自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

五郎さんが叫んだ日。

2024年12月14日 21時29分57秒 | 自転車
何にもする気がおきなくて
今週はずっと家で仕事して ほとんど外に出なかったのだが
重い腰を上げて 宇都宮へ行ってきた






オフロードの自転車レース シクロクロスの
全日本選手権を見るためだ








以前 ジロ・デ・イタリアを取材したとき
自転車の世界は「村」のようだと思った
選手もスタッフも 全員が顔見知りで
移動遊園地のように移動し続けている


シクロクロスの世界は もっと小さく濃密な村のようで
お互いに信頼し合っているような暖かい空気感がある
全日本選手権の会場にも その空気感が満ちていて
とても良い空間に感じた





午前11時30分
男子50代
五郎さんが走る





スタートが苦手だといつも言っている五郎さん
最前列スタートでも 第1コーナーでは8番手まで落ちた
だがこれはいつものことだそうで
周りは全く慌てていない





傾斜のある地面とクネクネが続くテクニカルな区間で一気に抜いて
2周目に入った時には先頭2人の争いに持ち込んでいた






今年の夏 股関節の手術を受けるとき
五郎さんが「目標がない」とボヤいていたので
シクロクロスのチャンピオンにならないとできない企画を考え
必死にプレゼンをして通した


最初は「良い目標ができた」と喜んでくれたが
だんだんプレッシャーがキツくなったのだろう
その仕事を辞退したいと言い出した


「自転車に楽しく乗りたい」


真剣にそう語る五郎さんの気持ちが 痛いほど分かったので
全日本で勝たなくても企画が成り立つようにすると約束した






約束したはいいが
どうやって成り立たせるかは思い浮かばなかった(笑)
でも 五郎さんが楽しくレースを走れるなら
それが一番なのだ
たとえ勝ったとしても 心が満たされなければ意味がない
それ以来私は「全日本」「頑張って」という単語を一切言わないようにした



五郎さんが勝つとも勝たないとも思わないようにしていたので
応援は「カッコいいよ!」とだけ言った(笑)









五郎さんは 集中していた
ノーミスで走って3周目から独走体制に入った


そして2位に20秒の差をつけ トップでゴールした






ゴールした五郎さんは ずっと叫んでいた
そしてサポートしてくれた師匠の横井さんのもとへ向かい
絶叫しながら抱きついて 泣いた


探し求めていたお父さんに全力で抱きついた子供のようだった






私にも握手を求めてくれたけど
手を差し伸べずにシャッターを切ってしまった(笑)







五郎さん すごかったです
無理して出かけてきた甲斐がありました







しかしレースの写真というのは 独特なテクニックが必要で
ぜんぜん上手く撮れなかった
次はもうちょっと上手くなりたい



↑40代でエントリーしたシンゴ




↑シンゴ6位
 勝つつもりで来て勝てなかったのを 初めて見た




↑五郎さんの弟子マー君
 追い込みすぎだ(笑)




ブルーな日。

2024年12月10日 22時44分43秒 | 自転車
全てを捨てて逃げ出したくなることがある



張り詰めた仕事の後や
夫婦喧嘩の後など
自分の価値がわからなくなった時に
仕事も金も家族も 全て捨ててどこかへ行きたくなる






こんなにも全てを捨てたくなるのは
自己肯定感の低さが原因である気がする
そしてそれは 幼い頃に褒められた経験によるのだと思う



自分は 人生であまり褒められた記憶がない
学年で1位になっても親も教師も褒めなかったし
同級生たちは「カンニングに違いない」と噂した
もっと自分が認めてもらえて
頑張れば褒めてもらえるような人生だったら
もう少し自分を認めることができたような気もするが
よく分からない



とにかく 年に数度やってくる
「逃げたい病」が発動して
全てを捨ててどこかへ行きたくて
旅の計画を立てた






今すぐ逃げ出したいところだが
小心者なので スケジュールが確保できる来年である(笑)
前回フィリピンに脱出した3月をターゲットにした


行きたい場所ナンバーワンは中国雲南省 シャングリラ周辺なのだが
いつの間にか観光にもビザが必要になったらしく
さらに報道関係者だと分かれば ビザ取得が超絶にめんどくさいという
とにかく今の中国は面倒だといろんな人から聞き断念した


休みは1週間ぐらいだし
直行便で行けるところが飛行機輪行には安心だ などなど
思考がどんどん小さくなっていく
全てを捨てて逃げ出すんじゃなかったのか(笑)









とりあえず仕事からも家からも逃げたくて
サイクリングに出かけた







1年ぶりにパンクした






こんな日に限ってチューブを持っていない
CO2ボンベは1本
マクハルで直す一発勝負だ


15分かけて直したが
どうもわずかに空気が洩れ続けている
急いで帰れば 家まで空気がもつかもしれない






側で見ていた 工事のおっちゃんが
「はい! コーヒーブレイク!」と飴玉をくれた


龍角散じゃなくてよかった(笑)


少し気持ちが救われた








そして無事に家へと帰り
家出作戦は早々に終わりを告げたのだった


若者応援特集。

2024年12月05日 00時33分43秒 | チャリダー★




12月6日(金)と20日(金)の前後編で
若者たちのフランス遠征密着取材が放送です



今年の若者たちも 全員がナイスガイでした
熱くて 優しくて オチャメで
見ればきっと応援したくなると思います
そしたら ぜひ応援してあげてください






今年もツール・ド・ラヴニールを撮らねばと
8日間連続モト撮影の地獄を覚悟していたが
なんとまさかの日本代表不参加となってしまった


資金もスタッフも浅田監督が集めると言っているのに
JCFが不参加を決めた理由は結局よく分からなかった
ロードよりもトラックに注力したいとか
大人同士の人間関係とか
いろんな理由があるのだろうとは思う


だが結局 割りを食うのは若者たちで
ラヴニールを目標に頑張っていた若者たちは
さぞ無念だったろうと思う





どんな人にも
どんな気分の時でも
自転車は平等だ









働き方改革以降
1週間のロケで1日休むように指導されるようになったので
休みにかこつけた撮影をしてきた(笑)


私に休みを与えると
仕事よりも疲れることをするハメになるのだ





トゥールマレー峠を上って
景色や人を撮影した
ここに来るサイクリストたちは
全員 幸せそうだった






世界を目指せる環境を 私たちは若者に用意してあげたい
その一助となれたらと思って作りました
ぜひご覧ください



チャリダー「フランス武者修行に密着!」
前編 12月6日(金)23時30分〜
後編 12月20日(金)23時30分〜
@NHK BS