Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

京都暮らし84. 四寺廻廊その一

2009年08月30日 | field work
 松島湾に面して境内を構える瑞巌寺にでかけた。本堂など幾つかの建物は国宝であり、境内は大きな杉木立で覆われ、創建は平安時代、伊達政宗の厚い庇護を受け、幾つかの塔頭も構え、それ自体は立派なお寺である。
 だが私の関心は薄かった。本堂の建立、そして内部の壁や天井の装飾には、京都から多くの大工を初めとする職人を呼んでつくられたと説明されている。だからこの寺は、まさしく京都のお寺の様式である。国宝の庫裡などは、京都の天竜寺や高台寺のそれと同一のデザインだ。
 それにこの寺全体の配置が、正門、中門、本堂とが一直線に並び左右対称でできた空間は、単純明快だが、やはり単調なのである。デザインを勉強してゆく立場としては、もう少し多様な変化ある設えの方が面白い。
 そして京都のお寺には必ずある大きな庭園が、ここにはないことも興味半減の原因だろう。
 最後に茅葺きの中門が、修復のため解体されていた。実に小さな中門をくぐると、大きな本堂が現れるという体験ができるはずであるが、おしかったね。
 松尾芭蕉が瑞巌寺を訪れたことは「おくのほそ道」に記載されている。
 「ほう、立派なお寺と風景でよこざんすね」と儀礼的な挨拶でこの場をやりすごしたかどうかはしらないが、芭蕉は瑞巌寺では句をつくらなかった。
 話題は変わるが、「四寺廻廊」という言葉を連ねたJRのポスターを仙台周辺の駅で見かけた。この地を訪れた旅人には、頭に残る言葉である。時間があれば回るかな・・・。

松島・瑞巌寺
Fuji FinepixS5pro,AF-SNikkor16-85mm/F3.5-5.6ED
コメント
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