僕は傘が好きだ
夕暮れかまだ夜があさい時間に降りはじめ
暗さが二割三割り増しになっていくときがいい
空気を冷やし街を包むように濡らすくらいがいい
忌々しげに空を見あげる瞳が気弱に瞬くのがいい
身幅以上の傘をもち足もとを気にするせいか
人々がちょっと遠慮がちに歩くのがいい
雨滴がつたうフロントガラスに滲むテールランプの赤がいい
月や星が消えたかわりに街灯やネオンに光り輝くアスファルトがいい
眠気を誘うワイパーの往復音に耳をあずけながら
消えては現れる大きな分度器みたいな水跡から
店の名前と出入りを眺めているのがいい
いつものカフェの壁際の席で脚を組み
傘立てにささった色を数え模様を覚えようとする
少々の雨なら傘をささない僕だけど
君がさしてくる傘を想像しているのはいい
おや、はじめてみる傘だな
「やあ、早かったね。うん、僕もいまきたところ」
(2001/09/04)
夕暮れかまだ夜があさい時間に降りはじめ
暗さが二割三割り増しになっていくときがいい
空気を冷やし街を包むように濡らすくらいがいい
忌々しげに空を見あげる瞳が気弱に瞬くのがいい
身幅以上の傘をもち足もとを気にするせいか
人々がちょっと遠慮がちに歩くのがいい
雨滴がつたうフロントガラスに滲むテールランプの赤がいい
月や星が消えたかわりに街灯やネオンに光り輝くアスファルトがいい
眠気を誘うワイパーの往復音に耳をあずけながら
消えては現れる大きな分度器みたいな水跡から
店の名前と出入りを眺めているのがいい
いつものカフェの壁際の席で脚を組み
傘立てにささった色を数え模様を覚えようとする
少々の雨なら傘をささない僕だけど
君がさしてくる傘を想像しているのはいい
おや、はじめてみる傘だな
「やあ、早かったね。うん、僕もいまきたところ」
(2001/09/04)
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