◇銭形平次(1967)
あらま、岡田茂の単独企画じゃないのね。ま、所長だったし、かかりきりは無理か。それにしても、八五郎は大辻伺郎だし、お静は水野久美だし、このあたりは映画版ってことで張り込んだんだね。ま、箕輪の万七はおんなじコンビだけど、遠藤さんは辰雄の漢字だったんだあ。へ~。
つか、平次はまだ賭博に顔を出す鳶職で、岡っ引きの父親に勘当されて飛び出してる時代なのね。映画版のシリーズにしたかったのかな。苦しい時代だね。
山内鉄也の演出はかっちりしてるな。田坂啓の脚本がいいんだな、これは。でも、十手でかための金打ってのは初めて見たわ。深川のお稲荷さんが祇園の辰巳稲荷でロケしてる。楽にできてたのかな。拓ぼんも志賀勝も汐路章もみんな若いな~。
いいロケセットだなっておもったのは、心中に見せかけられたとび政の死体が見つかる橋なんだけど欄干が壊れそうに傾いてる。この美術はええね。いや、待てよ。どうも既視感が強い。大友柳太朗が「煙草を持っていけ」というあたりから、これ見たな、虎の穴みたいな河岸が出てきて、江戸の歌舞伎町的な感じのところが巣窟になってて、幼なじみの小池朝雄が顔を潰されて殺されるんだけど実は……とかいう筋書きじゃなかったっけと。
あらあら、デジャビュじゃなくて、ほんとに前に観てたのね。
ま、なんにしても、僕はやっぱり銭形平次は大川橋蔵だな~。