを 自分の血肉とするために
ひたすら考え さらに調べ
浜松市の資料アーカイブをずっと閲覧していた
とても興味深かった





気晴らしに 最近買った針と糸で
落車で破けたウェアを補修





この針 布通りが気持ち良い
良い道具というのは本当に良いものだ
「弘法は筆を選ばず」と言うが
やっぱり筆は選んだと思う





裁縫道具を持ってなかったので
ハサミも買った
歴史好きなら唸りそうな
「菊一文字」のハサミ

糸を切る瞬間「ショリ!」と気持ち良く鳴る
これも素晴らしい道具だった




↑ずっこけて破れた大穴を直した




窓外を眺めると 雪がふわふわと舞っていた







数年前の 同じように寒い日
暮らしていたマンションに帰ると
エントランスがすごい匂いに満ちていた


郵便受けの小部屋の端に
黒い物体が横たわっていて
ギョッとした
その匂いの正体であるホームレスを
私は声を荒げて 追い出した


ホームレスのおっちゃんは
寒くて暗い街並みに よたよたと消えていった


私は激しく後悔した
おっちゃんがここでひと時の暖を取ることが
私にとって一体 どんな損があるというのか?


しかし私は優しくできなかった



寒い日が来ると
あの後悔を思い出す






20時から五郎教室


寒さと後悔を吹き飛ばした