☆犬神家の一族(1976年 日本 146分)
監督/市川崑 音楽/大野雄二
出演/石坂浩二 島田陽子 あおい輝彦 坂口良子 岸田今日子 加藤武 高峰三枝子 三國連太郎 佳那晃子
☆追悼市川崑その9
当時、高校2年生だったぼくは、この映画の封切がものすごく愉しみで、観る前から主題曲も口ずさめるほどになってて、で、封切られるや、わくわくしながら観に行き、どえらく興奮しながら帰ってきた。まあ、角川映画の宣伝にまるっきり乗せられた観はありありだけど、それでも、映画少年の心をゆさぶるには充分すぎる中身だった。
隅の隅のまた隅まで行き届いた演出と編集と美術。光と音の冴えをもった映画はこういう映画だっていう見本だよね。
それにしても役者達の若い事若い事。ヒロイン像がいかにも日本的な理想像とされているのが時代を匂わせるわ。
でもなにより「すけきよ」と当時から盛んにいわれた「波立つ水面から突き出た足」だが、これはやっぱり青木湖にモニュメントとして建てるべきだとおもうんだな。いや、実際、このときの石膏は砧の撮影所に残ってるんじゃないかな?