自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

ロケ中。

2024年05月29日 11時41分42秒 | おしごと日記



ロケが続いております


2日目からは腰痛との戦いに(笑)
マッサージボールで毎日1時間ほぐして
なんとか乗り切ろうという作戦




今日は最大の難所 標高3000mオーバーを目指すのだが
天気予報は雪だそうで…


無事に生きて帰れますように(笑)

お帰りなさい腰痛。

2024年05月22日 13時39分30秒 | おしごと日記
1週間 家から出られなかった



腰痛が再発したのである



前回のロケ終わりで痛み始め
次の日には歩けなくなった
前回のギックリ腰をパワーアップさせた痛みである



ロケのたびに痛むので
たぶん自分がカメラを回す際の「体のクセ」が原因だと思う

とにかく歩けなくなって 家から出られなくなり
当然自転車にも乗れなくなった


次のロケまで2週間
完治しない可能性も考えて 痛み止めをもらいに外科へ
ヨタヨタ歩いて行ってきた




先生が丁寧にレントゲンで骨の説明をしてくれるのだが
私はち◯こが映ってないかが気になって
話をほとんど聞いてなかった(笑)


とにかく骨や椎間板に問題はないようだが
これでは自転車にも乗れず カメラも回せない




今までは 40年通ってきたゴッドハンドが
何度も危機を救ってくれたのだが
昨年ガンで急に亡くなってしまった
どうしようかと知人に相談し 紹介されたカイロプラクティックに行ったら
無痛をうたっていたのに 見事にボキボキされて
あまりの激痛に私は「ぎょえー!」と叫んでしまった(笑)


その先生は「好転反応」というが
痛みが大きくなりすぎて さらに動けなくなった


先生を信じて ロケまでの2週間そこにかけるか
別な先生を探すか……






腰が痛くても ロケの準備は進めねばならない
車は運転できたので 必死の思いでカメラ修理のため銀座へ





休みだった(笑)
痛みで頭が半分しか働かないので
営業日を見間違えていた




予定では 前回のロケで走り込みができるので
そのまま調子を上げて 次の海外ロケに行くつもりだった
その全ての予定が白紙になり
調子は落ちていく一方だ

「頑張らないといけないロケなのだ」
そう思うと焦ってしまうので
もともと全てが無かったこととして 頭をクルクルパーにしたら
気が楽になった




ウェブで興味ある治療院を見つけた





宣伝もしてないし どこにも口コミなど載ってない
埼玉の田舎にある地味なカイロプラクティック院


カイロ院だが 私の苦手なボキボキはやっておらず
「オステオパシー」という治療をしている


昔 倉敷の整体で
ちょっとだけオステオパシーを体験したことがあった
手のひらを数秒間撫でられたと思ったら
股関節の可動域が大幅に広がったのだ
あの驚きを覚えていたので ここを選んでみた



一見 普通の民家だし
おっちゃん先生は話がよく噛み合わない
最初は「ハズレだったか」と思ったが
結果的にはすごく腕の良い先生だった
話が噛み合わないのは 脳梗塞で倒れて以来
言語障害があるためらしかった


2時間の治療で 普通に歩けるようになった



自称70歳のおっちゃん先生は面白かった
まるで志村けんの医者みたいな雰囲気で とにかくよく笑う
2時間の治療で 費用はわずか5000円
驚いて「安すぎない?」と言うと
「シュミみたいなもんだからよ」とまた笑う

「金もらうのもめんどくさいからよ。次からは3000円だよ」

言葉が出なかった



「体ってのは 自分の回復力で治すしかないんだよ。
 そのために生命力を高めてあげることがオレの仕事だ。
 大丈夫だよ、世の中あんたより体悪い人しかいないよ」


これまで「有名人が通ってる」「絶対治る」と宣伝してるところに行っても
言い訳ばかりするせこい先生ばかりで疲れていたので
気持ちのすがすがしい先生に診てもらえて 心が救われた




昨日 10日ぶりに自転車に乗れた時は
嬉しかった


出発まであと3日
とりあえず飛行機には乗れそうだ

人間国宝認定パーティー。

2024年05月13日 02時06分40秒 | 茂山家
今回のロケは 自分が撮影&ディレクターの回
バイク2台と 撮影機材をメンテナンス




チェーンリングを出演者の脚力に合わせて
40T→34Tに交換




1日みっちり2台をメンテナンス





実は今回のロケ直後に
めちゃくちゃ緊張するイベントがあって
その準備が個人的にはハードル高かった





「茂山七五三(しめ)師 人間国宝認定を祝う会」



狂言師の茂山宗彦くん(以下もっちゃん)のパパ七五三(しめ)さんが人間国宝になり
お祝いパーティーに呼んでいただいたのだが
これはハードルが高い(笑)




「なんで私が?」と思ったが
もっちゃんが「来てくれ」と言うなら行くしかない
この日のスケジュールを 半年以上前からどうにか死守した





ただ一つの「よそ行きシューズ」を引っ張り出す
20年以上前に買った ドリスバンノッテンの革靴




数年に1度しか履かないので いまだ現役





ネクタイ選びは大変だった

私はこういうパーティーに出たことがないので
勝手が全く分からないのだ

もっちゃんに どんな服装が良いかと聞いたが
「なんでも大丈夫や」と まったく参考にならない(笑)

人と話すのが苦手だし とにかく会場で目立たないようにしようと
シンプルでスッキリした印象のを探して買った



あ〜しかし心配でしかない(笑)





ロケの途中でカメラが故障し かなり焦ったが
なんとか無事終了




立ち寄った食堂



この文字の雰囲気が好き(笑)




ロケで見つけた 古い田舎のゲーセン…かと思ったら
結婚相談所だった


一度 結婚相談所に行ってみたかったなあと思う
どんな人を紹介されて
どんな人が私に興味を持ったのだろう?





旅人はもっちゃん


芸歴45年で 人間国宝の息子なのに
ADさんよりも先にお茶を淹れてくれる
偉ぶったところが全くない


どんな過酷な撮影でも 嫌だと言ったことがない
「必要とされるなら それに全力で応える」
それが茂山の流儀だと いつも背中で語ってくれる



そしてロケの次の日





正装になったもっちゃんと再会(笑)






会場はホテルオークラ京都
ものすごく広い





立食なら すみっこで大人しくしていようと思っていたら
着席でフルコースの食事が出るようだ


参ったな
隣の人とおしゃべりしなければいけない
お願いだから 気楽な人が隣であってほしい…と思っていたら





オンジェイだった(笑)


師匠である七五三(しめ)さんの晴れの日のために
チェコから飛んできたらしい


オンジェイは私と同い年(誕生日3日違い)のチェコ人で
2009年の番組「男自転車ふたり旅 〜チェコ ボヘミアの街道をゆく〜」で
通訳とコーディネーターをしてくれた縁で知り合った

出演者がもっちゃんだったから 仕事を引き受けたが
違う出演者なら途中で仕事を辞めたかったほど「キツかった」らしい(笑)



チェコのカレル大学(日本でいう東大)を出た後 来日して
京都で七五三(しめ)さんから狂言を教わった

当時は「外国人に狂言を教えるなんて」というような意見もあったようだ
「神聖な能舞台」に外国人は上がれなかったし
オンジェイは夢だった狂言師になることを諦め 帰国した


だが チェコで発足した狂言会は その後も活動を続け
七五三(しめ)さんやもっちゃんが 毎年のように狂言を教えに行き
今では劇場を超満員にするほどの人気劇団になった


「チェコで狂言劇団が24年も続くなんてすごい」
と話したら オンジェイはこう答えた

「すごいのは私たちではないよ。『狂言』がすごいんです」





人間国宝が揃ったテーブル
こんなシーン たぶん2度と見られまい(笑)





同じテーブルのおばさまが
一緒に写真に写ってくれという
なぜ私と? と思いながら写ったら
「こんな有名な人と写れるなんて」と喜んでいらした

そして「小舞は何がお好きですか?」と
目をキラキラ輝かせて見つめてくるではないか



ポカーンとしていたら
オンジェイがよく分からないギャグで誤魔化して助けてくれた


どうやら私を誰かと間違っていたらしい
番組のディレクターだと言ったら がっかりしていらした(笑)
いったい誰と間違われたのかは いまだに謎である





七五三(しめ)さんは茂山家の次男だ

本家は絶対であり 分家はそれを支えるという家訓はあるにせよ
七五三(しめ)さんが兄の当主・千五郎さんを助けようとするエネルギーは
すさまじいものがあった


『分家は本家に「死ね」と言われれば死ぬ』
それぐらいの覚悟を持って 狂言を続けていたのではないかと思う
そしてそれ以前に 七五三さんは兄・千五郎さんが大好きだったのだと思う


だが その兄・千五郎さんが早くして亡くなった
七五三さんの絶望は いかばかりだったろう


人間国宝の認定が決まって 七五三さんは
「兄がもろうたと思ってます」と泣いていらした



狂言を続けて70余年
鍛錬に鍛錬を重ねた凄まじい芸を見られる自分は
幸せ者だと思う






会場では いたる所で名刺交換が行われていた


これだけ名士が集まる場所を
ビジネスに活用しない手はないということか



ちなみに私は 名刺を1枚も配らなかった
この場を自分のために使うことは なにか違う気がした
私にとってここは 悪友のもっちゃんと
そのパパ七五三さんに会いにきただけの場でしかない



だから出世しないのだ(笑)





もっちゃん
本当に良いものを見させてもらい 感謝してる
七五三さん キヨエちゃんにも会えて嬉しかった
おめでとう
またな!