ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

第七回研究会報告―サイズとステイタス

2007-10-05 09:09:13 | 研究会報告

今回もドラマ教育研究会プレ企画に便乗。10月4日。講師は真弓さん。分かりにくい場所ということもあって、予定の時刻(18:30)すぎに、なんとなく雑談から始まりました。「今日期待することは何ですか?」 そして、真弓さんの自己紹介。ばりばり演劇畑の人です。

わりと疲れている人もあって(私もその一人)、まずは二人一組で背中合わせに立つところから。そして座る。体操。もう一度背中合わせで立つ。相手の背中にぐ~んと体を伸ばして乗る。気持ちいい!

そして、木こりゲーム。これは声も出すし、笑いもはじけるし、ストレス発散!参加者のノリの良さが感じられます。

ここで名前の紹介。まずは普通に下の名前を「私は○○です」。次には名前にひっかけてジェスチャーをしながら。そのジェスチャーを見てみんなで真似をします。その次はジェスチャーを10倍大きく。そして、今度は三倍速で三回繰り返し。最後に、とても小さく。なんと、一人の名前を5回も真似して繰り返したので、日頃名前を覚えられない私も参加者の名前をすっかり覚えました。

「やってみてどうでしたか?二人一組で話し合ってください」。私たちの組は、「名前が覚えられた」「楽しかった」「結構運動になった」「真似をするのに必死で自分のを考える暇がなかった」などなど。

みんなからいろいろ出たことを受けて、今やった「考えて、思いついて、表現する」がある意味演劇のすべてと言えること。「10倍大きく」の意味がサイズ、重さ、速さ、苦しさ、楽しさなどいろいろあり、人それぞれ表現の個性があること。状況に応じてサイズを変える必要がある(近くに居る人に大声で話す必要がないが、舞台では驚き方ひとつでも舞台の大きさ(観客との距離)で変わってくる)ことなどが、真弓さんから語られました。

なるほど。それは教師が授業をするときも同じ。教室の大きさ、受講生の数でおのずと表現の仕方が変わってきます。アメリカの小学校で、先生が必要に応じて生徒を机から離して、横に広げて集めたり、密集して座らせたりしていたのを思い出しました。集め方を変えることで、違った表現が使えるということ。子どもたちをしかるとき、散らばった子どもたちに大声でしかるより、集めて切々と語るほうが子どもたちに届く。

小休憩の後、誕生日の順に整列。3~4人のグループに分かれ、見えない何か(重い、あるいは壊れそうなど)を協力して運び、それを別のグループに渡すというアクティビティをしました。それぞれが運んだものが、ワシの形の氷の彫刻、2mの冷蔵庫、3段のシャンデリアということが分かりました。

そしてまた、このアクティビティのふりかえり。ことばにしなくても、体が雄弁に語ることがあること。実際には無い物なのに、かなり真剣に運んで腰が痛くなりました。そして、このアクティビティをふりかえることによって、自分のステイタスについて気づきを得ることができること。人にはそれぞれ、自分が安心していられるステイタスがあって、それを知っておくことで、違うステイタスを演じなくてはいけないときに、どう振舞うと良いかが分かってくるという真弓さんの話は、なるほどと思うものがありました。このアクティビティは何度か経験したことがあるけれど、そういうことを考えてみた事もなかったし、これまでに示唆された事もありませんでした。目からウロコ。

最後に一人ずつ感想を語ってふりかえり。インフォメーションも含め、やはり予定を越えてしまいました。

お互いの関係が心地よく、思いきり動いて疲れが取れ、笑ってスッキリ。おまけに「なあるほど」と学ぶことの多い、すてきな時間でした。真弓さん、ありがとう!真弓さんに講師を依頼したい方、HP http://web.mac.com/unicoco/ をご覧下さい。

参加者10名に講師の真弓さんの計11名。1回目のプレ企画に比べてずいぶん減りましたが、参加者同士の関係という点でいうと、とてもよい人数でした。それにしても、「学びの即興劇」研究会の主力メンバーの卒業生が一人も参加していなかったのは残念。前回も卒業生は来ていなかった。熱い夏が終って、ちょっと熱が冷めたという面もあるのかな? 卒業生のみなさん、忙しいとは思いますが、リフレッシュもかねて参加してね。お待ちしています。

コメント (2)
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