自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

今週から山口スペシャル!

2017年06月21日 22時18分21秒 | チャリダー★
「チャリダー★」では、
今週から2回にわたって
山口スペシャル!

そう、私が富士山のレースを前にしながら
脚を使い果たしてしまったロケですね。





山口は、個人的に大好きなエリアで、
いつかは自転車で走ってみたかった場所。
今回、夢が叶って嬉しかった!




今週は、殿(筒井さん)とイノッチの
萩や秋吉台を走るロングライド。
絶景と美味のオンパレードで
見ると行ってみたくなるVTRになってますよ。


ワタクシ、いつもは写らないように走るのですが、
途中ワンカットだけ、走る姿が写ってます。
写らないようにする余裕がなかったし、
このシーンのせいで脚を使い果たしてしまったわけですが…
マニアックなシーンがお好きな方は、どうぞお楽しみに。






そして!
私がひとりで徳島・上勝町に行って撮影した
「上勝ヒルクライム」もついに放送です。
坂バカ女子部の三谷さん(おとなり愛媛在住)が参加しました。


三谷さんは表彰台のてっぺんをめざし、
私は「ひとりでどれだけヒルクライムレースを撮れるか?」
に挑戦してきた、
まさにチャレンジ精神あふれるコーナー、なのですが…


くわしい裏話は放送後にでも。



土曜日の夕方はぜひ、
お茶の間で「チャリダー」を★




自己ベストラッシュ。

2017年06月19日 03時27分47秒 | 自転車



ここ2ヶ月、なんとか時間を作っては
方々に走りに行っている。
週末は4時間の休みをもらって
けっこう全力の100kmを走るようにした。
なぜなら、
「速くなりたい」
ではなく
「速くならねばいけなくなった」
から。




イノッチに差をつけられてるとか、
富士山で1時間を切れないとか、
そういうことは、もともと勝負に興味が無い私にとって
実はあまり大きなエネルギーにならなかった。
イノッチに負けたって、悔しくもなんともない。


しかしこの春、
私は絶対に速くならなきゃいけない事実と直面した。



伊吹山ヒルクライムでのこと。
私はいつものように、女子部の大宅さんと三谷さんを撮影していた。
三谷さんを撮影したあと、少し後ろを走る大宅さんのところへ下がり撮影。
さあもう一度三谷さんを撮ろうと、200mほど前を走る三谷さんを追いかけた。
しかし。
けっこう本気で踏んでも、わずかにしか追いつかない。
これはまずい。全力で踏む。
…追いつかない。
あと50mなのに。

けっきょく3kmほど追いかけたのだが、私の脚は売り切れて、
追いかけるのをあきらめた。
カメラには一応「ごめん、三谷さんの撮影を諦めます」と
担当ディレクターに向けてコメントしておいた。


これはショックだった。
去年の乗鞍(8月末)のときには、
カメラで撮影しながら余裕でついて行けたのに!
人は半年でここまで速くなれるのか?
何より、これでは私は仕事にならない。



私の心に火がついた。
1ヶ月の走行距離は、350kmから800kmに増えた。
そして、距離を増やして2ヶ月目。
おととい、昨日と2日連続で自己ベスト更新。

箱根湯本〜小涌谷8.8km 29分03秒(51秒更新)
大平山 3.5km 8分32秒(45秒更新)

体調悪かったので(徹夜明け)、まさか
自己ベストを狙えるとは思っていなかったのに。


脚の形も変わってきた。
ハムストリングスが大きくなったのがわかる。


さあ、このまま行けば、
秋には相当速くなっているに違いない。
このまま行けば……

風の音。

2017年06月15日 03時30分45秒 | おしごと日記
風の音で、目が覚めた。
目の前には薄暗い天井があった。
ああ、ここは編集室の床なのだと気がつくまでに
しばらくかかった。


スタジオ収録を終えて、自転車で会社に戻ったところまでは覚えている。
慌てて時計を見ると、1時。
チェ、と舌打ちをした。
観に行こうと思っていた舞台は終わってしまっていた。


1年以上会ってない友人が
たいへんな思いをして稽古した舞台だった。
しばらく起き上がる気力がなくて、
じっと天井を見つめていた。
仕方ねえ、3日寝てなかったのだから、
と思っても慰めにもならない。


病院のような地味な天井に街明かりがほんのり差し込み、
外では風がざわついている。
建物の中に人の気配はない。
すべてが虚しいことのように感じられて、
泣きたかったけれど、涙が出なかった。


友人よ、すまないね。
君の人生のひとコマを見逃してしまった。


たまには人生から逃げ出したいもんだ。
体ひとつで遠くまで行くんだ。
そんな虚しいことをしばらく考えた挙句、
逃げる場所を探しに、もう一度寝ることにした。




たのしいロケハンのしかた。

2017年06月08日 17時40分39秒 | おしごと日記

ロケハン。ロケーション・ハンティング。
撮影のための下見のことですね。
テレビの仕事をしていて、これが一番たのしい、というスタッフは多いです。
朝から晩まで下見に駆けずり回っているので
へとへとにはなりますが、
やっぱり撮影とは違うため、気楽なのです。


きょうはその「たのしいロケハン」の一部始終をご覧いただきましょう。







場所は青森県某所。
道を俯瞰できる場所をさがしております。
まずは「撮りたい場所」が見下ろせそうな丘などに当たりをつけます。
見ると、山の中腹に草地があって、
小屋らしきものが建っている。
あの場所に辿り着ければ、良い画が撮れるに違いない!


山の中腹に向かい、車で登っていくと…





あらら、道がなくなってしまいました。


ここで諦めてはいけません。
「誰も撮ったことのない絶景ポイント」を探すのが
私の使命だからです。





近所の人に聞き込みをすると、
草は生えているが、いちおう道は続いていて、
立ち入り禁止でもないらしい。
近所の人にたのんで車を置かせてもらい、ちょっと歩いてみることに。





確かに道は続いていました。
季節は春、ヘビなどがいたらたまったもんじゃありません。
手頃な棒をゲットして、前方の地面をたたきながら進みます。





10分も歩くと、草が生い茂って、
道がほとんど見えなくなりました。
ここで、私はあることを思い出します。



熊とか、いるよね…



春の熊はヤバイ。
しかし熊よけの鈴なんて持っていません。
とりあえず大声で歌を歌いながら進むことに。
途中で人に聞かれでもしたら、あきらかに変人にしか思われませんが、
かまっちゃいられない。


しかし、たいへんな事態が起こります。
20分も歩くと、得意な歌のレパートリーが終わってしまったのです。
そもそも歌うことが虚しくなってきた。
どうしようかと迷っている暇はございません。
歌から奇声に切り替えます。


猿の鳴き声のマネ。
犬の鳴き声のマネ。
誰もいない山道で、ひたすら動物の鳴きマネを繰り出します。
しかし、けっこう体力が要るなあ、と思って
豚の鳴き声のマネをしたら、喉を痛めてしまいました。

楽に大きな声が出る音を探ったら、
マイクがハウリングしたような裏声が一番よかった。

「アー、オー、アー、オー」


ひたすら裏声を出し続けます。


歌ならまだしも、これを人に聞かれたら
明らかに頭のおかしい人です。
しかし、熊に出くわすのに比べたら、なんぼ良いことか。
めげずに奇声をあげ続けます。


すると、面白いことが起こりました。

私が「アー」というと
「フワーン」というような鳥(?)の鳴き声が返ってきます。
「オー」と言うと、また
「フワーン」という鳴き声が返ってくる。

「アー」「フワーン」
「オー」「フワーン」

私を仲間だと思ってるのでしょうか?







けっきょく、40分歩いた末に、
丘の上に登れるような場所は見つからないまま
民家に出てしまいました。


農作業をする夫婦に、あの小屋のある草地へは行けるのか、と聞くと、
行けるのは確かだが、途中の林の中へ
突っ込んでいかないとダメらしい。






…こんなズボンとシューズでは、無理だ…。



40分かけて来た道を、ふたたび戻ります。
もちろん、奇声をあげながら。



無駄なことをしたんだな、と思うなかれ。
あの俯瞰ポイントに、一歩近づけたではありませんか!
ロケで来る時には、もちろん登山グッズを持ってきます。
そう、「誰も見たことのない絶景カット」を撮るのが
私の使命ですから★