コタツ評論

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セッション その3

2015-10-06 19:27:00 | 音楽
なぜか文字化けするので、続きです。

二人のやりとりから私なりに見えてきたのは、フレッチャー教授とニーマン君には、「音楽愛」がある。ただし、それは「自己愛」に限りなく近い。「昇華」もあった。ただし、それは二人だけの世界だった。クライマックスの延々のドラムソロによって、フレッチャー教授がニーマン君を認めたのではなく、その逆。フレッチャー教授が要求する完璧な演奏をめざして過酷な練習を積み上げながら破綻して、いったんは演奏家の道をあきらめたニーマン君は、完璧な演奏にその先があることを知らなかった。

フレッチャー教授の指揮を無視して渾身のスティックを振るううちに、フレッチャー教授が真にめざすその先をかいま見たのだ。「これか!」「そう、それだよ」と交わされる笑みと目配せ。武芸でいえば、一子相伝の契りを結んだという結末。だから、共演者も観客も関係なし。したがって、音楽映画ではなく音楽に取り憑かれた人間の物語だったというのが私の結論。同意同感できなくて違和感ばかりがつのる「未消化」だけれど、おもしろい場合もあるのです。

しかし、私のような半端なジャズファンからみても、「おいおい」という場面多数。もう、最初のバディ・リッチがアイドルでこけたもんな(バディ・リッチのファンの方、ごめんなさい)。

(敬称略)

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