Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

京都暮らし80. ホームグラウンド

2009年08月20日 | Kyoto city
 さて今日も、夏への未練を残した写真である。ことしは雨が多かったが、雲が多くてもこうしたクリアな抜けるような青空が垣間見えるところは、やはり夏の風景である。2階建の木造の街並みが続いているので、八坂の塔がランドマークとして際だっている。現代では高い建物が多く、限られたスポットでないと、この風景は見られないが、昔の人々は、これが日常の風景であった。
 私は、 大学に赴任してから京都に足繁く通い、今はこの街に棲んでいる。市の統計では年間5千万人以上(社寺の拝観者数は除く)がこの街を訪れているので、それだけ風景には恵まれたところであるようだ。何しろ世界の人々が訪れる日本の京都であるし。
 そんな街と10年以上つきあうと、贅沢なことに得も言われず飽きるときがある。それで時々この街の外に出たくなる。そして京都に帰ってきたときに、ああこの街は、落ち着いていて良かったなと思うのである。
 このような経験は、どんな街に暮らしていても感じる事だと思う。かような経験をすると、自分が棲む街は、帰ってくるためにあると思う。だからホームグラウンドと呼べるのだろう。
 海外に出かけたときに機内で書かされる入国カードの目的チェック欄がある。そこにはon business等の項目の他にgoing homeという項目がある。復路の目的は、「家に帰る」、良い表現だと思う。旅というのは帰ってくることにある。もし帰るところがなければ、旅ではなく放浪と呼ぶのだろう。

京都・高台寺界隈
Fuji FinepixS5pro,AF-SNikkor16-85mm/F3.5-5.6ED
コメント
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