「FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023」を観ているか。日本はこれまで1セットも落とさぬ5連勝という快進撃を続けている。今日、土曜日に同じく5連勝中で世界ランク1位のトルコと対戦する。セットカウント3-1以上でトルコに勝利すれば、グループ2位以内が確定し、パリ五輪に出場できるという大一番だ。
ちなみに日本は世界ランク8位、ブラジルやアメリカ、中国が強いことは知っていたが、トルコが一位とは? 伝統的に東欧諸国や南米に強豪国が多く、アジアでは中国、日本、韓国くらいだったが、タイが世界ランク14位と躍進しているのは嬉しい。
ここ3戦くらいを観たかぎりでは、高さや身体能力に劣る分を技術と速さでカバーするという、日本のお家芸で勝利している、のではないように思う。バレーボールを少し齧った経験から言うと、バレーボールにおける身長差やジャンプ力はそう簡単に越えられる壁ではない。
「木偶の坊」や「総身に知恵の回りかね」は大昔の話で、バスケを観てもわかるように、いまや技術や速さにそれほどの差はない。
ではなぜ、エースの古賀紗理那が180cm、平均身長175cmの日本が2m越えや190cm越えが珍しくないチーム相手に圧勝できるのか。チームワークというには生易しすぎる、一丸となっての攻守だと思う。
ニコニコしながら甲高い声を掛け合いながら、1点1点もぎ取っては手をタッチして喜ぶ。わずかなことでも喜ぶ。ホームの熱狂的なファンの声援がそれに呼応する。チーム一丸、会場一体、が彼女たちに勝機をつかませ、勢いを与えている。
これ、まさしく日本の、日本人の勝ち方なんだよな。短期決戦では、スキルや地力ー総合力に勝る相手に勝つことができる。勝ち続けることはできないし、しぶとく負けることもできないが、「柔よく剛を制する」こともある。
天然全体主義ともいうべき国民性があってこそのものだから、もちろん毀誉褒貶あるわけだが、少なくとも日本チームと対戦チームのどちらが楽しそうか、生き生きとしているか、この瞬間、どちらが幸福なのかは明白だ。
いまの日本は、日本人は、黙々と日々の努力を続けられる環境はなく、ここぞというときのチームワークはなく、周囲の応援もない。トップダウンの減点主義のプレッシャーに苦しめられる、かつてのソ連東欧チームのような、暗い表情の人々に満ちているのではないか?
さあ、19時からの日本女子代表チーム第6戦を応援しよう。世界NO.1のトルコがどんなチームか楽しみ。
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