

20XX-10-15 曇 小雨 曇 寒い
釧路川水系源流域の稀少オショロコマと幅広ニジマス
ある初秋の頃、釧路川水系OS川源流域にオショロコマを捜しにいった。
この川はこれまでにも何度か調査に入ったがいつも水量のないさえない川に見え、あちこちさぐってみてもオショロコマは発見出来ないでいた。
今日は地元のとあるおじいさんからこの渓流でオショロコマの生息する水域に関して信頼性の高い情報を得て再調査にきたのであった。
今回は先日の大雨のせいか水量も多く、いつもとは異なる堂々とした立派な渓流に変身していた。
かなり上流で入渓可能な場所があり、そこから川岸に降りてその前後2-300mを釣ってみたところ、情報通りオショロコマが確認できた。


今回、この渓流で初めてオショロコマ12匹の撮影に成功した。あまり顕著な特徴がなく腹部の着色もめだたない地味な外観の個体群だ。しかしここに示した個体は明るい灰色を帯びた地色に淡いオレンジ系の赤点紋理で、このような個体は他の渓流では見たことがない。この渓流を特徴づけるタイプかも知れない。
しいて言えば腹部のヒレが濃い飴色を呈する個体が多いのが印象的だ。水温は9℃で極めて冷たい。
すでに産卵後の1♀もいて、釣り上げた雄は激しく放精した。
















撮影させていただいたオショロコマたちは水中で手早く撮影し全て丁寧にリリースした。
紅葉がきれいであった。
思いがけず、オショロコマ生息域に侵入した(放流された?)ニジマス25cmくらいのが釣れた。体高があり巾が広い立派な野生化した個体であった。

ここから下流には2カ所のダムがあり魚が遡上することはまったく不可能だ。 そうすると、わざわざこんな源流域にニジマスを放流した人間がいることになる。

一般的に、こんな源流域にニジマス狙いで入渓する釣り人はいない。自分だけの秘密のニジマス釣り場を作りたかったのだろうか。
ニジマス放流が在来種にあたえる影響や、生態系などまったく無視した確信犯というより、それらに対する完全な無知がなせる業ではなかろうか。本州では放流されたニジマスは自然繁殖はできないようだが、北海道では野生化し繁殖し、やがてのっぴきならない状況になる可能性があるのだ。
稀少なオショロコマの生息水域奥深く放流されたニジマスは、かわいそうだがおいしいムニエルになってもらうことになった。
よりによって、ここのような 稀少な Native のオショロコマ生息域に外来魚ニジマスを放流するのは断固やめるべきだ。
もはや在来の魚類が完全に消えてしまってニジマス放流に適した場所は他にいくらでもあると思います。
Salvelinus malma in nature in Hokkaido, Japan. Oshorokomanomori blog 5

