△花よりもなほ
つまんないなあ。
美術がおそろしく良くて、撮影もなかなか、タブラトゥーラの音楽も印象的だ。
ところが脚本がだらだらしてるし、演出もなんだか辛気臭い。役者たちも顔をそろえるための芸人たちの演技が下手過ぎて興ざめするし、なんといっても話がまるで始まらない。ずうっと小汚い裏長屋の暮らしを撮ってるだけってのはなんだろうね。だいじょうぶか、是枝裕和。
なるほど仇討をしようとしている岡田准一と、子持ちの宮沢りえの物語だってことはなんとなくわかった。たぶん、仇討しないっていう話にもっていって、人殺しよりも人を愛することの方がたいせつなんだとかっていう物のわかったような話で締め括るんじゃないかって、そのだらだらの出だしでおもった。
原田芳雄の小野寺十内が出てくるときだけ絵がしまるがあとはひたすら薄汚く、だらだらだらだらしてて、そもそも寺島進の寺坂吉右衛門の話とか余計だし、忠臣蔵をからませたことで余計なものがくっついてますますだらける。どうしたらこんなにつまらない映画ができるんだろうっておもってしまったのは、ぼくだけなんだろうか。