Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

京都暮らし70. 車窓の景

2009年08月10日 | Kyoto city
私は、一人で列車に乗るときだけ、必ず窓側に座り、いつでも撮影できるようにカメラをスタンバイさせておく。変化する車窓の風景を撮るのが目的だ。
 よく ツーリストのお姉ちゃん達は、日ざしが差し込むとブラインドを下ろすが、景色をシャットアウトして、一体なんのために旅行にてでいるのかと眼を疑いたくなる。こういう輩をみると、私は心の中で「馬鹿!」と叫んでいる。私に言わせれば、ブラインドを下ろすなんて論外である。それでは、景色が見えないではないか。列車に乗る最大の楽しみは、ひとえに車窓の景を堪能するためにあるのだ。
 そうした車窓の景の楽しみ方、別の言い方をすれば作法を、私はランドスケープアーキテクトの故池原謙一郎から、学んだと記憶している。
 名古屋から松本に向かう中央西線は、木曾街道の家並みを見ながら北上する山岳路線なので、大変景色が良く個人的には好きな路線である。やがて列車は松本から篠ノ井線に入り、姥捨駅を過ぎると棚田の向こうに善光寺平が広がる絶景が姿を現す。根室本線狩勝峠、肥薩線矢岳越えに続く、日本三大車窓の一つである。「ああっ、信州だ!」そんな思いをいつも感じている。
 やがて列車は、勾配を駆け下り篠ノ井駅に着く。昼飯は上田の「刀屋」のざる蕎麦を食べようと目論んでいたので、私は空腹を抱えながら信濃鉄道に乗り換えた。

長野県・篠ノ井線
Fuji FinepixS5pro,AF-SNikkor16-85mm/F3.5-5.6ED
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