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高麗神社と谷内正太郎

2014-10-27 00:22:00 | 政治
いつもの朝鮮日報記事だが、興味をひかれたのは2001年の天皇発言の後段である。

【コラム】韓国を「人権後進国」と批判する日本の極右へ
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/10/24/2014102401361.html

「桓武天皇(737-806)の生母が百済の武寧王(462-523)の子孫であると『続日本紀』に記されていることに、韓国とのゆかりを感じている。宮内庁楽部の楽師の中には、当時の(韓国からの)移住者の子孫で、代々楽師を務め、今も折々に(朝鮮半島から伝来した)雅楽を演奏している人がいる」

宮内庁で雅楽を演奏する楽師のなかにも、朝鮮半島からの帰化人の子孫がいるという下り。少し前に日高市の高麗神社を訪ねたことを思い出した。

1300年前、日本に移り住んだ高句麗人
http://komagun.jp/

なぜ、高麗神社を訪ねたかといえば、車で小一時間ほどの「ご近所」だったのと、ほんの気まぐれからだった。なぜ、気まぐれを起こしたかといえば、「右折 高麗神社」の標識を見たとき、初代内閣官房国家安全保障局長に就任した谷内正太郎の名が浮かんだからだ。

いうまでもなく、国家安全保障局(NSC)はたいへん重要な機関であり、当然、その局長ポストは注目された。その初代に就任した谷内正太郎が高麗神社に参拝したのを知っていたからだ。それも就任前のたぶん忙しい合間に。新聞の埼玉版に小さく、「谷内正太郎氏 高麗神社へ」という記事が出たのだ。それが頭にひっかかっていた。

「なぜ、高麗神社に?」。富山県出身の谷内氏に埼玉や日高市、旧高麗郡との地縁はないはず。神社仏閣巡りが趣味とも思えない。たとえ趣味であったとしても、就任直前に訪ねるものだろうか。もしかして、国家安全保障局の重要案件であるはずの北朝鮮や韓国との外交問題に関わるのかも? そんなことも考えてみたが、その窓口やパイプ役が神社に関係するなど、小説や映画でもあるまいしとも思ったりした。

?を抱えながら高麗神社を訪ねてみたわけだが、参拝者の名札に「谷内正太郎」の名前がたしかにあったのには拍子抜けした。堂々と公式参拝したわけだ。ただ、ほかの名札を眺めて、ちょっと仰天に近い驚きがあった。明治から昭和にかけて、日本の政治家や官僚、とくに大蔵官僚の大物の名が多いのだ。日本の政治家は官僚出身者が多いわけだから、ちょっとした「官僚神社」の感がある。

伊勢神宮や明治神宮、靖国神社ではない。交通の便の悪い埼玉県の奥深い地にある小さな、それも朝鮮渡来人の神社なのである。たとえがひどいという批判はあろうが、東十条のぼろい焼き肉屋に、安倍総理や黒田日銀総裁、齋木昭隆外務次官などが店主と一緒に写ったサイン入り写真が飾られていたようなもの、といったらよいか(まずいか)。

これはもしかすると、半村良の伝奇世界かもということで、「大物たち」やほかの「有名人」の名前を含めて、続きは次回に。

(敬称略)

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