ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

今年の免許状更新講習

2014-08-07 22:45:21 | ワークショップの報告

8月3日。近大姫路大学では理科の講習。主に小学校の先生が対象でした。
私はCoREFのウェブサイトから指導案をお借りして、小学校3年生向けの「電気」の授業。ジグソー法に独自のアイデアとしてドラマの手法を導入させていただきました。

4人で90分ずつ、4つの講義の第一番目を担当。受講者同士のつながりがもてるので、アイスブレイクとしても最適。90分の中で、受講生同士の和気あいあいとしたムードが出来上がっていました。

CoREFの指導案は本当に良くできていて、さらにドラマの手法を取り入れることで、疑問を出しやすく、理解が深まることを確信しました。

受講者の感想から。

「今までの授業のしかたとは違い、とてもわくわくしながら講習を受けることができました。楽しかったです」

「講義を聴くだけでなく、実際体験することで手法について理解を深めることができました」

「私自身理科が苦手で指導もあまり自信がなかったのですが、この講座のように楽しく学べる授業づくりを工夫したいと思います」

「『ドラマ』を一体学習の中でどう取り組むのか、全く疑問のまま今日の講習に参加しました。確かに『誰かまたは何かになる』ことで一斉授業では通り過ぎてしまう疑問が生まれました。学習を深めるとても良い方法だと思いました」

「理科だけでなく、他教科でもジグソー法を活用することで、子どもの思考力、コミュニケーション能力を高めていけると確信しました。継続して実施していることが必要だと思います」

8月5日は立命館大学での更新講習。「ハックルベリーフィンの冒険」のワークショップを中心に。

今年は昨年よりさらに進歩した感じです。

昨年は、あれもこれもと欲張りました。アクティビティも資料も。今年は、ジグソー法と「心の声」を中心に「ハックの冒険」に的を絞りました。資料も簡潔にしました。そのことによって、より深めることができたと思います。

「正直、更新講習にはあまり期待をしていなかったのですが、本当に受講できて良かったと思っています」

「朝、乗り物酔いで最悪の状態でしたが、受講して良かったです。たくさんヒントをいただきました」

「今日の講習は、現場に持ち帰ってああしてみよう、こうしてみようという意欲に繋がりました」

「夏休み明けの授業で早速やってみたいと思います」

「特に誰かまたは何かになる技法を取り入れたグループ活動は、今後の教育活動に生かして生きたいです」

「どんなことをするのか、ドキドキしながら参加しましたが、楽しく講習を受けることができました。『自分が責任(役割)をもつことの大切さ』を実感できました」

「(体験型の)この講習に参加して良いものやら、迷っていましたし、不安でした。しかし、この一日、本当に良い学習をさせていただき、先生、学生さん、皆さんに感謝しております」(学生がサポータとして5名参加してくれました)

「今日の様々な活動を通して、私自身が認められることの心地よさを感じました」

「2回目の心の声は、言いたいことがありすぎてもやもやしていました。でも肩をたたかれた途端、自分でも思いがけず、目を閉じて、『どうしたらいいか本当にわからない』と叫んでいました。そんな自身にすごく驚きました。これが今日ドラマの手法を学んで体験した最もインパクトのあることでした」

「体験しながら自分の変容を実感しました」

「人はなぜ学校で、教室で、みんなで学ぶのか。なぜそれが必要なのかを改めて感じることができました」

「一日があっという間に感じる密度の濃い講習でした」

学生とも一日かけてじっくり取り組むことができるといいのですが…。

実はこのブログで「ワークショップの報告」は1年ぶり。
授業でいろいろなワークショップをしているのでブランクは感じないけれど、1年間も授業以外でワークショップをしていなかったと思うと、ちょっとびっくりします。
この1年、体力的にも時間的にも、いかに余裕がなかったか、ということを改めて実感させられました。

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2013免許状更新講習

2013-09-06 09:37:43 | ワークショップの報告

久しぶりに、夫と二人ホッとゆったりした時間をすごしています。
別荘(?)から見た下蒲刈島です。
Image4111

遅ればせながら、今年度の免許状更新講習の報告。

7月31日(水)近大姫路大学にて、「楽しい理科授業の作り方」。
私は、あいかわらずドラマの授業。金星の見え方をやりました。今回は1日4時間のうち1時間目を担当。きっとクラスの雰囲気づくりに役立ったと思います。

この講座を担当する4人は、毎年前日に打ち合わせをするのですが、それが楽しい。理科教育に関する新しい情報が入ってきます。

翌日8月1日(木)は立命館大学にて「コミュニケーションと表現を育む―ドラマの手法を用いて」。連日はしんどかった。

学生が6人、手伝ってくれました。彼らの素晴らしいこと。前向きで、元気で、明るくて。

今回は前回より参加者の反応が少し良くなかったです。いくつかの要因として
・「ハックのワークショップ」のブラッシュアップを兼ねて実施したが、今回の参加者のニーズと内容がかならずしも一致していなかった。
しかし、「ハックのワークショップ」のブラッシュアップという点では、成果がありました。

・連日で私が疲れていた。特に最後のプログラム全体をふりかえる討論では、受け身になってしまって、切り込めなかった。
学生たちが助けてくれたとはいうものの、一日のワークショップをひとりで担当するというのは、考えてみれば初めてでした。
体力がないとつくづく思います。日常のあれこれで擦り切れている。

今日は自分のために時間が使えます。
来年度から境遇が変わるので、気持ちを入れ替え新しく出直したいと思っています。

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進化をとげた「ハックの冒険」ワークショップ―異文化間教育学会プレセミナーより

2013-06-10 13:01:57 | ワークショップの報告

「異文化間教育学会でのプレセミナー「ドラマを通して考えるハックルベリー・フィンの冒険」が6月7日に終了しました。

ふりかえってみると、2011年終わりごろに、ふってわいた吉田真理子先生とのペア。
そのときのテーマは「大学でのドラマ授業」。
獲得研の渡部淳先生の仕掛けでした。http://www.kakutokuken.jp/periphery/

そして、昨年3月の獲得研セミナーでの「トム・ソーヤの冒険」。
「やりとげた!」という思いと同時に、「もっと良いものがつくれたかも」という若干の物足りなさから、ペア継続宣言。
11月の獲得研例会でチャンスをいただくことに。

「ハックルベリー・フィンも読んで見て」と真理子先生に言われ、読むとすぐにトムからハックに心変わりした私。ハックのほうがはるかに面白い。
日頃の忙しさにしだいに思いも薄れ、8月の打ち合わせでは、「なんで私たち、継続することになったんだったっけ」というところまで逆戻り。

「淳先生の陰謀(?)でペアを組むことに・・・」
「それは3月までの話。今は・・・?」

改めてペアで継続することの意味を確認。
真理子先生のこだわりから、多くのことを学びました。
いろいろな人との協同ワークショップはこれまで何度もありましたが、今回のペアは深く細かいところまで話し合ってきました。
東京と京都という距離への危機感が、かえってお互いを近づけたのかもしれません。

一例をあげると、こんなことがありました。
アクティビティを「エンプティ・チェア」と名づけたことへの獲得研の方々の違和感。
けれど、私たちとしてはこの方法をはずせない。
でも、「エンプティ・チェア」と名づけると誤解が生じる。それは止めよう。
チェアを使う必然性は?
チェアをカヌーとして使って私が大学生を相手に実践。
けれど、椅子にしてしまうと動きの自由度が少なくなるのでは?
では、ジムの上着を小道具に・・・。
結果、椅子は布に変わりました。

資料や台本も、何度もメールで往復して検討しました。

結果、参加者から、嬉しい反応をいくつももらいました。
例えば、「劇を演じさせるということを授業に活かしたいと思って来た。でも、演じることが目的でなくて、感じることだったのですね。良い意味で、期待が裏切られました」
ワークショップを終えて話しかけてくださった女性のことばです。

プレセミナーを終えて、ふたりでふりかえり。
「淳先生が化学反応と言っていたことが、実際に起こったのでは」
これが、この1年半ほどをふりかえっての、私たちの総括でした。

獲得研のメンバーからさまざまなサポートがありました。当日だけのことではありません。
獲得研という実験室のすばらしさを実感しています。

まだ実験は継続します。
何か良いものを世に送り出せそうです。

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社会の正義と個人の良心―ハックの冒険から

2012-11-20 09:15:34 | ワークショップの報告

2012年11月17日。日大文理学部での第68回獲得型教育研究会にて、ワークショップをさせていただきました。

ワークショップの前に、国際交流教育について興味深い刺激的な報告がふたつあり、それだけでもとても満足な例会でした。

ワークショップは、春の獲得研セミナーに続き、吉田真理子先生とペアで。セミナーの時は、この続きを是非にと盛り上がったふたり。淳先生に、例会でのワークショップを申し出たまでは良かったのですが・・・。

まったく打ち合わせの時間がとれず、8月29日にようやく第一回目が実現。
そこで、『ハックルベリー・フィンの冒険』を題材に、ハックの葛藤をとりあげることになり、エンプティ・チェアというアイデアを真理子先生が、ジグソー法というアイデアを私が出して、およその構想は決まりました。

そのあとまた、ずーーーっとお互いの時間があわず、結局は当日の午前に(というか研究会開始の30分前に)、前々日の電話で打ち合わせにしたがって、ようやく形が決まったのでした。真理子先生はほぼ徹夜。

予定していたより持ち時間が短くなったので、随分端折りました。
せっかく書いてもらったポストイットも十分生かせませんでした。
それでも、一つの土台ができたと思います。

テーマは「社会の正義と個人の良心の葛藤」であり、「所属する社会から自由になれない自分」です。現代から「奴隷制度」を間違っているということは簡単ですが、私たちも何か時代の価値観に捉われていないでしょうか。後世から「間違っている」と言われるような。

獲得研のみなさま、ありがとう!淳先生には、多々ご迷惑おかけしましたが、そのフトコロの広さに感謝!

今回のワークショップを原型としながら、真理子先生だけが実施する場合と私が実施する場合ではずいぶん違ってくるだろうと思います。それをやってみても面白いなあ。真理子先生、これからもブラッシュアップしていきましょう。

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教員免許状更新講習と岩橋ゆりさん

2012-09-21 20:58:30 | ワークショップの報告

立命館大学で実施した免許状更新講習について再び。

テーマは「コミュニケーションと即興力をはぐくむードラマの手法を用いて」でした。ブログの8月10日付けをご覧下さい。この時は、「ゆりさんと最高のコンビちゃうか」なんて気を良くしたのですが、冷静になってみるとゆりさんがすごい人だったのでした。

ゆりさん(コミュニケーション・アーツ:http://haraiso.com/)に第2講の体験学習「コミュニケーションと即興」の講師をお願いしたのち、何度か打ち合わせをしました。(ゆりさんの最近の境地というか、次のインタビュー記事が面白い)http://www.fenceworks.jp/junbungaku/junbungaku.html

最初は、具体的なことが何も決まっていなかったのですが、話し合いの中で私自身にとっても「私はこの研修で本当のところ何をしたいのか」ということが明確になっていったわけです。明確になるようなことを聴いてくれるわけです。そして、それをとてもよく理解してくれる、というか察知してくれるといったほうが良いでしょうか。

私はゆりさんの実施した第2講を絶賛したいと思います。テーマに沿っているだけでなく、私が思っていたような場を創ってくださった。にもかかわらず、私が活かしきれなかったりするのですが・・・。今から思うと反省点がいくつかある。それほど自分を絶賛してられない。

直感や感覚にゆだねて動いているようで、実はゆりさんはとても理知的で、深く考えている。そのうえで、感覚に忠実に場にゆだねることができるようです。

これって、誰にでもできることではない。

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