◇幸福なラザロ(2018年 イタリア、スイス、フランス、ドイツ 127分)
原題/Lazzaro Felic 英題/Happy as Lazzaro
監督・脚本/アリーチェ・ロルヴァケル 音楽/ピエロ・クリチッティ
出演/アドリアーノ・タルディオロ アニェーゼ・グラツィアーニ アルバ・ロルヴァケル
◇インヴィオラータ村
実際に起こった詐欺事件を基にしているっていう触れ込みなんだけど、でもその事件がどんな事件だったのかはわからない。なんだか中途半端な感じを受ける。とはいえ、謳い文句に文句をつけたところで仕方がない。
で、小作解放の後も騙して小作をさせられてた煙草農園の人々は解放されて社会に出たもののかえって惨めな暮らしを強いられるという皮肉はよくわかる。
アリーチェ・ロルヴァケルが描きたかったラザロが、キリスト教圏ではどんな存在になるのかはわからないけれど、小作たちのために動き、教会から音楽を連れ出し、パチンコを武器にしたわけではないものの、銀行に嘆願に行き、殴り殺され、狼に憑依ってまでしても、小作らと共にあろうとするのはやっぱり聖人の証なのかしらね?