翌日私は、何かと忙しい個展はほかして、上田電鉄というローカル線に乗り別所温泉に出向いた。終点の駅からしばらく山道を登り、最奥に木造4階建ての老舗旅館を見つけた。ならば、ここの外湯につかるか、というわけだ。
私が写真を撮っていたら、なかから年配の大女将がてできて眼があった。
私は、「ここの外湯がありますか?」と言った。
大女将は「外湯ならば隣で180円ではいれますが」。
私「いや、ここの木造4階建ての中を見たいので」。
大女将「ここは、1,050円しますが」。
私「それでいいですよ、ついでにタオルも貸して」。
というわけで、木造4階建ての旅館の露天風呂にありついた。室内は、総畳敷きであり大変居心地の良い設えであった。さらに浴室の中まで畳敷きだったのには、少し驚かされた。大丈夫かいなこんなところで、水を使ってと思ったが、多分プラスチック系のコーティングがされているのだろう。人気がない露天風呂は、心地よかった。
湯上がりに応接室に立ち寄ったら、ジャンヌモローから永六輔まで各界名士の色紙が飾られていた。この老舗旅館の歴史を表している。
タイミングよく大女将が、冷たい水を持ってきてくれたので、ひとしきり雑談をしていた。大女将は、話を引き出すのが上手い。そうしたタイミングの良さが、愛想笑いしかできない最近の若女将とは、大いに違うところである。サービス業にたけた人との会話とは、大女将のように本来心の機微に触れる心地よさがあるのだろう。そんなことを思いながら、老舗旅館の時間を少し堪能していた。
長野県別所温泉・柏屋別荘
Fuji FinepixS5pro,AF-SNikkor16-85mm/F3.5-5.6ED
私が写真を撮っていたら、なかから年配の大女将がてできて眼があった。
私は、「ここの外湯がありますか?」と言った。
大女将は「外湯ならば隣で180円ではいれますが」。
私「いや、ここの木造4階建ての中を見たいので」。
大女将「ここは、1,050円しますが」。
私「それでいいですよ、ついでにタオルも貸して」。
というわけで、木造4階建ての旅館の露天風呂にありついた。室内は、総畳敷きであり大変居心地の良い設えであった。さらに浴室の中まで畳敷きだったのには、少し驚かされた。大丈夫かいなこんなところで、水を使ってと思ったが、多分プラスチック系のコーティングがされているのだろう。人気がない露天風呂は、心地よかった。
湯上がりに応接室に立ち寄ったら、ジャンヌモローから永六輔まで各界名士の色紙が飾られていた。この老舗旅館の歴史を表している。
タイミングよく大女将が、冷たい水を持ってきてくれたので、ひとしきり雑談をしていた。大女将は、話を引き出すのが上手い。そうしたタイミングの良さが、愛想笑いしかできない最近の若女将とは、大いに違うところである。サービス業にたけた人との会話とは、大女将のように本来心の機微に触れる心地よさがあるのだろう。そんなことを思いながら、老舗旅館の時間を少し堪能していた。
長野県別所温泉・柏屋別荘
Fuji FinepixS5pro,AF-SNikkor16-85mm/F3.5-5.6ED