コタツ評論

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心配するなとコヨーテは啼いた

2011-11-25 21:49:00 | ブックオフ本
おもしろい書名です。帯文によると、「管啓次郎は、批評を紀行にしてしまう思想の一匹狼、もしくは詩的なコヨーテだ-堀江敏幸」だそうだ。

本は読めないものだから心配するな』(管 啓次郎 左右社)

紀行文のような書評集とは、変わっている。しかし、取りあげられている本は、知らない本や著者ばかり。ちょっと読んでみたい気はするが、読んでもわからないだろうし、関心が持てないかもしれない。「ウォン」(待ってくれ)とコヨーテは啼きました。「ウォォン」(本とはそんなものじゃない)といいます。

本に「冊」という単位はない。とりあえず、これを読書の原則の第一条とする。本は物質的に完結したふりをしているが、だまされるな。ぼくらが読みうるものはテクストだけであり、テクストとは一定の流れであり、流れからは泡が現れては消え、さまざまな夾雑物が沈んでゆく。本を読んで忘れるのはあたりまえなのだ。本とはいわばテクストの流れがぶつかる岩か石か砂か樹の枝や落ち葉や草の岸辺だ。流れは方向を変え、かすかに新たな成分を得る。問題なのはそのような複数のテクスチュアルな流れの合成であるきみ自身の生が、どんな反響を発し、どこにむかうかということにつきる。読むことと書くことと生きることはひとつ。それが読書の実用論だ。そしていつか満月の夜、不眠と焦燥に苦しむきみが本を読めないこと読んでも何も残らないことを嘆くはめになったなら、このことばを思いだしてくれ。本は読めないものだから心配するな。

Don't Worry, Be Happy, sung by 'Dumbfoundus'


Vocal group cosmos "Don't worry, Be happy"


Zumba Fitness - DONT WORRY BE HAPPY


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