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20XX年9月20日 晴れ
斜里川上流に捨てられたかわいい子犬7匹の運命-1
この日はとても良い天気で、いつもの3人で朝9時に北見市を出発、斜里川水系の支流源流域にでかけた。まずOSS川に入ったがいつものポイントにはあまり魚がおらず小型オショロコマ、アメマス、ヤマベ各数匹のみで大きく出鼻をくじかれた。
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そこで別の支流へ向かう途中、斜里川上流への道沿いに子犬がちらりと見えた。あたりには人家や人の気配などまったく無い山奥でちょっと驚いて車を止めてみたら、かわいい捨て犬合計7匹がいた。
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とてもきれいな子犬たちでまだ捨てられて間もないのではないかと思われた。始めは警戒してヤブの中にいたが、おそるおそる総勢7匹が、ぞろぞろとでてきたのであった。
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私たちはマルチーズとチワワを飼っていたし、同行のF氏は猫2匹を飼っている動物好きだ。子犬たちはあまりにかわいくて、つい抱き上げたりほほずりなどしているうちにすっかり慣れてしまった。
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こんな山奥に捨てられては、やがてのたれ死にするか、キツネやヒグマやオジロワシやシマフクロウなどのエサになってしまうことは明白だ。
かといってどうすることも出来ず、後ろ髪を引かれる思いでその場を去った。子犬たちが車の後をどこまでも追っかけてきたが断腸の思いで無視して走り去ったのであった。
この日は斜里川水系のあちこちで渓流魚を撮影して帰路についたが、帰りにやっぱり子犬たちが無性に気になって、最初に子犬たちを見かけた場所に寄ってみた。
しかし、よく捜してみたが既に子犬たちの姿はなかった。誰かが拾っていったのか。それとも.......。
20XX年9月27日
斜里川上流に捨てられたかわいい子犬7匹の運命-2
後日談その1
1週間後の20XX年9月27日、F氏は犬用ペットフードを一袋持って、子犬たちのいた場所を再び訪れた。
この1週間、どうにも子犬たちのことが気がかりでたまらず、彼は一つの決心をしていた。子犬たちを山奥から回収して、夜、密かに斜里町の市街に放そうと思ったとのこと。
そうすると誰かが子犬を拾って飼ってくれる可能性があると考えたのであった。しかし、いくら捜してもやはり子犬たちは見つからなかったという。
後日談その2
日本肝臓学会雑誌Vol.49(2008-11月)に、首都圏居住者にみられた多包虫症の1例 という論文が目にとまった。
上腹部痛、発熱で発症し胆嚢結石、胆嚢癌と診断され手術を受けた首都圏在住の35歳女性の手術標本を病理学的に調べたら癌はなく、思いがけず肝エキノコックス病巣が発見されたという。胆嚢癌の肝臓転移(30-40mm程度のもの4個)とおもわれた病変は実はエキノコックス病巣であった。
また腹痛などの症状は胆嚢結石によるものであった。彼女の夫は運送業で毎週北海道から冷凍魚介類を首都圏に運んでいたという。
1982年、北海道の路上で捨て犬と思われる子犬を一匹拾って持ち帰り、この女性が主に世話をしたが何故か犬は3年で死んでしまったという。
彼女が胆石発作による症状をきっかけに偶然エキノコックス病巣を発見されるに至ったのは1983年でありこの子犬からエキノコックス虫卵を経口摂取する形で感染したのではないかとの可能性が指摘されている。
これまでの常識では、感染後1年でこんなに大きなエキノコックス病巣ができるのか、かなり疑問が残るが、何となく話の筋道は出来ている。
エキノコックスは犬やキツネの小腸に小型の条虫のかたちでびっしりと寄生し、その結果おびただしい数の虫卵が便中に排泄される。
これを経口的に摂取すると人に感染し、この場合は主に肝臓に腫瘤をつくる形で増殖する。一般的に発育は緩徐で発症までには普通10年から数十年を要する。
最終的には癌のごとく肺、脳、骨など他臓器にも転移する。
この症例は胆嚢結石症を肝転移をともなう胆嚢癌と誤診される形で偶然に肝エキノコックス病巣が発見されたものである。
北海道では野外犬やキツネにエキノコックスがいる可能性は、いまや小学生でも知っている常識であるが、私たちは子犬たちのあまりのかわいさに、つい濃厚接触してしまった。
年中山に入るので時々検査はしているが、そのうち、またエキノコックス抗体検査を受けようかなとおもう。
動物好きの善人F氏が、もし、今回の山奥にいた捨て犬たちを回収し斜里町市街に放して誰かがそれを拾って飼育したとするとちょっと怖い話になったかも知れない。
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