Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

京都に棲む53. 設計がうまくなる方法7.

2008年12月24日 | Kyoto city
 設計がうまくなる方法のシリーズも7回目だと、少し執筆する意欲が減退する。というのも、基本は個人の能力のことだから、他人である私がとやかくいうことはない、という思いがある。そこでこのシリーズのラスト予定(笑)では、私の経験だが、うまい設計者は、多分「聞き上手」だということをとりあげたい。
 逆の例、つまり「聞き下手」をあげれば解りやすいだろう。私が話をしていても、この人は、何を考えているのか解らないという人がいる。つまり会話や物事に対する反応がない人達である。こういう人達は、私の話が通じているのかどうかはなはだ疑問になるし、何を考えているのかが解らないし、一般的には疲れさせてくれるタイプである。私の大学の授業に出席する学生達は、このタイプが多い。無反応、無関心で、教室の後ろに座わり、頭を下げ、内職や居眠りをしている。関心がないならば、授業にでてこなければいいのに、と私は思うが。
 これに対して「聞き上手」というのは、適度に反応があり、私から話をしてしまうような、雰囲気を感じさせてくれる人である。どこか目が合うとフランクに話が進んでしまい、私からみれば疲れない人である。つまりフツーに会話ができる人である。このことは、あまり年齢差とは関係がなく、これまでに巣立っていった私の研究室のゼミ生達の中にもこうした「聞き上手」はいたと記憶している。多分個人の育ち方だと思われる。
 このように「聞き上手」だからこそ、クライアントが言葉にならない深層にある建築への要望を、優れた設計者は、会話の中から肌で感じ取ってしまうのであろう。そして、あなたの潜在的な要望は「これでしょう!」といって、サラリと提案するのである。

東寺・終い弘法市・饅頭などに押す焼印
Fuji FinepixS5pro,AF Nikkor F1.4/50mmmED
コメント
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