ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

キジムナーフェスタ・ドラマ教育セミナー&ワークショップ

2008-07-29 16:45:05 | 研究会報告

Img_4460 7月25日から27日。イギリスからニーランズ先生を迎えてのドラマ教育セミナー&ワークショップは、本当に内容の濃い、実りの多いものでした。(写真は開始前、なにやら打ち合わせのジョナサン・ニーランズ先生と渡部淳先生)

1日目は、前半が基調講演。通訳つきで90分という制約の中、とても要領よく、ドラマを使った授業の特徴と、その授業を成り立たせるために何が必要か、どのようにドラマの授業を構成するかということなどを話されました。また、浅野誠先生がワークショップをやってこられた経験の中から、日本で適応するときに留意することなどをコメントされました。

後半は、ニーランズ先生のワークショップ。10代を対象にしたいじめの問題へのアプローチ。ホットシーティング(+ティーチャーインロール?)で状況を明らかにする手法を見せてくださいました。

2日目。小学生向けの「皇帝と凧」を3時間かけて、たっぷり楽しみました。ウォームアップから、皇帝を助けるための縄を編み続けた小さな末の王女の何か失いながら大人として成長するまでをダンスで表現する最後のアクティビティまで、みごとなプログラムに学ぶところ多々。

(一つのテーマで3時間のワークショップを私もやってみたい。できれば、1日のワークショップなんていうものも、やってみたいものです。)

3日目前半は10代対象。私の印象では10代後半という感じでしたが、家庭内暴力がテーマでした。ティーチャーインロールで子ども、母、祖母、父の役が演じられ、そこから発展していくのですが、あとで「このことは今日始めてやってみました」とおっしゃったアクティビティもあり、ニーランズ先生自身が、実践しつつ、常に方法を進化させておられることをリアルに体験することができました。

Photo 後半はフォーラム。ニーランズ先生と渡部淳先生の対話形式。なかでも興味深かったのは、「ドラマ教師の資質」の質問。ドラマは教師のためでなく子どものためのものだということ。これがはっきりしていれば、子どもにむきあっていれば子どもが教えてくれるということ。そしてドラマ教師にもっとも大切なのは子どもの力を引き出す「質問をすること」。経験をつむことで良いワークショップができるようになる・・・。

失敗を恐れてやらなければ、何も生まれない。経験を積むこと。でもその前に十分プランを練っていることも話されました。

内容については、できれば後日もう少し詳しく載せたいと思っています。

傍目に思ったことは、外国から講師を呼び、キジムナーフェスタという枠組の中で、沖縄という遠隔地で、しかも通訳を確保しなければならず・・・。様々な制約の中で、企画・運営された渡部先生や小林先生は、さぞかし大変だっただろうということです。

参加者にとって、とても有意義な内容でした。これを契機に沖縄のドラマ教育が発展することを願っています。

コメント
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