◎トータル・リコール
学生の頃、自主製作映画の主題のひとつはアイデンティティの肯定だった。おれは誰だ?ってやつだよね。
そんな映画ばかり撮ってる連中の聖書のひとつがフィリップ・K・ディックで、自主製作映画を観てると、おやおやおや、これは『火星のタイムスリップ』だねとか、これは『流れよ我が涙と警官は言った』だねとかいう話題になったりした。
で、この映画は、ぼくらのそんな時代が終わってしばらくしたときに封切られた。だから、とっても懐かしくて、他人事じゃないんだよな~。
ま、そんなことで、シャロン・ストーンがえらく若くて美人で、しかもシュワルツェネッガーを蹴り倒した後で、シュワルツェネッガーに撃ち殺されるとかありか?てなことはどうでもよかったりした。今となってはこっちの方が肴になりそうだけどね。
でもまあそれはポール・バーホーベンも感じるところがあったんだろう。だから次の作品を『氷の微笑』にしたのもシャロン・ストーンにいかれちゃったのかもしれないよね。