自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

歴史旅。

2023年08月25日 06時28分09秒 | チャリダー★
海外におります



初めての経験ばかりで 超絶ハードな毎日を送ってるので
番宣が遅くなりました



25日(金)のチャリダーは
歴史街道の旅 第3弾!





最近「人間国宝の息子」となった
茂山宗彦くん(以下もっちゃん)と
武田信玄の「西上作戦」ルートを探検してきました



歴史ファンなら一度は行ってみたい「躑躅ヶ崎館跡」から
徳川家康をたたきのめした三方ヶ原まで
延々と続く山岳ルートを走って
もっちゃんは足腰が立たなくなりました(笑)




↑あのビターボ後輪40万がパーになった山道です




8月25日(金)夜9時30分〜
「チャリダー 歴史街道の旅 武田信玄編」
@NHK BS1


もちろん今回も撮影&ディレクターは私です
ぜひご覧くださいませ






ただいまこちらは夜12時
さあ仕事に戻ります
明日もハードだ!



罪と罰

2023年08月07日 23時07分28秒 | 自転車
危なかった


今回こそはヤバいと思った



片側2車線の幹線道路
自分は左端を走っていた

前を見ると 交差点で
右車線だけ渋滞していた
右折待ちの車両がいて 後ろが詰まっているのだ


空いている左車線を通過しかけたとき
渋滞の3台目のトラックが 突然左に出てきた
エンジンが唸りをあげ
ハンドルを目一杯切って
ちょうど真横にいた私に向かってきた


大きな鉄の塊は 思いのほか左に膨らんで
視界が一気にトラックに埋め尽くされた


「おおおおおおおお!」


もともと左端を走っているので これ以上避けられない
必死に体をひねったが ミラーが頭を直撃して吹っ飛ばされた


ふらつく前輪を押さえながら 目の前にあった歩道の切れ目に逃げ込み
なんとか落車は免れた
今度ばかりは死んだと思った
心臓がバクバクしていた

見るとトラックは唸りを上げて 走り去っていった





心が一気に沸騰した
あんにゃろう 絶対に逃すものか!






全力で追いかける
数字は見ていないが イメージ的には500Wオーバーでガンガンに飛ばした
しかしあえなく赤信号に引っかかってしまった(笑)



信号無視して追いかけないと 追いつけっこない
だが信号無視できないメンタルに仕上がってしまっているので
どうしても赤信号では停まってしまうのである
そしてモヤモヤしながら青信号を待って再出発


おや? 300m先の信号で
あのトラックが停まっているではないか!


まだ天は私を見捨ててはいない
全力で追いかける…が
マジかよ
信号が青になりやがった
トラックが唸りを上げて飛び出してゆく


延々と追いかけること15分
ヘロヘロになりながらも
ついに信号待ちする憎きトラックに追いついたのである



窓を叩き 大声で当たられたことを怒鳴るが
返事がない


ドライバーは初老のおっちゃんだった
突然怒鳴られて キョトンとしていた
そして「すいません すいません」と謝り続けていた
知らなかったフリではなく 本当に気づいていないらしかった






私はドライブレコーダーを付けて走っているので
ヘルメットの傷と 証拠映像を見せたら
おっちゃんの罪を証明することはできると思う


でも やめた
私に「当て逃げ」したことを感知しないおっちゃんを
いくら責めたところで 何にもならない気がして
私は怒りのやり場に困り しょんぼりしてしまった








太宰治が「罪」と「罰」は対義語なのだと書いていたが
まさにそれを実感した
罪に対して与えられる「罰」は
我々の都合によって決められたものでしかない
社会の平和にとって邪魔な者には罰を与えて隔離する
しかしその罰が 彼の罪にとってどれだけ効果的なのかは
全く分からない




人を殺すことが快楽だという殺人鬼も
現代では刑務所に隔離されて重い罰を与えられるが
生まれたのが戦争時代だったら英雄になったかもしれない


「罰」というものが あまりに曖昧で
果たしてどれだけ意味があるものなのか
おっちゃんの「キョトン」とした顔を見て 分からなくなってしまったのだった



・・・・・・・・・・



ちなみに
私がその後 おっちゃんをどうしたかというと
知らなかったからと言って タダで引き下がるのも癪なので
おっちゃんの写真をバシバシ撮って こう伝えた
「これ 警察に届けておきますね」

もちろん写真を警察になんて届けるわけがない
これでおっちゃんが乱暴な運転をしないようになることを願っているし
「オレ捕まっちゃうかも知れない」と
少しの間だけでもドキドキしてもらおうという
ちょっとしたイタズラである(笑)



旅。

2023年08月02日 14時22分18秒 | おしごと日記



五郎さんと 旅に出ていた



現地入りして最初に食べた夕食で
見事に食中毒になり脱水症状まっしぐら





まったく走れず 半日フイにしてしまった



初日に厄払いできたと言いたいところだが
苦難はこれだけではなかった





ステキな宿にたどり着き
五郎さんが食堂に出かけて行ったら
さっきまで寝ていた布団から ハチがブ〜ンと出てきた


まじか…


スズメバチだ






部屋の中を楽しそうに飛び回るスズメバチ
こりゃあどうすりゃいいんだ?
手をこまねいて考え込む(笑)


宿の女将に声かければ 殺虫剤を持って駆けつけるだろうが
これから寝る部屋に殺虫剤をばら撒かれたくない


ハエタタキ?
ない

冷凍スプレー?
当然ない


布団を振り回して戦っても
外れたらハチを怒らせて大変なことになる



なんとなく武器になりそうなものは
これだけ





手指の消毒スプレー(笑)




殺気を消して ゆっくりとハチににじり寄り
恐る恐る「シュッ」と吹きかけると
心なしか飛行スピードが落ちた気がする



やがてハチが壁にとまった瞬間


一気に距離を詰め
高橋名人の16連射ばりに手指の消毒液を吹きかけた


様子見のため手を止めてはいけない
やり切るまで連打し続けることが大事だ



50プッシュぐらいぶっかけて
動きが明らかに緩慢になったところを
ティッシュの箱で気絶させた





やりきった感が半端じゃない(笑)









旅に出ると 自分と素直に向き合えるのはなぜだろうか






たぶん 自分を守る必要がなくなるからだと思う




職場にいたら キャリア相応の働きを見せたいと思うし
家庭にいたら 父としての尊厳を守ろうとする
恋人といたら 男らしくありたいと思う

多かれ少なかれ 普段の自分は「理想の自分」を演じている




旅に出たら
そんな自分をかなぐり捨てることができる






みんな 自分の尊厳を守ることに精いっぱいで
「俺はすごい」「私はえらい」
そんなことばかり言いたがる


自分も他人も そんなこと言わなくて済む場所に駆け出すことが
旅なのだと思った




7月の走行距離 1414kmでした