コタツ評論

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保活に矮小化するな

2016-03-14 06:20:00 | ノンジャンル
「保育園落ちた日本死ね!」の発信者が取材に応えた 過熱する「保活」、親たちの怒り広がる

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1603/10/news071.html

地域格差があるから「保健所@安倍」の絶対数が全国的にそれほど不足しているかは疑問という批判は皮相的に過ぎるので、却下。働く母親にとっては、「保育園落ちた」ら、ほとんど死活問題。「おまえら死ね!!!」といわれたのと同じ。かくいう私も母子家庭の保育園育ち。季節が変わっても私と弟の夏掛けを買えず、保育士から「注意」されてうなだれていた母の横顔を思い出す。

安倍が福島瑞穂の追及に対して、「保育園の数は、民主党政権のときより格段に増やしている!」と言い返したのは詭弁。民主党がマニュフェストで「子ども手当増額」を唱えて集票したのを真似したに過ぎない。「わが自民党も民主党から学ぶべきは学んでるんですよ」と微笑を交えて反論すればよかったのに、ほんとうに安倍首相は子どもじみている。

子ども手当や保育園数や定員数の増額拡大より、最低賃金の増額やきめ細かいコンサルサポートなど、より根本的で入念な施策が必要だから、どの党が取り組んでもそう簡単ではない。子どもを抱えて路頭に迷う母親の現実はいくらでも転がっているが、とりあえず託児所を備えた風俗店から学ぶべき。そこまで視野を持ち行動力があるコンサル人材は行政には難しいだろう。

働く母親に物心両面を支えるコンサルサポートをするなら、母子家庭の働く母親自身を有償ボランティアとして起用するなど、やる気になればすぐにできる施策も少なくないはず。

最後に、「日本死ね!!!」に顔を顰める向きに。この匿名の文章は名分がある名文です。つまり、三島由紀夫が自決前に書いたのと同様な檄文です。三島も「日本死ね!!!」と言ったのです。三島の時代にはなかったネットを含めた、世間知に長けた政治家がもっと必要です。末尾ながら、Uさんに感謝。