コタツ評論

あなたが観ない映画 あなたが読まない本 あなたが聴かない音楽 あなたの知らないダイアローグ

有馬祈念

2011-12-24 23:37:00 | ノンジャンル
⑨オルフェーヴル①ブエナビスタは動かない。はたしてカンチャン待ちは? ⑫アーネストリーである。9-12-1の3連単(複)で決まり。大胆にオルフェを外し、代わりに②ヴィクトワールピサを入れて、12-1-2の3連単(複)もおもしろい。で、今宵の音楽は、ナリタブライアンつながりで、ブライアン・イーノ。

Music For Airports by Brian Eno


(敬称略)
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骨がらみの客観報道

2011-12-19 01:42:00 | ノンジャンル
慰安婦は平行線=大統領「障害」、決着済みと首相
 -未来志向で一致・日韓首脳
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2011121800046&rel=y&g=pol

昨日(18日)のTVのニュースでは、1時間の首脳会談のうち、李明博大統領はなんと40分も、「従軍慰安婦問題」について言及したと報じていた。

異例というより、異常というほかないが、さて、李明博韓国大統領の来日に先立ち、つい数日前、NHKは日韓首脳会談をどう解説していたのか。

「アメリカとのFTA(自由貿易協定)や中国漁船の韓国海洋警察隊員殺傷事件に対し、弱腰外交と強く国内で批判されている李明博大統領としては、今度の日韓首脳会議で、従軍慰安婦問題について、多少なりとも触れざるをえないだろう」

つまり、弱腰外交という批判をかわすため、李明博大統領は国内向けに、渋々嫌々しかたなく、従軍慰安婦問題を話題に上げるだろう、だがそれは国内向けのポーズに過ぎず、形式的なものだ、そう日本国民に説明したということになろう。

次の3つに整理できる。

①日韓首脳会談のテーブルに、従軍慰安婦問題を上げることを
  既成事実化した
②しかし、従軍慰安婦問題に言及せざるを得ない、李明博大統領
  の苦しい国内事情への理解をうながした
③多少どころか、第一回会談は、ほとんど従軍慰安婦問題だけが
  テーマになった


①②③という順で読めば、NHKの解説はまったく的はずれだったといえる。②①③の順で読んでみれば、李明博大統領寄りが明白である。③②①という順で読み直すとすれば、ほとんど韓国の宣撫工作とさえ思える。

いつからNHKは韓国寄りになったのか。そんな批判が聞こえてきそうだが、私はその見方をとらない。NHKにとくだんの考えや目的があって、こうした「宣撫報道」になったのではない、と思う。

宣撫工作とは、いうまでもなく占領政策にともなうもの。1945年から1952年まで、歴史上はじめて日本は占領され、サンフランシスコ条約で独立後からいまも、日本の軍事外交は他国に握られ、実質的な占領状態が続いている。

当然、まず占領とその占領政策を隠蔽する必要があるが、そのためには日常的な宣撫工作が求められる。NHKをはじめとするマスコミは、宣撫工作の間接的な担い手なのだろう。被占領国の国営放送であるNHKには、拒否できない立場だ。

戦後66年の長きにわたり、NHKは他国のために、日常的に「宣撫報道」を続けてきた。そこでは、国民に現実上の選択肢を提示し、国益上の選択を迫るという報道機関本来の役割は、あらかじめ失われている。

先のTPP参加問題でも、野田首相が参加表明をする以前、9時のニュースでは、米韓FTAに合意した李明博韓国大統領のためにオバマ米大統領主催の晩餐会が開かれたと報じた後、NHKの解説委員は、悲痛な表情で、こう語っていた。

この間、鳩山、菅、野田など、日本の首相のために晩餐会が開かれたことがない、このままでは置いてけぼりにされかねない、と。たしかに、歴代首相は何度も渡米しているが、食事にも招かれず、ホワイトハウスのコーヒーだけふるまわれて帰されている。

占領国の支持不支持のサインが、報道に優先するのがよくわかる事例だ。TPP参加はすでに「国益上」避けがたいとし、国民に現実的な選択を迫るという転倒。自動販売機に硬貨を入れると、ゴトンとドリンクが出てくるように、宣撫報道はパターン化してしまった。

たとえば②など、李明博大統領だけでなく、アメリカのオバマ大統領はもちろん、ロシアのプーチン首相、中国の胡錦濤総書記、あるいはかの金正日総書記にすら、その「苦しい国内事情に理解をうながす」解説が、必ずつけくわえられてきた。

まるで日本には「苦しい国内事情」など何もないかのように、抽象的な国際社会に向けて日本の国益など度外視する姿勢。NHKはそれを「客観報道」と標榜してきた。それが宣撫報道の偽装に過ぎないことを忘れるほど、骨がらみになっているために、占領国以外にも同様な宣撫報道になるのではないか。

(敬称略)



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小沢無罪

2011-12-18 00:53:00 | ノンジャンル
今年2011年は、マスコミのミスリード(誤導)の年だった記憶されるはずである。その第一は、もちろん、「原発事故はただちに危険なレベルではない」、次は、「小沢には疑惑があるから有罪」である。

昨日、野田総理は、「福島第一原発事故は収束した」と宣言して世界を驚倒させたが、小沢裁判は続いており、これまでの「有罪」報道を覆す事実や証言が飛び出している。産経と読売は、以下のニュースを取りあげているが、朝日新聞とNHKは黙殺したようだ。

「小沢さんは無罪」 前田元検事、当時の捜査批判-産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111217-00000103-san-soci

元特捜検事が虚偽の捜査報告書…小沢氏側が指摘-読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111215-OYT1T01056.htm

となると、これで裁判は小沢無罪に傾くとするのは早計だ。「法律のプロ」より、検察審議会の「市民の判断」が優先されるからだ。朝日新聞とNHKは、「市民参加」を錦の御旗にできるかぎり、「小沢有罪」報道を変えないだろう。

すると国民は、「お茶の間の正義」を支持してくれる朝日新聞とNHKを支持する。そこでまた例によって、お手盛りの世論調査が発表され、「国民の厳しい視線」を浴びているとし、「小沢有罪」判決に近づいていく。

やはりそれは、「福島第一原発事故は収束した」の次くらいに驚くべき決着なのだが、もはや誰も、「ふーん」とスルーしている、するだろうところが、ほんとうに驚くべきことなのかもしれない。

(敬称略)
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ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ

2011-12-17 00:26:00 | ノンジャンル


我が家にはプーチンという名の猫がいるが、映画のアバターみたいに目が離れた変な顔している。プーチンも、なんだか最近、顔が変わってやしないか? 選挙で負けたが、選挙向けに整形手術でもしたかな。日本も、少しはプーチンの顔を立ててやってもいいのにな、と思う今日このゴローという名の猫もいる。

プーチン首相 日本との間で大規模鉄道プロジェクトを検討中
http://japanese.ruvr.ru/2011/12/15/62302901.html

トンネル「サハリン-日本」は、明るい未来をもたらすか?
http://japanese.ruvr.ru/2011/12/16/62353682.html

プーチン:これら案は新しいものではない。サハリンと本土を結ぶ橋の建設ならびに日本へのトンネル建設案は、ずいぶん前に持ち上がっている。

そう、橋本龍太郎とボリス・エリツィンの裏首脳会談で、すでに日露架橋プロジェクトは突っこんで話し合われている。もちろん、橋龍・エリツィンとも、北方領土返還が前提だった。無条件ではないが。このあたり、プーチンは百も承知二百も合点の上での発言。

ところが、橋龍は急死したし、民主党政権になったから、日本側は誰も知らぬ存ぜぬ。鈴木宗男と佐藤優くらい。プーチンのブロックサインは空を切るばかり。プーチン独裁のうちでなけりゃ、民主政権にでもなれば、北方領土は絶対に返ってこないぞ。

格好の大型公共工事、景気回復のメガプロジェクト、エネルギー源の超安定確保、北海道経済大躍進、口先介入だけでも株価が上がるんだがな。日露がつながれば、東京発モスクワ経由パリ行き「銀河鉄道999」や、国後択捉日帰り温泉カニ鍋付きドライブも夢ではないのだがな。

(敬称略)


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ロールキャベツ

2011-12-15 00:17:00 | ノンジャンル
奥付をみると、2009年6月10日初版発行、2009年8月10日六版発行とある。わずか2か月間で6版も重ねているから、少なく見積もってもこれまでに10万部以上は売ったはずのベストセラーだ。たしかに、書店の文庫本コーナーに長く平積みになっていて、帯カバーの野中広務辛淑玉の顔写真が目立っていた。



『差別と日本人』(野中 広務 辛 淑玉 角川ONEテーマ21)

目次
まえがき 野中広務
まえがき 辛淑玉
第1章  差別は何を生むか
第2章  差別といかに闘うか
第3章  国政と差別
第4章  これからの政治と差別
あとがき 野中広務
あとがき 辛淑玉
参考文献


被差別部落出身をカミングアウトしている大物保守政治家と在日朝鮮人の女性論客による「日本人のキャベツ」をテーマにした対談本がこれほど売れるとは、おそらく誰も予測できなかったのではないか。どうして売れたのか。

キャベツ:差別という言葉が、あまりに差別的に使われ、あるいは邪険に扱われてきた結果、差別という言葉自体があたかも差別語のように響くため、ここではキャベツと言い換える。もちろん、キャベツの了承を得ていないが、キャベツに対して他意がないことはいうまでもない。

一見、安手な対談本のようで、どうしてそうではない。まず、二人が入れ替わりに語る対談ではなく、野中広務に辛淑玉が質問をぶつけるインタビューである。合間に、質問と回答を補完する、たとえば1972年の八鹿高校事件について、辛淑玉による地の文が挿入される。

そうした構成にくわえ、巻末に記されたたくさんの参考文献、とくに部落解放関連資料が過半を占めることなどから、辛淑玉にはじゅうぶん一冊を書ける準備があった。しかし、あえて、安直に手に取れる文庫の対談本にした。

次なる工夫は、一政治家と一市民に立ち戻ってみせた。どちらもキャベツと自分とのかかわりを語りながら、野中広務は同和行政やキャベツ撤廃施策の行政側の当事者として質問に答え、辛淑玉もそれぞれの政策や法律の具体的な不備不足を指摘している。

キャベツからの解放やキャベツ意識の改革など、理念的な応酬はまったくされない。どちらも何かを誰かを代表しないし、代弁しない。発言の重さはつねに一人分だから、過酷や深刻なことがらに言及しても、必要以上に重くならない。

キャベツ問題と同和行政を知悉している野中広務をして感心させるほど、辛淑玉はよく調べよく理解して、融和・解放・同和それぞれの運動の矛盾や政策の限界の数々を、かつて政権中枢にいた野中広務に認めさせている。

キャベツ問題を政策レベルで整理してみせたことで、参画可能な政策課題に浮かび上がらせた。それがキレイごとにみえないのは、野中広務が「ボス交と談合」の民主政治手法を語り、辛淑玉はそれを批判しながらも、否定はしないからだ。

また、キャベツの中心や土着に触れず、国際的な視点を導入したところも、「在日」の辛淑玉がインタビュアーなら当然とはいえ、キャベツ問題のオルタナティブな可能性を浮上させる工夫といえるだろう。

国際的な連携と連帯は市民側としては当然の視点ながら、国際的な視点をまったく欠いていた行政の不明について、「恥ずかしい」とまで野中がいったのには少し驚いたが、このあたりは辛淑玉に花を持たせたのかもしれない。

とここまで書いてきて、この本のつくりがいわゆるビジネス書によく似ていることに気がついた。「日本人と差別」というベタな書名、野中広務に辛淑玉という濃いキャラ、そうした先入見に惑わされず、20~30代の読者に向けた自己啓発的なビジネス書と考えてみる。

老練な実力者に若手の新鋭が食い下がり、老人と青年、男性と女性、大組織と小グループ、国内と国際化と対比させ、たがいの苦労話を交えてエールを交わすところなど、ビジネス書のサクセスストーリーによく似たつくりだ。

「人材育成コンサルタント」を肩書きとする辛淑玉は、キャリアアップとキャベツというテーマの違いはあれど、勝間和代に近い立ち位置だ。また、勝間和代本も日本社会の女性キャベツが下敷きのコードのひとつだろう。

勝間和代も辛淑玉も、ともに有能なキャリアウーマンにみえ、ともに改革や変革の啓発活動に熱心であり、日本の若い世代のロールモデルとして、一方はその過程で自己実現という夢を、一方は自己実現から解放される夢を、読者に与えているから、売れている。

そんな風に思えたマル

(敬称略)




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