◇蝉しぐれ(2005年 日本 131分)
原作/藤沢周平『蝉しぐれ』
監督・脚色/黒土三男 撮影/釘宮慎治 美術/櫻木晶
衣装デザイン/林田晴雄 岩崎敬二 内海真敏 斉藤育子
音楽/岩代太郎 主題歌/一青窈『かざぐるま』
出演/市川染五郎 木村佳乃 緒形拳 原田美枝子 加藤武 柄本明 大滝秀治 原沙知絵
◇丁寧な絵作り
時間を掛けて撮ったって感じは、とってもよく出てて、そうしたところ、好感がもてた。役者たちもそれなりに落ち着いた感じだったし。
でも、前半がちょっと長過ぎるような気がしないでもない。物語の展開に対する姿勢の差なんだろうけど、子役と大人役とをわけるのであれば、尚更、延々と続く前半は考えて欲しかったかな~とか、関係のない素人はおもっちゃうんだけど、これはおそらく、原作に対する思い入れの差かもしれないね。
それと、殺陣はかなりリアルに作られてる気がするんだけど、そうであるだけに、妙な剣法に違和感がないこともない。
ちなみに、この原作の映画化は15年の歳月が掛かったとかいうことを予告編で観た。まあ、映画というのは、そういうものなのかもしれないから、びっくりするわけではないし、映画ってのはもともとそうあるべきものなんじゃないかなともおもったりする。
小説だって、作者の頭に発想が浮かんでから20年30年経ったときに、ようやく脱稿されるってこともあるんだから。
ものを作るってのは、ほんと、難しいよね。