自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

帰り道。

2020年02月28日 22時01分46秒 | 自転車
腹痛が全く治らない



どんな痛みかというと
下痢のキョーレツなやつの
トイレに駆け込む直前のようなやつ

かと言って下痢してるわけではなく
嘔吐もなし
もちろん熱もなし


ただひたすら痛む


2つの病院で診てもらったが
原因がわからないという


何もやる気が起こらず
6日間も自転車に乗らなかった


さすがに無理してでも乗りたくなって
自転車通勤を再開
しかしメニューをやる気力はなし
平均すると100Wぐらいで ちんたら走る


でも それだけでも気分が少し晴れてくれる




帰り道



ふと信号待ちをしていたら
突然横の人が倒れた



「大丈夫ですか?」と声をかけると
白目をむいて いびきをかいている


医学には全く詳しくないが
これはいけない匂いがする
自転車を邪魔にならないところに立てかけ
男性に駆け寄った



すると 他の人も駆け寄ってくれたので
「とにかく安全な場所に運びましょう」と
2人でけっこう重たい男性を運んだ


30秒後
男性の気がついた
回らないろれつで
「すいません 大丈夫です 大丈夫です」と言う


私は正直 どうしたら良いかわからず
ドキドキした
男性の言葉を信じ このまま帰してしまって良いのか?
救急車を呼ぶべきか?
歩けるなら自力で病院へ行ってもらうべきか?


すると 一緒に運んでくれた人が
落ち着いた様子で男性に問いかけ始めた



「持病はあるのか?」
「これまでに同じ経験は?」
「頭を打っているか?」


かなり落ち着いて
救急隊員が聞くようなことを しっかり丁寧に聞いている
私はその人の風貌をじっくりと見た
慌てる様子など微塵もない
おそらく医者だろう



その人は 救急車を呼び
隊員に状況を説明して 引き渡すと
「ありがとうございました」と言って 颯爽と去って行った



私は 何もできなかった



あの人がいてくれて良かった
いざというときに 倒れた人を落ち着いて助けることができる人になりたい
もう少し 病気について勉強しよう


悔しくて そこからの帰り道
信号ダッシュを繰り返した
60秒 457W
60秒 470W
30秒 630W
スプリント 15秒 918W



あれ?
腹痛はどこへ行った?
と思った瞬間
ゆっくりと腹痛が戻ってきた



今月は500km行くかなあ…★

帰国しました。

2020年02月26日 02時51分38秒 | おしごと日記



長旅でした


ヘトヘトですが
やり遂げたので 充実はしています



留守中に大事なオンエアが終わっていました
沖縄特集 ご覧いただきありがとうございました
男子部の取材は たぶんこれでおしまい
でも 男子部としての活動は続けていこうと思っています





旅は 飛行機の遅延から始まりまして





乗り継ぎ便に乗れず
オランダで一泊するハメに


乗り換えのスキポール空港で
「おたくの飛行機が遅れたんだ なんとかしてくれ!」
と係員(女性)に話したら
「乗り換え時間が短すぎよ」
と呆れられた


私のチケット 乗り換え時間が45分の設定
「スキポール空港は30分あれば乗り換えができる」
と旅行代理店の担当者は自信満々だったが
飛行機が15分遅れただけで 乗り換えできなくなってしまったぜ…






乗り換え失敗組を運ぶバスは ほぼ満席
みんな意気消沈な顔してる(笑)





暗黒な気分で
空港から1時間
4つ星ホテルへ連行される


ホテルがまあまあだと
ちょっと気が晴れるもんだ(笑)


どうせなら散歩でもしてやろうと思ったが
冬服はぜんぶ目的地へ行ってしまっていた





オランダは自転車の国というだけあって
走る環境もバツグンだった
いいなあ





丸1日遅れで目的地に到着…


ただでさえ少ないロケ日程が
1日短くなってしまったのは かなり痛い





最低限 撮らなければいけないシーン
面白くても 使い道が限定されるシーン
その見極めがシビアになる





時間節約のため
早朝は5時出発で トレーニングを兼ねたロケハン





街の俯瞰ポイントを探しに
ズルズルの砂道へ





道はなくなり
ごろた石だらけに





不思議な植物と
滅多に来ない動物に大はしゃぎした蚊の大群が
出迎えてくれた…





1時間かけて 自転車を担いで登って
蚊に刺されまくって
ここは使えないと分かった(笑)
でも 貴重な日中にこれをやってしまうより
はるかに良い





ロケ中はとにかく 疲れが溜まっていく一方なので
後半はほとんど朝練なんてできなかった






でも 体験したことはとびきりでした
出演者もかなり満足してくれたようです
放送は…決まったらお知らせしますね






さて
苦労話はこれだけでは終わりませんでした
帰国して数日したところで
ある体調の変化が起こったのです


倒れて 会社に行けなかったので
「すわ 流行り病か!?」と騒がれましたが
熱はなし 下痢や嘔吐もなし
ただただひどい腹痛が続くのです


この腹痛はキツい
起きていられはしますが 何にもやる気が起こらない
集中力がないので 自転車にも乗れない



帰国してすぐに食べた
スンドゥブチゲが悪かったのか…





撮影のために登った岩山が
足がすくむほど怖くて
胃がやられたのか…





コインランドリーで 誤って
「ペット服用洗濯機」で服を洗ってしまったのが
いけなかったのか…





昼食を食べる時間がなくて
いつも車内で生サラダと生ハムをむさぼり食っていたからか…





一番怪しいのは これかな(笑)




ハードワーク。

2020年02月14日 08時47分22秒 | チャリダー★



2カ国目に来ております



約束したからって その通りに事が運ばないのが海外ロケ
くるくる変化する状況に合わせて
何が必要で何が不要かを考える
刺激的な毎日です



体が疲れすぎて 朝練ができなくなりましたが(笑)






海外の空港は 預け荷物の扱いが荒い
FRAGILEだからといって 丁寧な扱いなんて受けた事がない
この国では 自転車ケースがポーンと投げられ
ドカーンと着地
そのままベルトに乗って来た(笑)





自転車は車と同等に道路を走ります
車に対して全く遠慮がない
ハンパない強度でしたが まるでロードレースのようなサイクリングは
めっちゃ楽しかった




そして気づけば寝落ち


そんな素敵な毎日も もうすぐおしまい
明日は朝練に行きたいな★





さよなら父っつぁん。

2020年02月08日 06時34分41秒 | チャリダー★



自転車の本場のレースに来ています
山間の村々が完全に道路封鎖され
何十台ものチームバスが所狭しと並んでいます



自分的には 今回のレースの山場は
モト(バイク)にも乗っての撮影
ヨーロッパの トップ選手たちが集うステージレースで
モトから撮影できるチャンスなんて
2度とないかもしれない





モトは主催者が信頼できるドライバーを用意してくれます
審判車両や 撮影モトが行儀悪ければ
そのレースの評判が落ちるので
主催者はダメなモトドライバーに頼むわけはありません
我々が独自にドライバーを探すよりも安心なのです





まず スタート地点にずらりと並ぶのは
警察モト
日本でいう白バイだ


この警察モトの働きっぷりといったら素晴らしいもので
封鎖された道路を 選手たちに先行してギュンギュン飛ばし
間違って入って来てしまった車を停めて誘導したり
交差点の前で黄旗を振ったり
中央分離帯の手前で注意喚起したり
とにかく臨機応変 自由自在にコース上を走り回っている


そして常に笑顔だ
このイベントをサポートすることは
警官たちにとって誇りであるに違いない



「オリンピックだからって 何でもできるとは思うなよ」
と威張りちらし 道路の使用許可を全く出さない
どこかの国の警察とは大違いだ




さて
私が乗るモトバイクはこちら





1200CCのBMW
これは期待できるぞ

しかし
ドライバーを見て もっと驚いた





ツールドフランスにも何度も
モトドライバーとして参加したというご老人だった


しかも年齢は
82歳!


大丈夫なのか?


命を預ける相手なので
主催者が選んでくれたのだから
大丈夫なのだろうと 思うことにした


ジェントルマンかつひょうきんで明るくていらっしゃる
名前を知らないので とりあえず「とっつぁん」と呼ぶことにした


とっつぁんは 元は警察官で
もちろん青バイポリス出身
引退後はこうして国中の自転車レースで
ボランティアとして走っているという


しかしとっつぁんはフランス語しか話せない
果たして無事 撮影の指示が出せるのか?
「大丈夫だ 撮れるときに撮らせてあげるから わっはっは」と
とっつぁんは笑って 親指をぐっと突き出した





でかいレンズ付きカメラをぶら下げるのは
サイクルフォトグラファーの田中苑子さん
苑子さんの担当ドライバーが私に
英語でしゃべりかけて来た

「知ってるか? あのとっつぁん80歳なんだぜ。すげえよな。
 今年でこのレースから引退なんだ。最後のお仕事ってことさ」


まじか…
とっつぁんのラストランの相棒が
この私とは


良い仕事になりますように………









レースが始まった



とっつぁんは一生懸命フランス語で話しかけてくるが
私はフランス語はからっきしなので ほとんどわからない
たまに分かる単語と とっつぁんの身振りで判断する


とっつぁん「(何か言ってる)」
私「はー!?」
とっつぁん「俺はこのレースの前方を任せられている。後ろには下がれないんだ」
私「はーはー」
とっつぁん「交差点があったら停まって交通整理もする。 だから自由に撮るのは難しいぞ」
私「はー……」
とっつぁん「今日の審判は頭悪いやつだから 撮影には厳しいんだ。こんな太った馬鹿野郎さ」
私「はっはっは」



弱ったことに 運転中に身振り手振りをするとき
たまに両手放しをするのには参ったが
怖がっても仕方ないので 見て見ぬ振りをした(笑)





とっつぁんが言うことに私が反応しているぶんには
平和なのだが
こちらの言いたいことは 全く通じなかった
撮りたい選手を指差して 横から撮りたいと伝えようとしても
ギューン! と飛ばして前に行ってしまう
全てはとっつぁんの判断で
選手たちの横に行ける瞬間があれば横に行く


とはいえ
言葉が通じない割には 最低限の映像は撮れた
さすが長きにわたって モトドライバーをして来ただけのことはある


しかしやはり82歳だ
ついのんびり走ってしまい 選手たちに追いつかれ
気がついたら選手がモトの後ろで笑っていることもしばしばだった




1日目 2日目と 過ごすうちに
撮影は難しいと言っていたとっつぁんが
徐々に撮影のために頑張ってくれるようになった


自転車レースの撮影で 一番難しいのは
選手に近づくことは 空気抵抗を低減してしまうためNGであること
(選手の前方10mを走ると空気抵抗は10%減るという)
真面目なドライバーは 選手の前方50m以上離れたまま
絶対に近づいてくれない
よしんばドライバーが違反覚悟で近づいたとしても
車に乗った審判員に無線で怒られる


とっつぁんは少ないチャンスを見逃さず
まさに違反ギリギリの位置どりで 目当ての選手を撮らせてくれた
見ている審判員も笑顔で撮影許可を出してくれたのは
この国のレース界に貢献して来たとっつぁんの
人徳であったのかもしれない



とっつぁんは 頑張った時には親指を突き出して
「Bon?(良かったか?)」と聞いて来る
私も親指を突き出して「Bon! Bon!」と応えた





そして とっつぁんの最後のお仕事は
幕を閉じた





握手をして 精一杯の心をこめて
「メルシーボークー(ありがとうございます)」と 何度も伝えた



とっつぁんには きっと2度と会えないだろう
たとえ10年後にこの村に来られたとしても
とっつぁんは多分もういない



とっつぁん どうかお元気で
言葉は通じないし たまに選手に笑われたけど
あなたとご一緒できて 私は幸せ者でした


次はきっと 来世でお目にかかりましょう



連続ロケ突入。

2020年02月02日 02時38分34秒 | チャリダー★


お話は先週の土曜から


土曜練はおなじみ荒川サイクリングロードへ
マラソン大会がやっていて
大きな集団が来ると思ったら
その先頭には「4時間」「4時間15分」と書かれたペースメーカーがいた


これは良い
ヒルクライムレースにもペースメーカーが欲しいと思った
上手なペースで走ってくれる人がいれば
きっと多くの人が良いパフォーマンスを発揮できる


マラソンと違って ヒルクライムは参加者がバラけるので
多くのペースメーカーが必要になるが
ハルヒルとか富士ヒルのような大きな大会なら
イベント会社はえらく儲かっているらしいので
そのぐらい雇うことができると思う


このイベント会社が儲かって
地元にお金が落ちない仕組みも
どうにかした方が良いのだが…





30分 247W
10分 300W
90秒 377W
ほどほどに疲れたところで 友人アボくんが働く
「りんりん自転車館 一ノ江店」へ


カラカラと音なりが大きくなったホイールをメンテナンスしてもらう



何をやって生きていけば良いか
ずっと迷っていたアボくんが
手際よくホイールを分解し メンテナンスする姿を見ていたら
嬉しくて涙が出そうになった


このホイールなら 私も頑張れそうな気がした






カザーティの美しいクロモリフレームが
破格の20万円で売っていた
めっちゃ欲しい
置く場所ないけど


これから怒涛のロケが続くので
しばらく土曜練はお休み
3つの連続ロケは 全て自分で撮影もするので
自転車に乗るチャンスはあまりなさそう


それでも自転車は持って行きますけどね
また真っ暗なうちに朝練かな





一発目のロケは 国内
久々にカメラを持ったので
いつもと違う筋肉が痛い


下見なしの ぶっつけ本番旅は
めちゃくちゃ緊張するんです
だって「何にも撮れませんでした」となる可能性だってあるから





高いところから撮影したくて
「展望台」と書かれた矢印に沿って登っていくが
道がなくなってしまった


人が歩いたっぽい跡を追跡するが
崖っぷちの 人ひとりやっと通れるぐらいの足場となり
やがてその足場も消えた(笑)
目の前は断崖絶壁
後ろも幅30センチぐらいの崖


ふと見ると
経験のために連れてきたADさんが
真っ青な顔をしていた(笑)


なんとか別の岩山によじ登って
俯瞰で撮影し 無事に下山
「楽しかったな!」と
2人でゲラゲラ笑った





なんとかやり遂げて
先ほど帰社し
次のロケの準備


お次は海外のため
BTB輪行箱にパッキング
ディスクブレーキは嵩張るので
この箱だとちょっとキツイ





サドルが全く抜けない…



臼式のシートポスト留めって
1度でも雨天走行すると砂が詰まって
ビクともしなくなる
メーカーはどんだけクリーンな場所で
テストしてるんだろう?



さあこれから帰宅して
ウェアや撮影機材の準備
行き先はヨーロッパ
インチキな国担当の大キュンには珍しく
先進国へ行って すごい人と会ってきます


無事に放送にこぎつけたら
夢の一つを実現したんだな と思ってください
いくら待っても放送されなかったら
ああ行ってもダメだったんだな と思ってください(笑)




※ロードレース男子部の2年間の集大成
 ツールド沖縄に向けた特番とレースが
 2週連続で放送となります

 2月8日(土)・15日(土)

 サラリーマンチャリダーたちの全力を
 見てあげて下さいませ


 2月16日(日)には 男子部が
 名古屋のカトーサイクルでトークショーをやるみたいです
 私は海外にいるので行けませんが
 どうぞ応援に行ってあげてください★