Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

京都に棲む60. 設計がうまくなる方法14.

2008年12月30日 | Design&3DCG
 今日は大晦日だ。京都シリーズも60回と区切りがよい。さて1年半続けてきたこのブログもここで終わりとするか、あるいは続けるかは、年が明けないとわからない。というのもOS10.5に更新したら、3DCGで使用してきたstrataCXJとshade7が使えなくなってしまったからだ。少し意欲減退している。
 今日は、湖上に浮かぶバーチャル環境のインスタレーションといった類の3DCGをあげた。正方形のブロックに、フィレンツェにあるドゥオモの空間断面でくりぬいてみた。ソフト上はブーリアン減算で処理したことになる。これぐらいシンプルなオブジェだと、綺麗にみえる。
 こんなシンブルなオブジェは別として、通例3DCGは、相当な集中力を必要とする作業である。というのも、かって制作した作品ファィルを開けると、どのように制作したかを思い出すのに、一寸時間が必要なときがある。また、膨大で地道な作業を思い出すと、あまり引き受けたくない仕事だと、思うときもある。あるいはCGに向くデザインと、そうでないデザインもある。作品によって表現ツールを見極めてゆく力の養成は、やはり設計がうまくなる方法につながるのなのだろう。
 設計というのは、エスキースにしろ、図面にしろ、模型や3DCGをつくるときにしろ、常に完成系をイメージしながら、抽象的要素から、具体化への作業が暫時進められる行為なのである。少しまとめみたいな結論を述べて、今年は終わりとする。よいお年を。

制作:2006年
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京都に棲む59. 設計がうまくなる方法13.

2008年12月30日 | Design&3DCG
 昨日は研究室の忘年会「年越し蕎麦の会」であった。今年は蕎麦ではなくうどんであったが、少し年越しの雰囲気を味わいつつの歓談であった。OBの「企業に就職すると、古くさいソフトばかりで、やはり大学の設備は恵まれているから、在学中にどんどん使っておくべきだ」という発言は印象的だった。たしかに私のところのアーバン室における3DCG系ソフトは、簡単な流体モデルができるソリッドワークスをはじめ、shade,strata,Vue,MAYA,Poserがあり、一応のことができる。しかしこれだけあっても、使いこなす学生は少なく、相変わらず20世紀の延長線上にいるようだ。
 3DCGを使う場合、重要な点は、このソフトでどんな表現を求めるかとする、事前の目論見である。リアルにするのか、概略的にするのか、モデルだけの表現か、環境の表現か、それによって扱うソフトも表現手法も異なるだろう。
 今日の写真は、中国江蘇省天目湖の都市開発プロジェクトの際に用いた、3DCGをあげた。都市開発故、個別的な建築設計は必要ないのだが、都市全体のボリューム設定や建築設計のためのガイドライン策定のために、制作したスタンダード・モデルである。従って考え方のみ反映された、概略的なデザインであればよい。ここでは、中国の伝統民居様式である、院子と呼ぶ中庭を囲んだコートハウス・スタイルを、立体的に組み上げた中層住宅モデルである。これを立体院子モデルと呼んでいた。制作はイラストレーターとストラタで行った。都市開発の住宅モデルであるから、かなり概略的表現に留めている。

制作:2006年
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