Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

京都に棲む58. 設計がうまくなる方法12.

2008年12月29日 | Design&3DCG
 建築だけのスケマティックデザインを表現するのであれば、ランドスケープソフトのVueは不要な場合もある。ここでは、モデリングソフトのStrata3.9版を用いて制作した、パワーセンターの3DCGである。1層が5mの階高なので、一般の12階建の建築と同様の高さとなる。フロア面積は、約30万㎡だと記憶している。愛知県の一宮インターチェンジの前を想定し提案した「I・Cフロント」である。ガラスキューブの奥にユニット化されたボリュームを配置したダブルスキンによるファサードとしている。
 スケマティック・デザインでは、従来の建築設計ほど、作業の時間が与えられない。 ここでは、調査やコンセプトも含め一ヶ月程度で制作したので、デザインもユニット化するなどの合理的考え方が必要になる。
 スケマティック・デザインは、コンセプトをデザイン表現で示したものであり、このまま建つ可能性は少ない。仮にこのままデザイン・プロジェクトが進んだとしても、建築的ディテールの検討は、設計段階に委ねることを前提している。だから全体を大づかみで表現した、コンセプチュアルなデザインなのである。
 細かなことはいったん保留しつつ、全体のデザイン的な骨格を大づかみに表現することが、ポイントである。設計というのも、最初は、ものすごくおおきくそして抽象的なところから、大胆にすめられる。こうした幹ができれば、次第に枝がつき、実がなり、樹木になるといった具合にである。ものごとの本質的な骨格を捉えるということが大切なポイントである。枝葉末節を好む日本人にとっては、あまり得意な手法ではないが。

制作:2005年
コメント
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